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真・恋姫†無双 ~昭烈異聞録~   作者: 不識庵・裏
第三部「天下鳴動編」
54/62

幕間其の伍「巴蜀からの新参者」 ――五――

 新年明けましておめでとう御座います。後数分で家でなくっちゃいけないんですけど、先程やっと書き終えましたので投稿いたします。


 また、今回は可也『ネタ』、『下ネタ』入ってますので、そこら辺を十分ご理解した上で読んで欲しく思います。


 それでは、昭烈異聞録幕間其の伍「巴蜀からの新参者」 ――五―― 最後まで読んでいただけたら嬉しく思います。


【注意】

 この作品は作者が独自に考えた設定を使っておりますので、全て原作の『恋姫†無双シリーズ』や、『史実の三国時代』、『三国志演義』どおりでは御座いません。そこら辺を良くご理解した上で読んで頂きたいと思います。


 


 ――六――



「桔梗さん、その黄皓(こうこう)と言うのは一体何者なんですか? 」



 桃香に尋ねられ、桔梗は苦虫を噛み潰した様な表情で答える。



「フウッ……黄皓とは、元は宮仕えの下級の一宦官でしてな。奴は女と見まごう程の美貌の持ち主で、その為か宮中における男娼も兼ねていたのですよ。そして……それの『お世話』になった幾数多の男どもの一人に、当時宮仕えをしていた君郎も居たのです 」


「え゛っ?……えええええっ?! 」


「ん゛な゛っ? マっ、マジで『ウホッ、いい男』、いやっ、『いい宦官~!』かよっ?! 」



 衝撃の事実に、桃香と一刀は思い切り顔を強張らせた。



「まぁ、驚かれても無理はありませんな? 実はですな、君郎には美男美女を好んで喰う特殊な性癖があったらしく、案の定君郎は美しい黄皓に心奪われると、散々入れ込んだ挙句遂には十常侍に百万銭の大金を支払い奴を『身請け』したのです。君郎の家は裕福でしたからな? 我々にとって大金でも、君郎にとってははした金も同然なのですよ 」


「うっわー……そ、そう言うお話って、聞いてて余り気持ちの良いものではありませんよね? 」


「……結構高い身分にいる奴ほど、歪んだ性癖持ってるよな? だけどさ、一人の宦官に百万銭もはらって身請けする価値があるのかどうか正直疑問だぜ? 」

(をひをひ……よりにもよって両刀使い、バイセクシャルかよっ?! うっへ~~、ぜってー俺には真似出来ねぇや…… )


「はっはっは、仲郷殿。身分があり、財がある奴ほど傍から見れば下らぬ事に金を使いたがる物よ。君郎めが腐れ宦官一人身請けした事なぞ、まだ慎ましやかな方に過ぎぬしな? 」


「……まぁ、確かにそうですよね? 」



 そう一刀が苦笑交じりで返すと、桔梗は茶碗に新たな酒を注いで一気に煽った。



「君郎からの寵愛を笠に着た黄皓は、政にもしゃしゃり出る様になりましてな? お蔭で現在は『蜀の裏宰相』等と、陰口を叩かれてるのですよ……そう、あの腐れ者の所為で賈龍は、想貫は、紫苑の夫は…… 」


「桔梗さん…… 」


「厳顔様…… 」

(こりゃあ、何か訳アリそうだけど、こちらからアレコレ尋ねない方が良さそうだな? それに、『男の方からアレコレと根掘り葉掘り女に聞くモンじゃあない』って、兄上も言ってたし )



 話す内に桔梗の表情が段々苦みばしると、それに伴い何とも言えぬ気拙い空気が漂い始め、桃香と一刀は気遣うかのように彼女を窺うが、直ぐさま桔梗は(かぶり)を振ると大袈裟に両肩を竦めて見せた。



「はははっ、これはしたり。話が腐れ宦官の方に逸れ過ぎてしまいましたな? 本筋である焔耶の方に話を戻しましょう。それでですな、亡くなった焔耶の義姉公結なのですが、先程話した通り余りにも無残な死に様でしたからな? 故に、その亡骸には生前の彼女の顔に良く似せた面と(かつら)を被せ、親父と母上が密かに用意させた花嫁衣裳を着させて上げたのですよ…… 」


「……それって、閻宇と祝言を挙げる時に着させる積りだったんじゃあないんですか? 」



 恐る恐る桃香が尋ねると、桔梗はゆっくりと頷く。



「はい、仰る通りです。ですが、その閻宇からあの様な責め苦を受け、人生の幸せたる物も満足に掴めぬまま泰山に召されたのです。そんな公結に死装束として花嫁衣裳を着させたのは、せめて泰山では良き人と巡り合って欲しいと言う、親父と母上なりの彼女へ最後の願いなのですよ 」


「そうですか……ならば、ならば泰山で良き人と巡り合って欲しいですよね? 」


「ええ……わしもそうであって欲しいと今も思っております。そして、それからの焔耶ですが、義姉を喪い塞ぎ込むのかと思われたましたが、意外や意外。何と奴は前よりも更に武芸の稽古に打ち込む様になり、時には武芸者に野試合を挑み、またある時には武闘大会に出たりと、徐々に己の実力を高めて行きました 」


