Ⅶ 航空特殊機体運用兵、ステロペース・キュクロプスの場合
飛び出そう
大空に向かって
せいいっぱいに、手をばたつかせ
火花が散る。溶接の機材が吐き出す、火の粉が舞う風景だ。
ゴーグルを付け肌の一切を作業着で防御した女性が操る溶接機は、一部の無駄もなく鉄板と鉄板を繋ぎ合わせて行く。
その手つきは滑らかで、技術しとして一級品の業であるとわかるものだ。
繋ぎ合わせる鉄板を押さえながら、ブリュンヒルトの運用兵――パンツァーは感心したように頷く。
ここは第一一〇小隊に支給されている車庫。彼女が運用する陸上特殊車両ともう一機、航空特殊戦闘機が収容され、整備などの補給を受ける場所である。
そして、溶接を続ける少女とパンツァーは、この隊の整備士という立ち位置も兼任していたりした。おおよそ倉庫には不釣り合いなメイド服を着た機械人形に、この空間では制服だろう繋ぎと軍用ゴーグルを着用した少女が口を開く。
危険も顧みず、手に持った溶接機をぶんぶん振りながら。
「パンツァーちゃん、もう離してええよー。これで終わりや」
「дa.お疲れ様です、ステロペース様」
「ありがと。この間の試験戦闘はいいデータも取れたし、これでメイン武装も実装できたし。ようやっと、この部隊の為に私もちゃんとした戦闘が出来るようになるわー」
第一一〇小隊において、八雲の固有兵器を外せば唯一の航空戦力だろう。
いや、そもそも固有兵器に関しては、移動砲台として必要な動きを補助する程度の飛行しかできない。決して空中戦闘をするのがメインでない辺り、本格的にこの機体が単一の制空権制圧兵器である。
デルタ主翼と先端翼(カナード翼)を備えるカナードデルタ形式の機体は、後部に小型の尾翼が上下部へ一対設置されている。
加速器は計5つ。主翼と尾翼にそれぞれ一機ずつ小型の加速器を配し、その中心に大型推進の加速器が搭載されている仕様だ。
デルタ翼である為、真上から見た形は三角形に近く。また、やや厚みはあるものの機体の凹凸が少ない設計である為。正面から観た姿は、金属の板から十字型に主翼と尾翼が張り出しているように見える。
武装は全部で五門。機関砲二門が上部で、レーザー砲三門が下部に実装されていた。
機体の名前は『カエルス』。ステロペース・キュクロプスという少女が幼い頃、父親と離縁してしまった母親の作だ。研究に没頭するあまり家庭から消えた女――ガイア・ヘレネスが設計し、たった一つだけ娘の為に残した代物でもある。
バイクに乗る様な体勢になるコックピットや、レーザー砲の出力も込みで機体の推進機器を支える動力など。この時代の技術を持ってしても、更に斬新と呼べる構造が押し込められた機体で。
「皮肉やなあ。設計図捨てんかったんも、今こうして組み立ててもうたんも。あとは、ええ機体やってのも」
「дa.この機体は最高であると判断できます。よって、戦場では大活躍かと」
ありがとーと笑顔で礼を言うステロペースがゴーグルを頭へ押し上げるのと同時、倉庫の壁を叩く音が鳴る。二人分四つの眼が音源へ向き、そこに立つ人物の顔を視認した。
第一一〇小隊の隊長、七海八雲の顔を。
彼は入口付近で湯気を立てたマグカップを二つ持ち、二人の視線を浴びたところで口を開く。
「お疲れ様、二人とも。しかし、既に時間は夜だね。明日は戦闘予定日としてスケジュールに組み込まれているから、出来るだけ早い就寝を進めるが」
「その明日の為の準備や、隊長。航空戦力、必要やろ?」
「дa.明日の相手は、世界共通軍隊の中でも航空戦力に長けた部隊だと聞いています」
ゆっくりと歩みながら、そうだね。と頷く八雲はステロペースへ片方のカップを渡した。
