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ハイスクール•オンライン  作者: みまたく
18/71

カースト

遅れてすいません!お楽しみ下さい!

辺りはすっかり暗くなった頃、やっとカフトへ戻った僕と沙羅はとりあえずご飯を食べることにした。

「で、なに食べる?山菜ドック嫌なんだろ?」

「そりゃ連続で食べてると飽きるよー、何か甘いもの食べたいな!」

沙羅は目を輝かせながら言う。僕も甘いものは好きだ。特にアンコ系。

「でもカフトに甘いもの系を扱っているお店そんなにないからなぁ。あの喫茶店とかでいい?」

もっと先の街まで行けばスイーツ専門店があったはず。ゲームの頃は一回もお世話にならなかったけど。あそこの店長のクエスト難しすぎだろ。

「うん、いこいこー」

並んで歩き出す。

「あ、そういえば沙羅って何歳?」

やばい、年齢を知らなかった。ステータスには年齢がかかれていない。書かれているのは名前、武器、称号名、装備だけだ。もちろん名前以外はフレンドにならないと分からないようにはなっている。

「あ、あははー、そういえばお互いのこと全然知らなかったね。」

沙羅が後頭部を掻きながら言った。そしてコホンッと咳払いして言う。

「改めて!空音沙羅です。えーと年齢は15だよ、高1だねー。高坂くんは?」

高1か、一つ年下だったんだな。

「改めまして?高坂咲人です。今16で高2だね」

えっ!と沙羅が驚く。

「て、てっきり同い年かと思ってたよ。童顔なんだねー」

沙羅がマジマジと僕の顔を見る。

「よ、よく言われるよ」

「なんか女装とか似合いそうだよねー、女子力高そう!」

それは褒め言葉にならないぞ

「できれば男らしい!って言われる方が嬉しいんだけど」

男で女装似合いそう!とか女子力高そう!と言われても僕は嬉しくない。男なんだから頼りになる、とかの方がいい。

「んー、私基本男の人苦手なんだけど、高坂くんは平気だから男って感じじゃないのかもー」

男の人苦手なのか。あの明美とかいう少女みたいなのといるからそんなイメージは無かったな。本当にお互い知らないことだらけだ。

「あ、ついたねー」

喫茶店に着き、中に入ったがなんか揉めている集団がいる。

「関わらないようにしよう」

僕は基本他人に干渉したくない。ま、まあ沙羅の件に関しては反論はできないけど。鬼坂が死んだ件も僕が気になったからしただけだ。

「そうだね、なんか怖そうだし」

見るからに揉めている?のはギャル、というべきかスクールカーストの高そうな女子達だ。

「とにかく座るか。席は空いてるかな」

見て回ったがほとんど空いていない。一つだけ空いているがその揉めている集団の後ろの席だ。

「あそこでいい?」

沙羅は困ったような顔をしたが少し微笑み言う。

「うん、大丈夫だよー。お腹減ったしねー」

僕も苦笑し、その席に座る。ファミレスのような並びだと思ってくれたらいいと思う。席に着くと店員さんがすごいスピードでやってくる。

「ご注文は?」

「えーと、このジャンボ山の果実パフェを一つ!」

沙羅が元気よく言う。それ一個400サンするんだけど‥‥‥まあ洞窟で一日中戦ったり、マップボスも倒したこともあり、お金は結構持っている。

「僕はカフト限定サラダとサンドイッチを」

「かしこまりました。少々お待ちを」

今日はガッツリって感じではないからヘルシー目でいく。

「むむ、やっぱり女子力高いなぁ」

「はいはい」

沙羅が感心するように言うが受け流す。相手をしていると僕の男の威厳が無くなりそうだからね。

注文も終わり、背もたれに体をしずめると、僕の後ろから様々な声が聞こえる。

「いいからよこせよー、逆らうのー?」

「ちょーしのんなよ?マジで。殴られたいのー?」

「や、やめて」

「稼いでんたろ?あたし達金なくてさー、学校でもよくくれたじゃん?ブスのくせに生意気言うんじゃねーよ!」

‥‥‥止めようとは思わない。個人の問題だ。しかし、ここは公共の場だ。NPCの店員が困ったような顔をしている。NPCにも感情があるのかもしれない。そんな顔をされたら無視できないよね。うん。

「うるさいよ、さっきから」

僕は座りながら後ろに向かって言う。できるだけクールに言ったつもり。どもってないよ?いやホントホント。

「あ、なんだお前?文句あんの?」

こっちの席まで来て僕に向かって言う。うわ化粧しすぎでしょ、肌は黒いし目とか真っ黒だよ。この世界では現実世界の化粧をしたままの姿とすっぴんの姿の両方でいられるようだ。僕は男だから詳しいことは分からないけど。

「‥‥‥」

僕はジッとその化粧バリバリの子の目を見つめる。

「な、なんだよ。あたしに惚れたの?まあ、キスくらいならしてやってもいいけどー?」

何をトチ狂ってるのかしらないが、僕は少し微笑み言う。

「君、可愛くないね」

そのギャルは一瞬何を言われたのか分からないような顔をした。

「てめぇ、殺すぞ!マジで!」

しかしすぐにスイッチが切り替わったように怒鳴る。うるさいなぁもう。僕は椅子から立ち、怒鳴ったギャルをどけて揉めていた席に行くと、そこには残り2人のギャルが1人の女子を挟むように座っていた。足を開くな、パンツ見えてるぞ。紫か。

「ブスって言っていたけどさ、この子の方が可愛いじゃないか」

挟まれるように座っていた少女の腕を引き、ぼくの隣に立たせる。それにしても自分でも引くくらい臭いセリフ言ってる。恥ずかしいなこれ。

しかし、ブスと言われていたこの子が可愛いのは本当だ。黒髪のショートカットで目がぱっちりしている。普通に美少女だと思う。

「はぁ?!お前の目腐ってんじゃね?」

僕に怒鳴ったギャル1が騒ぐ。

「てめぇ、少しイケメンだからってちょーしのんなよ?」

ギャル2も続く。というかイケメンとか言われた!ちょっと嬉しい。

「マジでなんなの?おまえ」

ギャル3は怒鳴るより冷静に聞いてくる。そこでいいことを閃いてしまった。

「あ、じゃあさ君たちはこの子のどこがブスだと思うの?」

僕が見る分にはこの子は普通に可愛い。でも彼女たちはそう思わない。それは何故なのか。

「目が気持ち悪いしー」

「どう気持ち悪い?」

「えっ‥‥でかくて気持ち悪いんだよ」

「男子から言うとある程度大きい方が男受けはいいんだよ?」

いや、よくしらないけど。多分そうなんじゃないかと思う。

「知らねーよそんなこと!」

まぁ自分より優れている人には嫉妬するもんだ。おかしなことじゃない。

「この子も可愛いけどさ、君もそんな化粧しなけりゃもっと可愛くなるさ」

満面の笑みで言う。どうだこの皮肉、君に届け!

「な、なんだよお前‥‥‥ま、マジでキモいから!覚えてろよ!」

ちょっと引き気味のギャル達はそう言って店から出て行った。あ、やっちったこれ。

「ところで!」

ある方向を向くと夢中でパフェを食べている少女がいる。

「沙羅?少しはフォローしようとは思わなかったのかな?」

「むふぉ?んっ、ご、ごめんねーでもこれ本当美味しいよ!」

はぁ‥‥‥ま、後は

「君、名前は?」

この少女についてだな。







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