「……若しかして、それって閻宇への復讐を目的にしていたんじゃあ? 」



 訝しげに眉顰めて、一刀が言った。



「ああ、それもあると思うのだが、多分何かに打ち込む事で、気を紛わしたかったのだろうよ……尤も、その反面前以上に男嫌いの度合いが増したがな? 」


「成る程…… 」



 納得した風で一刀が頷くと、桔梗はまた更に茶碗に白酒を注ぎ、それを煽る。酒の影響かもしれないが、彼女の口調は妙に滑らかになっていた。



「そうしている内に、やがて焔耶の名は益州に知れ渡る様になると、アレと似た境遇のやさぐれた娘達があやつの許に集まる様になり、何時しか焔耶は徒党を組むようになりましてな……街中を闊歩するその姿は、住民達から恐れられ、他の悪餓鬼集団としょっちゅう乱闘騒ぎを起こしておりました 」


「え゛っ……そ、そんな事していたんだ? うちの方でも一心兄さん中心で『侠』が集まっていたけど、そちらの方はお世辞にも『侠』とは程遠いかな? 」


「おいおい……それって、まんまスケバングループじゃないか……しかも乱闘騒ぎをショッチュウ起こしてたなんて侠より性質が悪いぜ? 」


「ん? “すけばんぐるうぷ”? 仲郷殿。一体何ですかな、その言葉の意味は? 」


「あ、あー、自分の故郷の方言で、『柄の悪い娘の集まり』って意味なんですよ 」

(やっべー、やっべー、また悪い癖出ちまった )


「あ、あはは。もうっ、駄目だよ一刀さん。桔梗さんは益州の人なんだから、普段私達が使ってる幽州の方言判らないんだからね? 」

(もうっ、一刀さんッたら……駄目だよ、前いた世界の言葉を使っちゃあ…… )



 思わず本音をポロリと漏らす桃香と一刀。だが、一刀が言った言葉の中に何やら聞きなれぬ言葉が混じっており、すかさず桔梗が聞き返すが、彼は咄嗟に思いついた言い訳でその場を凌ぎ、桃香がそれをやんわり諌める。だが、両者とも内心冷や冷やしていた。



「成る程、『すけばんぐるうぷ』ですか? 覚えておきましょう。さて、その『すけばんぐるうぷ』を率いるまでになった焔耶でしたが、そこまでになるともう手がつけられなくなってきましてな? 実際、アレと一対一で遣り合える者も余り居らなんだ事実もあり、『我を倒せる者は居るか!? 』と声高に叫ぶ様になると、挙句の果てにその『すけばんぐるうぷ』の事を『不倒団』と名付けたのです 」


「……うっわー、そこまでになると、確かに手がつけられないですよね? それにしても、『我を倒せる者は居るか』だなんて……そう言う言葉って、相当自信が無いと中々言えないよ? 」


「……ふへぇ~~~マジかよ、桃香の言葉じゃないけど、普通『我を倒せる者は居るか』だなんて、中々言えないぜ? 俺だって、そんな言葉言えなかったしな? 」

(よりにもよって、『あの台詞』かよ。おまけに『不倒団』って、これじゃスケバングループよか愚連隊みたいなネーミングだな? )


「確かに、お二方が仰られる通りです。ですが、その『不倒団』自体もわしが下野したのと同時に消滅してしまいましたがな? まぁ、そこら辺に関してなら下野して正解だったと思っておりますぞ? 何せ、向かう所敵なしと、正に増長し放題でしたからな 」



 そう言うと、両肩を竦めて苦笑を浮かべる桔梗。そして、一刀が本題の核心を突くべく、とある疑問を彼女にぶつける。



「厳顔様 」


「おや、何ですかな? 仲郷殿 」


「魏殿について一番尋ねたい事があるんです 」


「若しや、桃香様絡みの事ですかな? 」


「はい。その通りです。仕官したばかりとは言えども、彼女の桃香への執心振りは度を通り越してると思います。これはあの後で聞いたのですが、愛紗や鈴々を始めとした他の仲間からも、常時桃香にべったりくっついてて、話し掛けよう物なら無視されたり邪険にされたとの苦情も聞かされておりました。一体何が彼女をそこまで駆り立てるのか? もし、ご存知であるのならお教え頂きたいのです 」



 言い終え、一刀が桔梗の目を真っ直ぐと見ると、彼女は頼もしげに一刀を見つめ返した。



「中々良い目をしておられる。判りました、この際ですからお教え致しましょう。桃香様も知りたかったと思いますしな? 実はですな、先程話した焔耶の義姉公結なのですが、桃香様に面影が良く似ているのです 」


「ええっ!? 」


「え? 」



 桔梗の言葉に、思わず唖然となる桃香と一刀。それを見て、桔梗は『やはりな?』と薄い笑みを口元に浮かべ話を続ける。



「顔や姿形に雰囲気と、何から何まで瓜二つとは言いませなんだが、公結と桃香様は良く似ておられるのです。焔耶が桃香様にべったりくっついているのは、自分に唯一優しくしてくれた肉親である姉の姿と重ねていたらからでしょうな? ……これは、わしの当て推量に過ぎませなんだが、先程焔耶が仲郷殿を一方的に詰って殴りつけたのは、賊絡みでの仲郷殿の判断に最初桃香様が眉を顰めたのを見て、思わず義姉と閻宇の姿をお二人に重ね合わせたからでしょうなぁ…… 」


