表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/14

Ⅸ 工兵、トリトナ・ルーの場合

右手には持っていなかった

左手にも持っていなかった

しかし、それは差し出された




 狭い空間に十数人の人間が押し込められている。それぞれに押し黙り、張りつめた空気を纏う軍人たちだ。

 彼らは簡易のボディアーマーを着込み、予備弾倉やグレネードを装備している。手に持った火器は兵科によって違うのか、サイズから種類まで様々だ。実弾仕様のものから、光学兵器、特殊装備もいろいろと揃っていた。

 不意に、狭い空間がぐらりと揺れる。最新式の地形対応ノーパンクタイヤと、衝撃吸収バランサーの許容を大きく超える段差でも越えたのだろう。二、三度跳ねるように空間がシェイクされ、しかしそれだけだ。

 誰ひとり不満を言う事もなく、だまって椅子に取り付けられたハンドルを握りこむ。それが普通の反応であり、戦場へ行く人間として当然の反応だった。

 しかし、この中には例外がいた。小さく悲鳴の声を漏らし、バランスを崩した一人の少女が床に投げ出されている。

 水陸両用トラクター、LVT-8(マヒシャ)の床は硬い。歩兵を運搬するため、鉄板で上下左右を護られた四角い部屋だ。叩きつけられれば、痛いのも当然だろう。

 よろよろと立ち上がる少女に手を貸す者はいなかった。人が密集している空間であるにもかかわらず、むしろ誰もが彼女を避けるように身を寄せ合っている。


「…………」


 少女の目の前にいる屈強な男が、怯えるように足を引っこめた。その拒絶は、言外に触れたくないと語っている。

 右隣の女性が、戸惑う視線を逸らした。関わりたくないと、瞳の奥で暗い感情が揺れている。

 一番端の出口に近い場所へ座っていた少女に、それ以上の反応はわからなかった。箱の中の十数名は、誰一人として気遣いの言葉すら口にしない。

 少女は思う。それが当然の反応だと。だが、気を抜けば泣いてしまいそうになる自分もいると。

 昔から不幸だった。気付けば天涯孤独になり、世界共通軍の孤児院で兵隊教育を受けているくらい酷かった。

 何もしなくとも、深淵の闇が手を伸ばして来る。抗おうとも問答無用で引き摺りこんでくる。そんなどろどろとした目に見えない悪意が、気付けば少女を諦めと絶望が塗り潰していた。

 VLT-8が車体の安定を取り戻し、のろのろと少女が席に戻る。今度は振り落とされるわけにもいかない。また、同じ状況を味わいたくはなかった。

 静かに進行する車両が、不意に動きを止めた。後続とも連携が取れているらしく、鉄板の向こうでブレーキをかける音が聞こえてくる。


(停まったってことは、きっと……)


 少女が息をのむ。

 そもそも、彼女は軍人になったが兵隊として優秀なわけではない。

 フル装備での夜間行軍は一時間もたたない内に脱落した。銃は反動と恐怖で撃つこともできない。戦場へ出るには致命的な問題を抱える少女が、こんなところまで引っ張り出されるのは、たった一つの問題を解決する為だけに他ならない。


「ルー、トリトナ・ルー上等兵。出ろ」


 分厚い装甲のドアが開き、無精ヒゲの中年が怪訝な声でそう言った。この隊の指揮官の男だと、トリトナは記憶している。

 無言で頷き、奥歯を噛みしめながら外に出た。湿地帯の纏わりつくような空気に表情を歪め、それ以上に戦場のど真ん中だという事実を知って心が折れそうになる。

 辺りは穴だらけだった。手で掘った穴ではなく、抉れ吹き飛んで出来たでこぼこの大地が広がっている。


「わかっているな? 敵は撤退中、すぐにでも後を追って兵力を削っておきたい。だが、五〇メートル先は撤退中に敵がばら撒いた地雷があるそうだ。除去して来てくれ」

「……わかりました」


 バッグの中に詰められたC7爆弾を背負い、少女は駆け足で指揮官の指示した方へ走りだした。

 なぜ、私がこんな事をしなくてはいけないのか。それもこれも、不幸じゃなければ回避できたのだろうか。

 そんな疑問をいつでも抱きながら、トリトナは恐怖に諦めで蓋をして茂みに飛び込む。





 手元のデバイスに、超高度光学探知衛星の映像を呼び出す。自分の居場所と地雷が仕掛けられたおおよその位置を把握して、目の前に視線を向ける。


「この辺り、なのね」


 衛星からの探知では、おおよその分布図しかわかるわけがない。帯状にまかれた地雷は広く、避けて行くには遠回りする必要がある。しかし、直線状の距離は三〇メートルほどだ。

