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番外編 神話

 それは遠い昔の出来事だった。

 古代文明人はその強大な魔法を使い、人間に代わって戦う兵士として亜人を作った。

 亜人はそれほど強くも賢くもなかったがその繁殖力は非常に旺盛であり、人が世界を支配するための尖兵となった。数多の亜人が人間の支配の為の戦いに倒れ、多くの知的種族が妖精界へと撤退を余儀なくされた。

 世界の覇者となった人間は目障りな存在となった神々を倒そうとした。しかし、神々の力は偉大でありに人の子が敵う筈も無かった。そこで人間は己の野心を隠し、貪欲に知識を求めた。数多の世界から数多の魔道師が召喚され、数多の禁呪が魔道書に書き写された。

 そして、運命の日、人間は神々を滅ぼす神の創造を開始する。数多の生命が否応無く奪われ数多の、人間の魂も人間以外の魂も、その意思を無視して融合させれれた。

 その禁忌の行いの果てにあるものは破壊神テトラグラマトンの誕生であった。

 破壊神は己を生み出した高位魔道師達を呪い、古代文明とその産物全てを破壊しつくそうとした。

 まさに世界が滅びようとしたその時、神々は世界の救済を願って異界から勇者と巫女を召喚した。彼らは竜神の力を借りて破壊神を打ち倒し、この世の理の力をもって破壊神の呪われた魂を浄化した。

 勇者と巫女は神々の願いどおり世界を救ったが、魔道師と人間は救わなかった。

 かくして世界から古代の魔道師たちの力が失われ、亜人は人間の敵となった。

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