「そう、だったんですか……だから魏さんは私に…… 」


「成る程なぁ……なら、彼女が桃香にべったりになるのも頷ける。優しかった人に良く似ていて、且つ自分の主人だ。これほど理想の主は中々居ないだろうよ? しかも、その理想の主人が眉を顰めたのであれば、自分にとって仇敵と思い込むのも一応頷けるし? 」



 両者共に、神妙そうな表情でそれぞれ言うが、桔梗はやんわりとそれを制した。



「まぁまぁ。お二人とも、感慨深げになるのも判らなくも無いのですが、一度罰を下した以上下手な情をかけてはなりませぬぞ? アレは直ぐに増長する性質ですからな? 」


「はっ?! そ、そうでしたね? そういった経緯があるとは言え、魏さんはやってはいけない事をしたんですから、それなりの罰を受けてもらわないといけませんし 」


「全くだな、第一被害者は俺なんだし……アイツが男だったら、多分徹底的に遣り合ってたかもしれないしな? 」



 わざとおどけた風で、一刀が自分を指差しながら言うと、途端に三人分の笑い声がドッと上がる。その後、三人は話題を切り替え、桔梗は酒を、桃香と一刀は茶を傾けながら、他愛も無い世間話や黄巾賊との戦いの話などで一時を過ごした。そして、一刀は桔梗と真名を預け合い、『一刀殿』、『大姐(ダーチェ)』と呼び合うまでになる。


 『大姐』――この呼び方に、最初桔梗は戸惑ったが、これは一刀なりの彼女に対する尊敬の念の表れであった。




 ――七――




 あれから二刻ほど(約四時間)の時が経ち、桃香の邸宅を辞去した一刀と桔梗は帰路を共にするが、別れ際に突然桔梗が話し掛けてきた。



「一刀殿 」


「んっ? 何でしょうか、大姐? 」



 すると、桔梗は真剣な眼差しを一刀に向けた。



「あんな事があったばかりで、図々しい事を言うが。どうか、どうか焔耶を心底嫌いにならないで貰えぬか? アレはまだ尻に卵の殻をくっつけた雛鳥も同然で、人との交わり方を知らぬ 」


「え? 大姐、それは…… 」


「厚顔無恥なのは百も承知だ。だがな、焔耶は優しかった義姉と二人だけの世界に囚われたままで、未だにそこから抜け出せないでいる。現に、桃香様に亡き公結の幻影を映していたのがその証拠よ。出来うるならば、一刀殿にはアレが殻を完全に破り立派に一人で飛び立つ為の切欠になって欲しいとも思っている 」


「ですが、魏殿は大姐に真名を預けてますよね? だったら、彼女を一人立ちさせるのは俺ではなく、寧ろ大姐の方が適してると思うのですが? それに、何故俺なんですか? 」



 眉を顰め一刀が尋ねると、桔梗は口角を僅かに吊り上げ、自嘲気味に言い放つ。



「フフッ……確かにわしとあやつは真名で呼び合っておるが、正直言ってわしの場合は辛うじてあやつの世界に少し入り込めてるだけに過ぎぬ。これから先、焔耶が一人立ちして行く為にはもっと他の人間を知り、もっと別の世界を知るべきとわしは思うのだ 」


「ええ、確かに大姐の仰る通りです 」


「あとな、何故一刀殿なのかと言うと、お主は桃香様を始めとした五人の女達と『固い絆』で結ばれていると紫苑から聞かされておるぞ? そんなお主なら、男に対して頑なな焔耶の心を溶かしてくれるのではないのかと思ったのでなぁ? 」


「イイイッ?! 」



 最後の方で、ニヤリと妖艶な笑みを浮かべると、桔梗は慣れた風で一刀の肩に手を置くと、ズイッと顔を近づける。思わぬ彼女の行動に一刀が完全に面食らってると、彼女は彼の耳元で囁くが、それには危うい物が含まれていた。



『フフフ……一刀殿、若しあやつと良き縁を結べる様になったら、別にあやつを喰ろう(・・・)ても構わぬし、何だったら自分の女の一人に入れても構わぬぞ? まぁ、桃香様や左国丞様達に比べれば、焔耶は聊か(いささか)劣るやも知れぬ。だが、顔立ちや体つきも中々の物だし、キチンと磨けば何れは上玉になれるであろうよ 」


「は、はぁ…… 」


「料理に喩えるとするなら、桃香様は極めて人気がある大衆料理、左国丞様だったら貴族向けの高級料理、そして……焔耶は差し詰め『癖のある臭豆腐(チョウドウフ)』と言った所かな? 」


「ちょ、臭豆腐って…… 」



 その喩えに、一刀の顔が思いっきり引きつる。何故ならば、『臭豆腐』とは美味だが、その名の通り可也臭い食べ物で好き嫌いがはっきり出るからだ。おまけに、それは一刀の苦手な物の一つで、食卓にそれが上がると絶対に箸を付けないほどである。



「その、まさか魏殿って……『臭う』んですか? 臭豆腐みたいな臭いとか……? 」



 恐る恐る一刀が尋ねると、思わず桔梗は噴出し笑いをした。



「プフッ!! そ、そうではないぞ? 要するにだ、臭豆腐の様に好き嫌いがはっきりと出るが、一度馴染めば病みつきになると言う意味で言った訳よ。まさか、焔耶の体や『ソコ』とかが臭豆腐の様な臭いがするとでも思ったのか? それなら安心するが良い。入れるのであれば、毎日風呂に入る様言ってあるし、矢張り女であろうな。意外と綺麗好きな面もあるのだぞ? はっはっはっは……まぁ、『臭豆腐』とはちと喩えが悪かったか? 」