 帯の中に、幅四〇メートルの道を作ればいいだけなら何とかなるだろう。

 トリトナはパックパックを降ろして、作業に取り掛かる。目の前に広がる殺傷領域に背を向けたい衝動と戦いながら、泣きたくなる自分を押し殺して手を動かす。

 取り出したのは八キロのC7爆薬だ。加工しやすい粘土状の爆弾を手で千切り、信管を挿して放り投げる。遠投で届かない範囲は、普段から持ち歩いているスリングショットを使ってばら撒いて行った。

 ただそれだけ。

 確かに、工兵としての知識は刷り込まれたし持っているが。適当にばら撒かれただけの地雷を、それで取り除くのは無理と言うものだ。

 だから、トリトナは手の中の起爆スイッチをお腹に抱え込み、体を小さく丸めてうずくまる。

 死にたくないと心の中で念じ、小刻みに震える右手を左手で包み込み。

 そうして、起爆スイッチを握り込んだ。

 音が消えるほどの空気が辺りで爆ぜた。千切ったC7は、一つ辺り大体四〇〇グラム程度のサイズだ。高性能ではあるし、指向性を持つような形状に整えてあるのは確かだが、これほどの威力を生むはずがない。地雷に誘爆して、本来の威力を上回る爆発が起きていた。


「く、はっ、ぁぁっ!!」


 華奢なトリトナの体が、爆圧に押されて揉みくちゃにされる。

 痛みなんて生易しいものではない。呼吸もできなくなるような熱と、体に叩きつけられる土砂が襲いかかってくる。

 全身打撲は当然で、骨折するのが日常。それでも、彼女は『その場に留まって起爆しなければならない理由』があった。

 トリトナ・ルーの不幸は、人生を絶望レベルにまで引き落とせる代物。それは彼女に過酷な事実だけを突き付ける再確認だ。

 ただの不幸だった。度の過ぎた、常人では考えられないレベルの不幸で全ては形成されている。

 最初の起爆で吹き飛んだ地雷の破片が、たまたま潰しきれなかった別の地雷にぶつかって更なる誘爆を呼ぶ。

 衛星では捉えきれなかった少数の地雷がトリトナのそばにあり、それが時間差で誘爆してしまった。

 飛び上がった土砂に押される形で、埋まっていた地雷が数個空に舞い上がってしまう。

 それらは設置方向が悪く、不発で終わるはずだったものばかりで。

 気付けば仰向けに地面へ転がされていたトリトナは、薄れそうになる視界の中にそれらを見る。

 どうしようもない不幸で、自分の真上に降ってくる数個の地雷をだ。

 不幸なことに足を挫いていた。不幸なことに脳を揺さぶられていた。不幸なことに土砂で体の一部埋まっていた。不幸なことに、今回だけは助かりそうもないとトリトナは目をつぶる。

 死にたくないよと呟こうとした声は、不幸なことに喉を焼かれて声にすらならなかった。


「ほう、これは凄いね」


 ただ一つ。不幸中の幸いは、七海八雲という男が敵だったということだけだ。

 何かが、トリトナの上を薙ぎ払う。落下して来ていた地雷や土砂ごと、景色そのものが亀裂を生んで爆ぜた。

 だが、風圧はやってこない。逆に酸素を求め、慌てて息を吸うような空気の流れにトリトナの体が舞い上げられていく。

 無くなった場所を補填するように風がうねり、ぶつかって吹き散らされた。その無茶苦茶な動きに翻弄され、彼女の意識が半分持っていかれそうになる。

 音も景色も遠い。そして、逆に冷静な意識が現実を予想していた。

 舞い上がった距離が一〇メートルを超えている。受け身も取れない今では、この距離から落ちれば無事ではすまない。

 こんな馬鹿げた威力の兵器は見た事もないが、せっかく生き残れるかと思ったのに。誰も手を伸ばしてはくれない。VLT-8の中でそうだったように、このまま叩きつけられて終わるのだろう。