もう片方のカップを傾け、中の珈琲を喉に流しこみ。
「ふむ、いい味だね。パンツァー君が飲めないのは、なかなかに残念だよ」
「дa.ありがとうございます。ですが、この身は機械。外部の耐水機能は完璧でも、内部へ取り込んでしまっては機能不全が発生してしまいますので」
ご容赦をとスカートの両端を摘まんでお辞儀する彼女へ、目を細める笑みで八雲は答える。
元より、彼女の身体は人形と同じ。他のプログラムで要領を圧迫されている為、人が感じる様な『味』を理解する要素は持ち合わせていない。
それを残念に思う彼は、己以上にその事を悔いるパンツァーの頭に手をのせ優しく撫でた。更にステロペースの肩に手を置いてから踵を返す。
肩越しに手を振る姿は、倉庫の入口へと進みつつ。
「まあ、夜更かしは程々にしておくことだね。遠足前にテンションが上がって寝付けない子供の様になってしまうよ」
そのまま、夜の闇の中へと吸い込まれていく。
倉庫から漏れる光が届かないところまで進んだ影は、カップを傾ける動作がおぼろげになる。次第に黒の中に溶け、その形は見ることが出来なくなった。
残ったのは、ステロペースの手の中にある珈琲だけ。ほんのりと暖かい温度が手の中に広がっていた。
‡
サハクィエル(神の創意)。
その名の通り、カエルスとは違った発想の元に制作された新型戦闘機群。現在、戦場の制空権を殆ど掌握しているのが彼らだった。量産機とは思えない機動力と大火力。それらを備える発想と技術力は、正しく神が作り出したかの様な精密性で出来あがっている。
主武装はミサイル火器。消耗型の武装をメインに据えているが故に、サハクィエルの機体は大積載が可能なほど巨大だ。
数は一〇〇機を下らない。
種類の違う弾頭を積んだ彼らは、それぞれに適した大きさの体躯であるが。その平均は全長約五〇メートル、翼幅約六〇メートルという強大さ。
五〇トンもの火器を積み込めるサハクィエルは、その重さ故に速さを捨てた仕様ではあるが。しかし、代わりに旋回性能などの運動性を突き詰めた機体でもある。
愚鈍な巨体ではあるが、小回りの利く化け物。そんな存在を目前にして、ステロペースは思わず舌打ちを打った。
『ステロ君、前に出過ぎだね。いくら速力が上とはいえ、アレらにドッグファイトは無謀だよ?』
「わかってますよ。あんなん相手に、わざわざ近付くわけないやないですか。後ろ取ったら振り向くみたいな気軽さで急反転なんて。あの機体、なんで空中分解とかせんのでしょうねー」
確かに不思議だね、と通信機の向こうから八雲の声が響く。
それと同時、二〇メートルほど離れた空で一直線に破壊の熱が走った。八雲が使用する一一〇小隊の固有兵器、長距離射程砲『ピナカ=トリシューラ』による砲撃だろう。
熱量砲撃の射程は約五キロ。それ以上は熱が冷却され、効果的な威力を発揮できないのだが。上手に車線が確保された一撃は、一発で十数機を貫徹している。
続いて、地面からの対空砲火が右下方で光った。
今回、歩兵の殆どは待機状態にしてあり、唯一の陸上戦力になっているのはパンツァーのブリュンヒルトだけだ。追加パックとして地対空高射砲が四門も実装されている無茶仕様な出で立ちだが、突貫作業なのだから仕方ない。
適当に積載しただけの、造形美に欠ける姿はステロペースの望むところでは無かったが。整備士の人数が圧倒的に少ない我が隊では仕方のない光景でもある。
『ステロ君、後ろに付かれているよ。動きからして、どうやら他とは別格らしいね』
八雲の声が、不意に耳へと滑り込んできた。