 そこから少しの間桔梗は笑い声を上げていたが、彼女の笑いが収まった頃合を見計らい、一刀は話しかけた。



「確かに喩えはちょっとアレですが、大姐が何を言いたいのかは理解できました。ならば、この一刀『臭豆腐』を美味しく食べれる様に頑張ります。あ、一応断っときますけど、ソッチの方で『喰う』訳ではありませんし、本音を言えばまだまだ彼女を好きになれません。かと言え、このままでは流石に拙いと思いますし、俺だけでなく他の皆も彼女を理解すれば、彼女の世界はもっと広がると思うんですよ 」



 その答えに満足したのだろうか。桔梗は彼の手を強く握り締めると共に、熱い眼差しを向け、目には涙の粒を浮かべていた。



「その答えが聞けただけでも実に満足だ。ならば、焔耶の事良しなに頼むぞ? 」


「はいっ! 」



 そう力強く一刀が返すと、桔梗は彼から離れ今度こそ家への帰路に着く。然し、去り際彼女は妙に気になる言葉を吐いた。



「どれ、それでは今度こそわしは失礼させてもらうぞ? 何せ、これから義雲殿と『手合わせ』をしなければならぬからなぁ? フッフッフッフ…… 」


「はい? 大姐、それは一体…… 」



 引っ掛かりを覚え一刀が尋ねるが、彼女は背を向けるだけで何も答えず、あっと言う間に通りの向こうへと姿を消す。



「あ~あ、行っちゃったか。だけど、義雲兄者大丈夫だろうか? 折角、紫苑義姉さんや璃々ちゃんと円満な家庭を築いてるのに……ハアッ~~……まっ、いっかぁ? それよりも早くお家に帰~えろうっと 」



 そう一人ごちるが、それに答えを返すものは誰も居らず、結局苦笑交じりでため息を一つ吐き家路を急ぎ始める。この時の一刀の懸念が当たったのかどうかは判らないが、後日桔梗こと厳顔は完全に義雲にのめり込むと、半ば押しかけ女房で彼の正式な側室となり周囲を大いに驚かせた。



『アレの長さに太さや堅さは正に賈龍と瓜二つ……この桔梗、義雲に心底惚れたぞ! 人柄も義理と人情に溢れて実に申し分ないし、側室とは言えども、わしは身も心も義雲に捧げる積りだ。例え魂魄だけになろうともわしは義雲と共にありたく思うぞ? 』


『むうっ…… 』


『出来れば子も沢山産みたいと思うておる。璃々には早い所弟か妹の顔を見させてやりたいしな? 』


『あらあら、桔梗。義雲様の子を先に産むのは正妻である私ではなくって? 抜け駆けはさせないわよ? 』


『はっ! ソッチの方で後も先もあるものか。要は早い者勝ちよ 』


『あらあら……随分と言ってくれるわね? うふふふふふふふふ…… 』


『当然だろう? 紫苑だけには負けたくないと餓鬼の頃から思うていたからな? ふふふふふふふふふ…… 』


『これこれ、二人ともよさぬか。璃々が見ておるぞ? 』


『おとうさん、おかあさんとききょうおかあさんまたけんかしているの? 』


『璃々……暫く外で父と遊ぼうか? 』


『うんっ♪ 』



 だが、その一方でこの様なやり取りが繰り広げられ、その都度義雲は憔悴し、璃々は呆れ顔になるのだがこれは余談である。




 ――八――




「~~♪ メイド服をぉ~脱がぁさぁないでェ~ん♪ 嫌よ駄目よお殿様ァ~~ん♪ 」



 どうやら、先程桔梗から飲まされた白酒にいささか酔ったらしく、へたくそな即興の歌を口ずさみながら一刀は自宅への道を歩んでいた。外はすっかり暗くなっており、日中は雑踏で賑わっていた界隈も、今はすっかり夜気で冷え切っており人通りもまばらだ。ふうっと酒精塗れの息を大きく吐くと、次に夜気を一気に吸い込み酔いを醒まさせ、桔梗の話に上がった二人の男の事を思い返す。



「『黄皓』と『閻宇』か……登場が余りにも早いが、既にこちらには姜維が居るし、厳顔と魏延まで来たんだ。それ以前に、ここは似て非なる世界だし、何でもかんでも演義や史実通りとは限らない。余り、そこら辺に拘り過ぎない様気をつけないといけないよな? 」



 そう結論付け自身を戒めると、今度は新たに加わった二人の事を思い起こす。



「次に厳顔と魏延だ……厳顔はこちらに対して好意的だけど、魏延は桃香以外の人間には非好意的な態度が露骨だし、何よりも重度の男嫌いだ。とてもじゃないけど、あんな調子じゃこの先やってけないぞ? 大姐からは殻を完全に破り立派に一人で飛び立つ為の切欠になって欲しいと頼まれたし、臭豆腐を喰えるように頑張りますとまで言ったのは良いけど……まっ、いっかぁ?今からウダウダ考えるのも何だし、それよりも早く帰って久し振りの一人寝を楽しむとしますか? ルフラ~~ン♪ 」



