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ハイスクール•オンライン  作者: みまたく
23/71

昔と今

遅くなって申し訳ないです…>_<…

「おーい高坂、お前もこれからカラオケくるか?」

誰かが僕を呼ぶ。

「え、いいの?」

「おう、入学したばっかでみんなのことよくしらねーし、よろしく頼むぜ!」

そう言い僕の首に腕を回す。

その瞬間体が、心が、拒絶した。

「さ、触るなよ!」

考える間も無く、僕の口からは怒鳴り声が出ていた。

「あ、す、すま」

僕は急いで謝ろうとした。でも

「い、いや俺も悪かったよ。‥‥‥じゃあな」

そう言って彼は急ぎ足で立ち去っていった高校の入学式。

僕はスキンシップに過度の拒絶反応が出てしまう。こうなったのは中学2年生の頃からだったと思う。なぜかは自分でも分からない。

家族は大丈夫なのだが、多少のスキンシップは受け入れなければとは思うものの、心臓がキュッと縮まる様に体が受け付けてくれない。

それは沙羅も椿も、霧崎も例外ではない。

一度、本当に奇跡かとも思ったが、中学3年の一学期に転校してきた女の子には不思議と触れた。

しかし、その半年後に彼女は突然また転校してしまった。

僕は彼女に恋をしていたのかもしれない。人と別れるのが辛いと、初めて思った。



「高坂くん!」

「っ!」

「大丈夫?なんかすっごい思いつめてた顔してたよ?」

手を額に当てると変な汗がべったりとついていた。

「あ、ああ大丈夫だよ。朝食中にごめん」

「本当に大丈夫ですか?熱とかあるんじゃ?」

椿も心配しながら聞いてくる。

「ほんと大丈夫だって。ちょっと昔のこと思い出してただけだしね」

そう言うと沙羅が目を少し伏せた。

「辛い思い出?」

ありゃ、なんか余計な心配させてるな。

「いい思い出、ではないけどね。でも心配しないで?対したことないからさ」

余計な心配をかけるわけにはいかない。少し慣れてけたとはいえ、ここは異世界なのだ。

今は椿の問題を解決した翌日の朝だ。食事も食べ終わり、今日どうするかをみんなで考える。

「今の僕のレベルが9、沙羅は10、椿も6だ。次の街に行くのも一つの手だと思う。」

そう言うと沙羅はうーんと考え込む。

「私はスキルのスワンストローク、高坂くんはこの前手に入れたデュホークブレイドがあるからなんとかなるかな。あとは椿さんだね。」

そう、今の僕には新しい武器デュホークブレイドがある。黒みがかった刀身が特徴のレア武器だ。霧崎には感謝しなきゃな。

「そういえば椿はどの武器を使ってるんだ?」

「あ、短剣です。えーと、これなんですけど、この前NPCの人から話しかけられて、これを貰ったんです」

そう言って短剣を机の上に置いた。

「‥‥‥見たことないな、ん?NPCから声をかけられた?」

「?はい」

ゲームをやっていたころに見たことない武器に目を引かれたが、NPCから話をかけられるなんて事普通じゃあり得ない。ゲームの頃も向こうから話しかけてくることはなかったはずだ。それも当然、NPCはプログラムで決められた言葉を話すだけた。

「椿、その時なんて言われてこれを貰った?」

「えぇと、そこの旅人さん、これをもっていってください。って。断ったけど、どうかお願いしますって頼み込まれちゃって」

おかしすぎる。NPCから話しかけられるのもおかしな話だが、頼み込む?そんなことあるはずがないのに‥‥‥まさか

「NPCは、ノップはこの世界で〈生きている〉?プログラムじゃなく、自我を持っているのかもしれない。」

「こ、高坂くん?」

あ、また自分の世界に入ってた。まずいまずい。

「ま、まあその話はおいといて、この武器のステータスを見せてくれないか?」

「あ、はい」

椿が武器のステータスを見せてくれる。

「ありがとう、んーと、武器の名前は〈花風丸 カフウマル〉か。ん、んんっ?!」

「ど、どうしたの?」

沙羅が驚いた様に聞いてくる。

「あ、あれ僕のデュホークブレイドよりも攻撃値が高い‥‥‥」

「‥‥‥」

いや、沙羅さん、黙らないでよ。なんか僕が惨めになっちゃうじゃないかい。いや、それにしてもこの花風丸、攻撃値が半端ないことになってる。その代わりに防御値や素早さは無いに等しいが。まあどっちも当たらなければどうということはというわけで。それに装飾が綺麗だ。真っ赤な刀身に緑色の花の絵が掘られてる。

「いや、本当強いなこれ」

「よかったです。2人の力になれそうで」

ニコッと笑う椿。うん、なんて言うか、いい子やー‥‥‥。

「じゃあ、次の街に行こう。みんな十分すぎるくらいに強くなってる。椿もこれからよろしく。」

「よろしくお願いします!椿さん!」

「ーーはい!」








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