はなし
ちょっと短いですがよろしくお願いします。
12.はなし
まずは話を聞かないと始まらないだろう。
「話を聞きたい」
あ、主語がなかった。どうも無愛想になってしまう。人のこと言えないな。山菜ドックの店員さんごめんなさい。
「だ、だから!俺のダチが死んだ時にその女がそのそばいたっつってんだろ!お、お前が殺したんだろ!」
「怒鳴るな、話が進まない。冷静に喋ってくれ」
友達が亡くなって冷静に喋ってくれなんてバカな事を言っているのは分かっている。でも今は情報がなによりも必要になる。
「まず、えー、名前は?」
金髪くんと呼ぶわけにもいかないのでまずは名前を聞いておく。
「‥‥‥神木竜馬」
カッコいい名前だな
「僕の名前は高坂咲人。もう一回話を聞かせてもらえないか?」
正直僕はこんなキャラじゃない。教室では1人でいるし喋りかけないし、かけられもしない。でも、今はそんなこと関係ない。もしかすると神木の友達はモンスター以外に殺されたかもしれないんだ。モンスター以外でプレイヤーのHPを0にできる存在は一つしかいない。
「私は空音沙羅、です」
流れで沙羅も名乗った。僕は目で霧崎にも名乗るように伝えた。
「‥‥‥霧崎咲子よ」
イヤそうな顔をして言う霧崎。
「辛いのも分かるが今は情報が必要なんだ。神木、教えてくれないか」
神木は深呼吸をしてゆっくりと話し始めた。
「俺はこの世界に来てからダチ3人と行動してたんだよ‥‥‥でもそのうちの1人の鬼坂ってやつなんだが、今日の朝からいなくなって‥‥‥17時ごろかな、別のダチから鬼坂が死んだって‥‥‥その鬼坂がし、死んだ時にそのそばにそこの黒女がいたって言ってたんだ」
以外に分かりやすい説明で少し驚いた。
「ありがとう、助かった。で、霧崎はなんでそんな場所にいたんだ?」
「私は洞窟でレベル上げをしていた帰りに悲鳴を聞いたの。興味がでたから向かうとHPが全損していた人がいたのよ。そこをあなたのオトモダチに見られたってわけ」
なんか友達って言い方にトゲがあった気が‥‥‥友達ほしいのか?
「ありがとう。でもそれじゃなにが鬼坂のHPを0にしたのか分からないな‥‥‥神木、その霧崎を見たって言うお前の友達に合わせてくれないか?」
「‥‥‥ああ、いいぜ」
「助かる、ありがとう」