 先程までの真剣な表情は何処へ行ったのやら。久し振りの自分時間を満喫すべく、下手糞な鼻歌交じりで足取り軽く官舎への道を急ぐ一刀。然し、その一方で……。



 ――同時刻、一刀に宛がわれた官舎にて(元は狭くって男臭かった邏卒(らそつ)(警邏兵)の詰め所を人が住める様リフォームした物)――



「おい、愛紗に蓮華! そんなに詰めるなって! 窮屈過ぎんだろ!? 」


「翠、無茶を言わないで。幾ら一刀の体が大きいからって、一つの寝床に何人も潜ったら窮屈になるのは目に見えてるでしょう? 」


「ああ、蓮華殿の言う通りだ。翠、少し位辛抱しろっ。 」


「全く、それに魏延に酷い目に遭わされた一刀殿を、『体で慰めてやろう』と言い出したのは他ならぬ翠ではないか? 」 


「ううっ…… 」



 と、一刀専用万年床(『日本の布団』を再現した物で、一刀用に可也大き目にしてある)の中で、翠、蓮華、愛紗、星と四人の恋姫が全裸待機していたのだ。桃香に気を遣い、彼女と二人きりにさせてあげた一方で、彼女等はちゃっかり彼の寝込みを襲う、もといっ! 彼を癒すべく、然るべき姿で待ち望んでいたのである。



「それにしても、蓮華殿。この寝床、少し変わった感じがしますね? 確か、一刀様が特注で職人に作らせたのでしょう? 」


「ええ、確か「(ブー)(トゥアン)」って言ってたわ。でも、意外と寝心地良いし、それに……一刀の匂いで溢れかえってるわ……何だかこのまま眠ってしまいそう 」


「おいおい、蓮華。このまま眠っちまったら、一刀を癒せないぜ? 少し我慢しろよ 」


「その通り、一刀殿が戻ってくるまでの間、息を殺しじっと待つのです。そう、獲物を待つ獣のように…… 」



 星がそう言うと、布団の中で身を寄せ合う四人の恋姫の目が爛々と妖しく輝く。特に蓮華は「フフフフフ…… 」と、無意識の内に舌なめずりをしていた。ここら辺に関して本人は否定しているが、恐らく異性に対して貪欲な面を持った母青蓮譲りであろう。



「だけど……何でこの酔っ払いまでもぐりこんでいるのかしら? お蔭で布団の中がお酒臭くなってきたじゃない? 」



 急に不機嫌そうに眉を顰めて蓮華が言うと、皆も一斉に顔を顰める。彼女が言うとおり、確かに布団の中には熟柿の臭いが漂っていた。その臭いの元の正体だが……。



「えへへへへ……一刀さぁ~~ん。一刀さんの松茸、いつ見ても大きいよねぇ~? 早く私に食べさせて~♪ 一刀さんのそれ、おっぱいで挟みながら食べると最高に美味しいンだよねぇ~♪ うむうっ、かふとふぁん、おふひひはひひひらはひよ~ 」



 顔をほんのり紅く染め、だらしなく緩みきった口元からよだれを垂らし、存外はしたない寝言を言うは桃香。いつの間にか彼女も布団の中に潜り込んでおり、それも他の面々と同じく全裸だった。然し、酒に酔った状態、それも全裸である為か体全体から酒気を飛ばす始末である。



「もうっ、誰なのよ? 桃香をここに連れて来たのは? てっきり一刀と二人っきりで甘い時間を過ごしていたと思っていたのに!? おまけに何て寝言言ってるのよ? しかも、それ前に私が一刀を『食べた時』にしたのと同じ物だし…… 」


「恐らくですが、桃香様が最近雇った甘なる女中でしょう。桃香様が布団の中に潜り込んだと同時に、女中の格好をした女らしき人影が去って行くのが見えましたからな? ……蓮華殿、一応ですが、私もそんな感じで極太メンマを味わえますぞ? この前、実際にやって見ましたところ、その時一刀殿が見せた恍惚とした表情……今でも忘れられませぬ 」


「へぇ……星、そこら辺の話を後で、“もっと”詳しく教えてもらおうかしら? 」


「私は何時でも構いませぬよ、蓮華殿? フフフフフフフ…… 」



 不服そうにぼやく蓮華に、星が返した。だが、両者とも言葉尻に一刀の『食べ方』を言う辺りに、彼女等なりの『女の意地』が感じられる。



「……前々から思っていたけど、あの女中一体何者なのかしら? どう見ても只者じゃ無さそうだし、『殆ど隙を見せない』と明命が言ってたわ 」



 訝しむ様に蓮華が言うと、真剣な表情で愛紗が返す。



「蓮華殿。多分ですが、あの女中何か武術や体術の類を会得してると思われます。元々、義姉上の従妹奏香(劉封)様の義父劉泌様の下に居りましたし、また先日幕下に加わった向寵(しょうちょう)殿も劉泌様の所に居た人物です。多少怪しげな部分はありますが、十分信に足る人物だと思います……一刀様、早くお戻りになられないだろうか? 折角身を清めてきたと言うのに 」