 死にたくないよと、また声を振り絞ろうとする。だが、不幸なことに風圧から投げ出された体にそんな体力は残っていなかった。

 呼吸するのが精いっぱい。目から溢れる雫が、もはや言葉の代わりだ。


「変な所にいるね、君は」


 落下の浮遊感が全身に満たされるより早く、温かな体温に体を掴まれる。トリトナにとって、初めて起こった出来事だ。

 救いの手を差し伸べてもらえる。そんなに『幸福なこと』が、これまで起こった事は一度もない。

 奇跡すら感じてしまいそうな事実に、彼女の声が掠れた音を弾ませる。


「だ、れ?」

「君の敵だよ。捕虜君」


 男は手に槍を持っていた。先端が三叉に別れ、その合流部で機甲殻に覆われた炉が唸っている。背負っている機甲殻翼からは陽炎が吐き出され、耐空の推進力を生んでいた。

 彼は言った。敵だと、そして捕虜だと。

 不幸なことに、初めて手をのばしてくれたのは優しさではなく。利用価値を見出す為のものだったのだ。

 胸ポケットから小さな装置を取り出し、男はそれを地上に投げ落とす。ほんの少し先で、進行を再開していた車両群の影が見えた。

 唯一切り拓かれた道を目指して動き始めた『味方』に、今の装置の事を伝える必要がある。

 いや、あるのだろうか。

 不幸なことに、意識が途切れてしまったトリトナは夢心地に思う。

 どうせ、不幸は全て私が持っていくのだから。それなら『味方』がそれほど酷いことになったりはしないだろうと。





 ストローをかじっていた九条晶は、目の前に座るトリトナの話を聞いた上で小さく吐息した。

 エイプリルフールは少し前に終わった気がする。たとえそうだとしても、もう少し現実味のある嘘を吐くべきだと思う。

 ちょっと、この一一〇小隊を知りたくなって振った話だったのだが。食堂で飲み物まで付けたわりに、手元のリターンが少なすぎる気がする。


「不幸体質を利用して地雷の除去? それを信じろって?」

「わあ。予想してましたけど、いい感じで信じてませんねえ」


 当たり前だ。

 むしろ、どうすれば信じられるというのか。その方法か証拠があるなら、是非に教えてほしい。

 前回のシャリス・ワッターズがスパイで、今度は捕虜。聞いた話では、御門撫子も元は敵だったらしい。

 技術開発部と『エリート』養成所、科学研究局からの出向者がいて。挙句の果てには、買い取りという形でガイノイドの投入も正式に登録している。

 これだけ多方面から人員を集めた努力は認めるが、節操のないやり方だと思う。七海八雲という人間を表すには、とてもわかり易い表現だ。


「それで? 捕虜になったまま、説得されてこの隊に入隊したと。それくらいなら信じられるが、流石にオカルト過ぎるだろう?」


 そうですぅ? と、トリトナが不思議そうに首を傾げている。もしかすると、この隊に参加することで何かが麻痺したりするのかもしれない。

 まさかねとも思うが、いろいろと否定し辛い雰囲気の隊でもある。ともかく、自分は気を付けようと心に誓ってドリンクを吸い上げた。

 ずるずると空になった使い捨て容器が音をたてている。


「じゃあ、どうすれば信じてくれます?」

「え、むしろ何で信じさせたいのかがわからないけど……じゃあ、最近あった不幸のトップ3を教えてくれる?」

「いいですよぉ。えぇっと、今日だけでも……何もないところで躓いて、お気に入りのカップを割っちゃったのと。お財布から小銭を出そうとしたら、辺りにばら撒いて千円分くらい見付からなかったのと。あと、ついさっき機材を運んでたパンツァーちゃんとぶつかって、荷物崩しちゃったのがありますよ。エッヘン!」