地上のブリュンヒルトに向けていた視線を、ステロペースは慌ててレイダー画面へと走らせ。そして、確かに背後へぴったりくっついて来る影を確認した。
大きな影だ。それも、おそらく周りを飛んでいるサハクィエルよりも一回りは大きい。
(うわあ、変なん付いて来てんなぁ)
速度で上回れる自信はあるが、後ろにいられて気分がいいはずもなく。むしろ、いつロックマーカーが警告してくるかわかったものじゃない。
機首をいったん下に振り、後に全力で上昇姿勢に持ち込んで宙返りする様な捻り込みを敢行。姿をこの目で拝んでやると意気込んで視線を巡らせるが、そこには敵機の姿など欠片も無かった。
疑問の声がステロペースの口から漏れそうになった瞬間、思い出したかのようにロックオン警報装置が悲鳴をあげる。赤外線誘導式ミサイル約二〇発に同時ロックされた事実に慌ててフレアをばら撒きつつ、機首を下げて低空飛行に移る。
(なんや今のは、何が起こった)
え? えぇ? と声が漏れるのを自覚しながら、ジグザグに飛行して的を絞らせない様に気を配り。不意に、八雲の声が来た。
『ステロ君、落ち着こうじゃないかね。やはり、あれは別格なようだ。カエルスの後を、普通に追ってきている』
んなアホな!! と声を上げるのに続いて、上空から機関砲の雨が降り注ぐ。
頭を押さえる為か、進路を塞ぐように連射される凶器をロールして避ける。地面を削る主翼と慣性に引っ張られ、危うく墜落しそうな姿勢を強引に立て直した。
ステロペースの背中に、じっとりとした汗が浮く。
そもそもあの巨体ではありえない旋回性能だった代物が、速度まで手に入れたらどうなるのか。体格も小回りも速度も負けてしまっては、カエルスがサカクィエルに勝る部分など一つもなくなってしまう。
頭の中が、ぐるぐると回る。視界が回転するのに合わせて、纏まらない思考も転がってく。
(このままやと――)
地面が爆ぜた。
姿勢制御も覚束ないまま、カエルスの機体が爆圧に押されて舞い上がっていく。
視界がぐちゃぐちゃになって、上と下もわからなくなった頃。不意に一瞬だけ、進路上の映像が目に入った。
巨大な砲を担ぐ人影が、無軌道な回転を続けて吹っ飛ぶ機体の墜落地点に何気なく突っ立っている。
衝突すれば、挽き肉になるだろう。いや、それなら痕跡が残るだけましな方だろうか。塵も残さず、ただの赤い染みになる可能性の方が数段高い。
だというのに、影は臆した様子もないままに立っている。口元に笑みを浮かべ、装甲のシールド機能すら停止させて。
まずい、と思ったステロペースの動きは早かった。両足のペダルを細かく操作して背面スラスターを操り、同時にレーザー砲を連射した反動も利用して軌道を変えようとする。
だが、それだけでは遅い。吹き飛んだ勢いに乗ったまま、大切な人を轢き殺してしまう。
「――――――ッ!!」
声を振り絞って、機首を上げる為に操縦桿を力いっぱい引き上げる。間に合わない。
スラスターを全力で噴かせて、明後日の方向を目指す。間に合わない。
ギアを下げて空気の流れを変え、フラップを降ろして重心を変え――間に合わない。
い、や……と声が漏れた瞬間、鼓動でも打つようにカエルスのエンジンが火を噴いた。
この時代の技術を持ってしても、まだ斬新と呼べる機構を有する機体。ガイア・ヘレネスの結晶が、ステロペース・キュプロクスを救うかのように全力稼働を開始する。
システム・ウーラヌスと表示された画面を皮切りに、機体が脈を打つ。
疑問を口にする余裕もない。光の粒子で構築された『第二翼』が広がり、羽ばたき一つが次の瞬間には莫大な推進力へと変換されている。
最早、錐揉みしている事など関係ない。全てをぶっちぎって、カエルスが空を引き裂いた。