「だな、アタシも愛紗と同意見だ。確かに、アイツはちょっと取っ付き辛いけど、腕は立ちそうだし人もそんなに悪く無さそうだ。だから、ああこう詮索しない方が良いと思うぜ? それよりも……今は『一刀』をどう料理するかの方が重要なんじゃないのか? 」


「ああ、確かにそうだな……一刀様、今夜は寝かせませんからね? 」



 愛紗に同意すべく翠も言うが、彼女も最後の方で『一刀の食べ方』に触れると、口元をだらしなく緩ませよだれをすすり、愛紗の方も表情に危うい物を潜ませていた。


 さて、その頃の一刀だが――官舎まであと僅かの所で、意外な人物とばったり遭遇していた。



「あれぇ? こんな所に美人さんがいるなと思ったら、甘さんじゃないか? もしかして、俺桃香の家に何か忘れ物でもしたかな? で、それを届けに来てくれたとか? 」


「……ええ、忘れ物をなさいましたよ? それも、大きな忘れ物です。そして、それをお届けすべくお待ちしておりました 」


「はて? 一体何なんだろう? 」



 未だに酒精が混じっていたが、先程よりは幾分か酔いの抜けた頭で懸命に思い出そうとする一刀。すると、行き成り甘が一刀の懐に潜り込んで来た。



「なっ!? 」


「クスッ、意外と隙だらけですね? 忘れ物とは……貴方自身ですよ? 仲郷殿。フッ! 」


「おごおっ!? ホンジツニカイメデスカー!? 」



 それは一瞬であった。何と、彼女はがら空きになった一刀の鳩尾に強烈な一撃を叩き込んで気絶させ、力無くその場にくずおれた彼の体をヒョイと担ぎ上げた。



「これでヨシッと……取り敢えず、任務完了と言ったとこかしら? さてと……『松茸』の確保に成功したし、後はお腹をすかせている『おねーさん』達に届けないといけないわね? それにしても、この方の『松茸』ってそんなに凄いのかしら? 」



 そうぼやくと、甘は自分の視界に移った一刀の股間をじっと見やる。



「だったら、今度私も試してみようかしら? 今年で十八になると言うのに、まだ男を知らないお蔭で『嫁き遅れ』とか、『錆びた錠前女』なんて周りからからかわれているからこの際…って、何言ってるのよ私ったら?! 今の私は、命に代えても玄徳様をお守りしろと劉泌様から厳命されてるのに……こんな男にかまけてる場合じゃないわ、もっとしっかりしなくちゃ駄目じゃよね? 私……  」



 そう自分に言い聞かせ、一刀の官舎の方へと足を向けるが、義兄義雷より可也身軽とは言えども、一刀も体重がある方だ。八尺一寸程の背丈に、それに見合った筋肉の大鎧で身を覆っているからで、当然圧し掛かって来る重みに足が少しぐらつく。だが、彼女はすぐに体勢を立て直した。ちなみにだが、現在彼の体重は約四百斤、一斤は約二百四十八グラムなので百キログラム前後ある。



「フウッ、予想はしてたけど、結構重いわね? 彼。でも、最近訓練を疎かにしてたし体も可也鈍ってると思うから、後で『楯九号』に相手して貰おうかしら? 」



 誰に聞かせるまでも無く、一人ごちて後は平然と歩を進める甘。その一方で朦朧とする意識の中、一刀の脳内では頭から葉っぱを生やした幼女と首から直接足の生えた奇妙な鳥が現れ、幼女が口を開くと甲高い声で一刀に言った。



「これからあなたの健康運を占っちゃうぞ? あなたの健康運は……大凶ッ! 松茸料理フルコースの女体盛りならぬ男体盛りを、おなかをすかせたおねーさんたちにご馳走することになるでしょう! キチンとひにんしとこうね? 」


「はあっ? 何じゃそりゃあっ?! 」



 突然言われた事に一刀が唖然となっていると、すかさず鳥らしき生物も甲高い声で突っ込みを入れる。



「もげちまえっ! 」


「はいいいいっ?! 」



 もう、一刀には何が何だかさっぱり訳が判らなかった。意識の中の一刀が空しい叫びを上げるも、その瞬間完全に意識を失ってしまい、次に彼が気付いた時には何故か丸裸にひん剥かれて布団の上に寝かされていた。




 ――九―― 



 ~今晩はどの国のお后様とオルドに入りますか?~

 (光◎ 『蒼◎狼白◎牝鹿 ジ◎ギ◎カン』の7番コマンドより)


 1:桃香 2:蓮華 3:翠 4:愛紗 5:星 6:全員(体力-100)



「ふっふっふー、松茸、じゃなかった~。一刀さぁん、待ってたんだよ~? 」


「一刀……本当はこんな時にするのは不謹慎かもしれないけど、今夜は貴方を癒してあげたいの…… 」


「あんな出来事があったばかりだし、さっき魏延にやられてあんま良い気分じゃなかったろ? だからさ……アタシの体で鬱憤晴らしてくれ! 何だったら、滅茶苦茶にしてくれても良い! その方がアタシとしても本望だからさっ! 色々あると思うけど、今晩だけは忘れろよ? 」


「一刀様……あんな出来事があった直後でその気にもなれないと思います。ですが、どうか、どうか今宵だけは全て忘れて下さい。一度全て吐き出し、明日から新たに身も心も切り替えて参りましょう。その為なら、この愛紗どんなはしたない事も一刀様に致します……私の身も心も全て一刀様だけの物です 」