 指折り数えるトリトナを、晶は哀れむような目で見ていた。そうしながら思う。

 そうか、あの莫迦な隊長と長く関わればこうなるのか。何というか、言葉にし辛い感じの可哀想な子だ。よく考えてみれば、隊で過ごした日が浅いナツキ以外は似たような感じである気もする。長年の友人が残念になっていないことは素直に喜ぶべきだろうが、この手遅れの隊に配属されていることは心配しよう。もちろん、自分も大変なことにならないよう細心の注意を払った方がよさそうだ。

二度の頷きで状況を整理し、警戒の第一歩としてトリトナに忠告の言葉を送る。


「いいことを教えてあげるわ、トリトナ・ルー。それは不幸じゃなくて、ただのドジよ。このドジっ娘!」

「九条少佐がドジっ娘とか言った!? 自分も天然のくせに!!」


 ん? と思わず晶は首を傾げた。

 天然とはどういう意味だろう。天然記念物並の重要な人物ということだろうか、もしくは天然の力量を持っていることかもしれない。どちらにしろ、褒め言葉で間違いないはずだ。


「よくわからないけど、ありがとう」

「な、な、なっ! みなさぁーん!! ここ! ここですよぉー! 天然オメガ炸裂してるのはぁ!!」


 急に立ち上がって叫んだ精神患者を、晶は無言でぶん投げた。

 肩を掴み、潜り込むように踏み込んで背中に支点を作り、力学的にぶっ飛ばす。

 やり過ぎたかも知れないと思わなくはないが、仮にも軍の訓練を積んでいるはずだ。これくらいなら、なんとかなると思いたい。

 僅かな不安を覚えながら、トリトナの姿を視線で追う。

 空中を行く彼女は、もろに背中から落ちる軌道だ。体が捻れていない所を見ると、受け身も着地もできるわけではないのだろう。

 不味い。そう思うが、状況的には既に遅い。

 あとはただ、落ちるのを待つだけだと表情を歪め。しかし、その瞬間にタイミングのいい莫迦がやってきた。

 七海八雲は、トリトナの落下地点で両手を広げて笑顔のまま待っている。

 見た目はいろいろと問題あり気だが、怪我をしないだけましという考え方もあるのだ。自分のせいでもあるし、ここは文句を言えるところでもない。

 果たして、八雲は無事にトリトナをお姫様抱っこ受け止めた。だが、その勢いもそのままに後ろへすっ転ぶというおまけつきだったが。


「なにをしてるの?」

「いやいや、晶君。わりと真面目に受け止めたんだがね? しかし、どうもバランスがよくなかったらしい。だが安心したまえ、トリトナ君には気づ一つ付けていないからね!!」


 ははっと笑う声は抱えていた少女をどけ、自分も素早く立ち上がってみせる。

 起き上がった莫迦は頭から血を流し、右足も負傷しているのかぎこちない立ち方をしていた。戦場に行っても愉快そうな変態が、ここまで痛めつけられているところなど見た事はない。

 ん? と晶が疑問に眉根を寄せる。

 特に、八雲だけの戦闘予定はなかったはずだ。更に言うなら、この隊内で彼に深手を負わせられるような使い手もいないはず。

 なら、なぜ? どうやって? と首を捻り、それに気付いた莫迦が困ったように笑った。


「いやね。どうも、今日は調子が悪くてね。陶器の破片を踏みつけて足を負傷したと思ったら、その付近に小銭が大量に落ちていてね。これは遺失物管理室に持っていくべきだと思ったので拾っていたら、いきなり頭上から機材の山がらっかしてきたんだよ。不思議な事もあるものだね」

「…………」


 もはや、無言で答える方法しか晶は思いつかなかった。

 どうしたのかね? と不思議そうに血みどろの頭を傾ける八雲の後ろ。今しがた助けられたトリトナが、無意味に誇らしげな表情をしている。

 堂々と胸を張り、鼻息すら聞こえてきそうな態度の意味はわからない。だが、どうやら勝ったつもりでいるようだ。


「言いたい事があるなら、ハッキリ言った方がいいね。晶少佐」

「あぁー……そうだな、じゃあ。この隊は、もしかして感染症にでも流行っているのか? それなら、救護兵のナツキが無事な理由に納得いくんだが」

「少佐。現実見た方がいいですよぉ?」


 お前にだけは。いや、お前たちだけには言われたくない。

 晶は心からそう思いつつ、自分は感染しないように全力を尽くす覚悟を決めた。

 その場は、状況の読めない八雲が血みどろの頭を疑問に捻るばかりである。











隊長&オールマイティ

七海八雲

 変態 愉快な男

階級、大佐


現・副隊長

九条晶

 回し蹴り系男勝り少女 九条家令嬢

階級、少佐


元・副隊長

???