『おお、これは予想外だね。ガイア殿からシステムを預かって、昨日こっそり組み込んでおいたんだが。まさかこれほどとは』
はの音を連ねる呑気な声に耳を傾ける余裕もない。一瞬でも気を抜けば、その推進力によって機体が墜落してしまう。
全身へかかる重力に歯を食いしばって耐え、暴れる操縦桿を押さえつけるように握って姿勢を制御する。
速いを通り越して迅すぎた。だが、サハクィエルと対抗するには必要な速度だ。事実、相手は機関砲で追いきれないと判断するや巨体のいたるところからミサイルを発射してくる。
その数は二〇。先程、フレアで難を逃れた数と同数の弾頭がカエルスをロックしていた。
『ステロ君、楽しみたまえ。君の母君は、そのシステムをルンルン気分で構築していたよ? だから、君も存分にルンルンするべきだね』
「は? え? 隊長?」
メインスクリーンに、一つの文字列が起動する。
【迎撃システム機動。仮想砲門を五〇門用意。エネルギー弾頭を炸裂式に設定。主翼の拡張を実行。エネルギー出力、二四パーセントで固定。起動可能域の確保を確認。実行を許可しますか? Yes/No】
頭は混乱しているが、躊躇する余裕のない脅威が目の前にいた。
ステロペースは迷わない。自分の母の、そして何より八雲のお墨付きらしいシステムに従って『Yes』のボタンへ指を叩き付けた。
第二翼が爆発的に膨らみ、内側に精製された仮想砲門がエネルギーの炸裂弾頭を発射した。光条が尾を引いて、ミサイルの壁を突き破る。
炸裂した閃光の壁を疾走が切り裂いて、カエルスは進んだ。
零れる粒子が軌跡を残し、空気の壁をまとめて五枚ほど抜いた機体が二度目の砲撃を行う。
仮想砲門の数は二〇。屈折した光学兵器が、空中で合流して一際巨大な敵機を打ち抜いた。
‡
カエルスが行く速度より、音の方が遅いらしい。駆け巡る姿に対して、結果の音は遅れて八雲の耳を叩いていた。
今、あれほど大挙していた敵の数は既に四〇も残っていない。
撤退しようとはしているようだが、速力を殺したサハクィエルではカエルスから逃げられないと思い知ったのだろう。意を決し連携の攻撃を仕掛けては、圧倒的な運動性の前に叩き落とされている。
体格にあれほどの差があるというのに、カエルスは引けを取らないどころか圧倒してさえいた。
地上のパンツァーにも、既に撤退命令を出してある。上から来るナパームや榴弾に晒され続ける彼女を、長く戦場に出し続けるのは危険だ。航空勢力図がここまで塗り替わったならば、迅速に退かせるのが妥当だろう。
「ああ、落とされてしまったね」
「ええ、落とされてしまったわ」
不意に、二人分の声が割り込んだ。
幼さの残る、中性的な音だ。口調の微妙な変化に注意しなければ、どちらがどちらを喋っているのかわからなくなるかもしれない。
背後でお互いの手を繋いだ少年と少女が、八雲と同じように空を眺めて佇んでいるだろう。振り返るまでもなく、その光景が想像できる。
「お久しゅう御座る、元隊長様」
「おいおい。こいつ久しぶりに会っても、まだ『ござる』キャラ貫いてんだけど。これはもう、表彰もんじゃね?」
更に二人分の声が追加され、片方が悲鳴を上げた。
振り返らなくともわかる。余計な事を言って、抜刀した女に追い回されているのだろう。事実、後ろでは「解釈いたす!」とか「いや。俺、ハラキリとかスキヤキは遠慮するわ! 最近、ちょっとメタぼってきたから!!」とか言いながら走り回っている音が聞こえる。
相変わらず騒がしい連中だ、と頷きを一つ入れて八雲は振り返った。
手を繋いだ双子が呆れたように視線を送る先で、刀を振り上げた黒髪ポニーテールの女に中年男のウィルオウィプスが追い詰められている。