「一刀殿、一刀殿の心の傷は私達の心の傷でもあるのだ。故に、こう言う時は身も心も繋がるべきだと思う。愛紗の言葉ではないが、どうか今宵だけはあの忌まわしい出来事を忘れ、私達だけを見て欲しいのだ。そう、身体目的だけでも良い…… 」



 と、彼の裸身に飢えた『おねーさん』達が群がっており、彼女等はそれぞれ立派な事をのたもうていたが、実際の所『松茸、松茸~♪ 』等と本音が駄々漏れ状態な上に両の眼を爛々と輝かせており、この異様な状況に一刀は性的興奮と快楽、そして恐怖感が複雑に入り交ざった様な、何やら奇妙な物に襲われていた。



「さぁ……松茸料理の大牢フルコース、じゃなかったわ。一刀を癒してあげましょう……全軍突撃よ? 」



 そう呟き、妖しさと優しさが相俟った笑みを美しい顔に浮かべ、蓮華がパチンと指を鳴らすと、雌豹達は一斉にそれも優雅に襲い掛かってきた。



「はっ、花びら大回転……これは正に車懸の陣ッ!! 軍神上杉謙信公もまっ()ぁおダァ~~!! うひゃひゃ、桃香、愛紗、そこは弱いのやめてけれ~~!! オイん御岳どれだけ噴火さすっ気ぢゃ~っ!! れ、蓮華~~!! そこもぼっぢゃい(駄目)、ぼっぢゃいって~!! 星も翠も、もちっと手加減してくれ~~!! うひゃああ~~!! 臥竜鳳雛には真似出来ないおっぱい連環の計だぁ~~!! 」



 と、大半の男達、そして朱里と雛里が聞いたら一発で呪いたくなる悲鳴を上げる一刀であったが、当の本人としては可也必死で女達からの甘美な刺激を身体全体で受け止めながらも、子供の頃にこっそり読んだ三國志を題材に取り扱った娯楽漫画の一幕を思い出していた。



(そう言えば、『週刊少年ステップ』に連載されてた、元宮広志の『中華を喰らう』で董卓が皇帝の寝所で女官達を侍らせての酒池肉林のシーンってこんな感じだったよなぁ……あの頃はされて見たいと思ったけど、いざされて見ると……体が幾つあっても持たんわ~~~!   )



 いきり立つ『小さな火山』を懸命に抑えながら見たあの一コマに、『いつか俺も同じ事をされてみたい!』と、当時小学生だった一刀は強く思っていたが、五人の極上の女達にいざそれをされてみると快楽と同じ位に苦痛と言うか、激しい疲労感に襲われる。この時、複数人の女を抱くのは極力控え様と一刀は心に固く誓うのであった。


 また、彼是と可也多忙な日々を過ごしていた恋姫達の方も可也鬱憤が堪っていた様で、彼女等の一刀に対する要求の激しさは……言わずもがなである。だが然し、一刀も負けていられない。そう、何故ならば彼は立派な『薩摩隼人』の一人であるからだ。



(女の子達を相手してると思うから、及び腰になってしまうんだ。そうだ、こう思えば良い。今の俺は(あわび)と高級肉食べ放題っ! そう思えば、この戦い……勝つるっ!! )



 自身の肉体に、甘美な刺激を与え続ける恋姫達の艶かしい裸身を目に焼きつつ、一刀はOBAKAな事を思いつくと、昔読んだ漫画『孤独死直前の美食』の主人公『石神井四郎』の一番インパクトが強かった台詞を思わず声に出す。



「うおォン 俺はまるで人間自家発電所だ  」



 そう言うと一刀は彼女等を迎撃すべく勢いを激しくし、自身が言った台詞の通り「人間自家発電所」と化した彼は、正に一晩中『自家発電』し続けたのであった。






 ――十――




「う、ううう……朝日がキツイ……夕べは久し振りにオールナイトフィーバーしちまったぜ…… 」



 さて、そんな状態で朝を迎えたのにも拘らず、翌日一刀は普段通りに出仕した。何故ならば、父を失い悲嘆に暮れてる王が居るのに、自分一人だけ『女達と“武芸”の腕を競い合いましたので、今日は休ませて下さい』等と、ふざけた事を言う訳にも行かなかったからである。



「これでもオイな薩摩兵児(へこ)ん端くれぢゃっ! 薩摩兵児ん意地を見せてやるっ! 」

訳:「これでも俺は薩摩兵児の端くれだ! 薩摩兵児の意地を見せてやるっ! 」



 と、杖を突きつつ痛む腰に手を当て中腰で足取り弱く歩を進め、力強く叫んだ一刀。



「なぁにが兵児の意地でぇ、こぉのスケコマシ野郎がっ! これでも喰らいやがれてんでえっ!! 」


「あっ、兄上! 一刀にも事情がありまするって、まさか、その技『燃える闘魂』で有名なあの方の必殺技デスカー!? 」


「安心しろい。何遍か練習したし、前においらに喧嘩売った曹操ン所の夏侯惇(アホネーチャン)に掛けた事もあるから、既に実践済みだ。優しい、優し~~~い、一心お兄様がっ! 不甲斐ねぇ愚弟(阿呆)の腰痛に良ぉ~~~く効く『整体技』を披露してやらあっ! 一心っ、ぼんばいえっ!! 」