 お母さん

階級、大尉


フォワード1

坂本アヤカ(さかもと あやか)

 紅目の悪魔 接近戦最強

階級、伍長


通信士

真衣・プロセッサ(まい‐)

 電脳幼女 指折りの『エリート』

階級、軍曹


衛生兵・補佐

瞑愛琳(メイ アイリン)

 マッドサイエンティスト系医療補助兵 中国三千年の末裔

階級、上等兵


フォワード2

御門撫子(みかど なでしこ)

 旧家の出身 純和風 長女的存在 般若

階級、伍長


陸上特殊車両運用兵士&メカニック

パンツァー・カウフワーゲン

 メカニック兼用 ロボ娘

階級、少尉


航空特殊機体運用兵士&メカニック

ステロペース・キュクロプス

 メカニック兼用 父子家庭 エセ関西弁

階級、軍曹


狙撃兵

シャリス・ワッターズ

 狙撃手 褐色少女 元レジスタンス 現スパイ 

階級、中尉


工兵

トリトナ・ルー

 爆薬姫 不幸体質 黒髪ツインテ ドジっ子

階級、上等兵



衛生兵長

飯塚ナツキ

 三つ編みの常識人 晶の同期

階級、曹長



・陸上特殊車両『ブリュンヒルト』

……六足の脚を持つ戦車。重力制御機構を搭載し、自重を軽くした上でのホバーリング併用により高速移動を可能とする。

 また、重力制御機構を応用して、重力の遮断幕。重力シールドを張る事が可能。

 主砲は長さ五メートル、幅二メートル、厚さ一・五メートルのレールガン。

 全長二〇メートル。全幅七メートル。全高は五メートルの化け物戦車。

 コックピットは、分厚い装甲の奥の奥。そこにある制御盤へパンツァーの核ドライブを設置する。


・航空特殊戦闘機『カエルス』

……ステロペースの離縁した母、ガイア・ヘレネスが設計し、設計図だけを娘に託した代物。名前の由来はウラノスから。

 デルタ主翼と先端翼(カナード)を備えるカナードデルタ形式の機体であり、後部には小型の尾翼が上下に一対ずつ設置されている。

 加速器は計5つ。主翼と尾翼にそれぞれ一つずつ小型の加速器を配し、その中心に大型推進の加速器が搭載されている。

 デルタ翼である為、真上から見た形は三角形に近く。また、やや厚みはあるものの機体の凹凸が少ないよう設計である為。正面から観た姿は、金属の板から十字型に主翼と尾翼が張り出している様に見える。

 武装は機関砲二門とレーザー砲三門だが、仮想翼が展開されれば砲門は自由に設定できる。機関砲は上部に、レーザー砲は下部にそれぞれ実装。

 コックピットはバイクに乗る様な体勢になるもの。


・固有兵器、長砲&機甲殻槍『ピナカ=トリシューラ』

……熱量砲撃、レールガン、反動相殺用スラスターによる衝撃波。この三つによる三叉の攻撃が可能。内部に動力部とかして三叉槍を格納。外部の長砲部分をピナカ、内部の三叉槍をトリシューラと呼称する。熱量収束による砲撃は、射程が五キロ。それ以上は、熱が冷却して効果的なダメージにならない。


・個人武装、機甲殻薙刀『岩融いわとおし

……命名は武蔵坊弁慶の所有した大薙刀より拝借。通常時はただの薙刀と変わらない。機甲性能は振動。超過振動により、どんな物をも切断する事が可能。一度発動すると停止不能で、有効時間は五分間。


・LVT-8(呼称:マヒシャ)

……水陸両用の歩兵運搬トラクター。現代のアムトラックの後継機。積載人数、一七名。

・C7

……皆さんご存知、C4の改良型。粘土状で加工しやすく、火や熱への反応が皆無なので直接着火でも爆発はしない。従来のものより信管の取り扱いが非常に簡単になっている。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