「大丈夫でござる。ウィル殿の腕ならば、首と胴が離れようとも接合は容易い故」
「俺、セルフオペなの!? ああでも、首取れてるなら傷口も見やすいかなー!! って無茶いうなやぁ!!」
あ、ちょ、それらめぇぇぇ!! 新しい世界が!! お尻が四つにぃ!! と叫ぶいい大人を無視して、八雲は双子へ視線を向けた。彼らも笑顔で背中を向ける立ち位置まで移動し、表情を固定したまま口を開いた。二人同時に。
「「久しぶり、元隊長。元気だった?」」
「ああ、もちろんだね。ポイボス君にアルテミス君、二人も元気でそうで何よりだよ」
うんと頷く幼い双子は、どことなく嬉しそうだ。
会わなくなったのはいつからだろうか。なんだかんだ言って、前に所属していた隊を解体した直後はよく遊んでいたと思う。ウィルオウィプスに関して言うなら、アヤカの足の件でも世話になっていた。
だが、だからこそ。今の部隊が完成してから、彼らの事を忘れていたのかもしれない。
「さっきのサハクィエルは、君らの仲間かね?」
「うん、そうだね」
「でも、違うとも言えるわ」
「「今の隊の仲間。でも、あそこにはいなかったよ」」
ということは、遠隔操作をしていたと言うことだろう。確かに他の機体と違って脱出した形跡はなかったし、何よりそんな事が出来る人物に心当たりもある。
だが、これは一応公式の戦争だ。勝手に第三者が割り込んでいいものではない。登録情報で今回の戦闘が一対一な以上、支援部隊も外部協力者も存在していないはずだ。つまり。
「これは、今のシステムに喧嘩を売っているのかね?」
「いいえ、違うわ」
「僕たちが喧嘩を売ってるのは一人だけ」
「「アナタだよ。元隊長」」
なるほどと、今度は八雲が頷いた。
恨まれるような事をした記憶はある。前の隊を解散した身として、あるいは恨まれているのかもしれない。勝手に集めて、勝手に捨てたのは自分だ。自業自得であることは否定できないだろう。
「拙者は納得いかぬので御座る。隊長が拙者たちから離れた理由を知るためにも、一度手合わせして下され」
「過去、たった五人で大隊を撃退した『五指』とかね。買被りだよ、私は君ら全員を相手にして勝てるほど強くはないよ」
「へへ、その『五指』を束ねてた『軍神』様の言葉とは思えねえなあ。そうだろう? 元隊長」
それが買被りだと思う八雲は、小さく息を吐き出した。
きっと、これは避けられない。自分で招いたものから逃げるなど、許されないと言うことなのだろう。
彼女なら何と言うだろうか。今はいない、元副隊長の女性を思いながら口を開く。
「わかったよ。君らの挑戦を受けようじゃないかね。ただし、正規の戦場を用意してもらう。今の隊の……いや、私と彼女の娘たちに迷惑をかけたくないからね」
「承知して御座る。こちらも新たな『軍神』殿を迎えております故、色々と準備が整いましたら正式な書状を送り申す」
待っているよという言葉に、彼らはどことなく安堵の色を表情に覗かせている。
まだ拒否される事を恐れてくれるのかと思う中で、深く礼をしたり手を振ったりとそれぞれの挨拶を残して消えていく。唯一、中年だけがえっほえっほと走り去る中で空を見上げれば、最後の一機が爆破と共に砕けていた。
吐き出された人員が、パラシュートを開いてゆっくりと降りてくる。
猶予はどれほどあるだろうかと思案しながら、八雲はその風景をじっとながめていた。
隊長&オールマイティ
七海八雲
変態 愉快な男 お父さん
階級、大佐
現・副隊長
九条晶
回し蹴り系男勝り少女 九条家令嬢
階級、少佐
元・副隊長
???
お母さん 鋼の翼
階級、?
フォワード1
坂本アヤカ(さかもと あやか)
迎撃キック 接近戦最強 義足 最初の娘
階級、伍長
通信士
真衣・プロセッサ(まい‐)
電脳幼女 指折りの『エリート』 腹黒
階級、軍曹
衛生兵・補佐
瞑愛琳
天才 中国三千年の末裔 マッドサイエンティスト系衛生補助兵
階級、上等兵
フォワード2
御門撫子
長女 般若 折檻 和風薙刀娘
階級、伍長
陸上特殊車両運用兵士&メカニック
パンツァー・カウフワーゲン
メカニック兼用 ロボ娘 戦車乗り
階級、少尉
航空特殊機体運用兵士&メカニック
ステロペース・キュクロプス
メカニック兼用 父子家庭 エセ関西弁 飛行機乗り
階級、軍曹
後方支援1
???
後方支援2
???
衛生兵長
飯塚ナツキ(いいづか なつき)
三つ編みの常識人 晶の同期
階級、曹長
・個人武装、機甲殻薙刀『岩融』
……命名は武蔵坊弁慶の所有した大薙刀より拝借。通常時はただの薙刀と変わらない。機甲性能は振動。超過振動により、どんな物をも切断する事が可能。一度発動すると停止不能で、有効時間は五分間。
・固有兵器、長砲&機甲殻槍『ピナカ=トリシューラ』
……熱量砲撃、レールガン、反動相殺用スラスターによる衝撃波。この三つによる三叉の攻撃が可能。内部に動力部とかして三叉槍を格納。外部の長砲部分をピナカ、内部の三叉槍をトリシューラと呼称する。熱量収束による砲撃は、射程が五キロ。それ以上は、熱が冷却して効果的なダメージにならない。
・陸上特殊車両『ブリュンヒルト』
……六本の脚を持つ戦車。重力制御機構を搭載し、自重を軽くした上でのホバーリング併用により高速移動を可能とする。
また、重力制御機構を応用して、ドーム状の重力シールドを張る事が可能。物理系には停止、光学系には屈折で対応できる。
主砲は長さ五メートル、幅二メートル、厚さ一・五メートルのレールガン。副砲として地対空レーザー砲を二門装備、地上と垂直になるよう設置されている。
全長二〇メートル。全幅七メートル。全高は五メートルの化け物戦車。コックピットは、分厚い装甲の奥の奥。そこにある搭乗席は人型になっており、パンツァー・カウフワーゲンの体格に合わせて作られている。乗り込む際はそこへ体をはめ込み、自身ごとブリュンヒルトのパーツとして扱う。
・航空特殊戦闘機『カエルス』
……ステロペースの離縁した母、ガイア・ヘレネスが設計し、設計図だけを娘に託した代物。名前の由来はウラノスから。
デルタ主翼と先端翼を備えるカナードデルタ形式の機体であり、後部には小型の尾翼が上下に一対ずつ設置されている。
加速器は計5つ。主翼と尾翼にそれぞれ一つずつ小型の加速器を配し、その中心に大型推進の加速器が搭載されている。
デルタ翼である為、真上から見た形は三角形に近く。また、やや厚みはあるものの機体の凹凸が少ないよう設計である為。正面から観た姿は、金属の板から十字型に主翼と尾翼が張り出している様に見える。
武装は機関砲二門とレーザー砲三門だが、仮想翼が展開されれば砲門は自由に設定できる。機関砲は上部に、レーザー砲は下部にそれぞれ実装。
コックピットはバイクに乗る様な体勢になるもの。