「ぎぃやあああああああああああああああああっ!! ギッ、ギブギブッ!! マジで死ぬ~~!! 」



 だが、そんな彼を嘲笑うが如く城に到着した途端、女中の甘から事情を聞かされていた兄一心から『愛の卍固め』を極められる。



「『ぎぶあっぷ』ですか? 一刀殿? 」


「うっ、雲昇老師……イエス、イエスイエス! ギブアップ!! 」


「……一心様、一刀殿の返答は「のー」、即ち否だそうです 」


「うしっ、判った!! 」


「ちょっ、それちが……って、ぎぃやあああああああああああああああああああああっ!! さっきより締め付けがパネェ!! 」


「あ~あ、飽きもせずにまたやってるわね、あの二人? 普段兄貴面してる一心だけど、一刀とじゃれあってる時は本当に子供みたいなんだから 」


「そーだよね、雪蓮姉様。シャオもそう思うよ? 」


「お~お、またやっとりますなぁ? あの兄弟は 」


「全くですな? ですが、アレを見ないとある意味一日が始まりませんわい 」


「おい見ろよ。またやってるぜ? 」


「あの二人、ある意味元気だよなぁ? 」



 この劉兄弟によるプロレスコント染みたやり取りは、雪蓮や小蓮だけでなく、他の文武官並びに周囲に居た兵達からも呆れと失笑を誘い。



「プッ、なっ、何アレ? 一刀と一心の顔、顔が……それに二人とも変な姿勢っ、あ、あははははははははっ!! だっ、ダメダメっ!! 笑いが、笑いが止まらないよ!! 」


「よ、陽様? 」


「さっ、卅庫捜(さくそ)(陽付けの宦官蹇碩(けんせき)の真名)っ、あれ見ておかしいと思わないっ!? アッ、アッーッハッハッハッハ!! 」



 そして、偶然その場を通りかかりった陽が彼等兄弟のやり取りを目にすると、父を失い塞ぎ込んでいたのが嘘と思える位に思わず大爆笑する始末。



「あ~……おっかしい、こっ、こんなに笑ったの、本当に久し振りだよっ!? ……若しかして、一心と一刀は僕を慰めようとあんな『芸』をしてくれたのかな? だとすれば、父上が死んで悲しいけど、何時までも塞ぎ込んでる訳には行かないよね? 」


「…… 」

(ないない、それはない…… )



 笑いが収まり、目尻に浮かべた涙を拭う彼女の表情には落ち着きが戻っており、結果的にこれまで漂っていた重苦しい雰囲気の払拭に大いに役立ったのである。――尤も卅庫捜の方はと言うと声には出さない物の、その内心では思わず突っ込みを入れていたが――



「卅庫捜っ! 」


「はっ、陽様 」


「一刻の後(約二時間後)に謁見の間に集まるよう皆に伝えてくれ。今後をどうするか検討したいってね? 」


「はっ、御意のままに 」



 そう卅庫捜に用件を伝える陽の顔には、王としての威厳が出始めていたのであった。




 ――十壱――




 ――そして、その日の夕刻。桔梗と焔耶に宛がわれた邸宅の焔耶の私室にて――



淘湘(とうしょう)姉様…… 」



 謹慎を申し渡され、完全に茫然自失になった焔耶が一人寝台の上にて、とある物を指に摘みながら力なく呟く。それは、今は亡き公結――真名は淘湘――の遺髪であった。あれから焔耶はずっとこの状態で、食事も摂らず亡き義姉の遺髪を相手に、ぼそぼそと呟くのを延々と繰り返していたのである。



『焔耶、居るか? わしだ、桔梗だ。入らせてもらうぞ? 』


「……?! 桔梗様!? 」



 行き成り部屋の扉を叩く音と共に、ずかずかと桔梗が部屋の中に入り込む。突然起こった出来頃に焔耶は目を白黒させていた。そんな彼女の事なぞ構う事無く、桔梗は矢継ぎ早に言った。



「焔耶よ。桃香様からの格別のご配慮により、お前の謹慎を解き、武官の身分に戻すとのお達しが先程あった 」


「……え? ワタシの謹慎が解けたのですか? やはり桃香様はワタシの事を……! 」



 彼女から告げられた言葉に、先程まで意気消沈していたのが嘘かの様に、一気に晴れやかな表情になる焔耶。然し、すぐさま桔梗はややきつ目の口調で釘を刺す。



「勘違いするなよ? 桃香様はまだお前を完全に許しては居ないし、無論左国丞様(蓮華の役職)を筆頭とした他のお歴々も言わずもがなだ。それ故桃香様の側に近寄るのも駄目だし、気安く真名で呼ぶのも以ての外だからな? 」


「う゛っ…… 」



 まるで鳩尾を殴られたかの様な表情で呻くと、桔梗は「やれやれ」とため息まじりで呆れ顔になった。



「全く、あれだけの事を仕出かしておいて、たった一日の謹慎で全て許されるとでも思うていたか? 相変わらず、自身に都合の良い物の捉え方ばかりしよって 」


「ううっ……ならば、何故桃香様はワタシの謹慎を解いて下されたのですか? 」



 桔梗に言われた事が面白くなかったのか、不貞腐れた風で焔耶が尋ねる。



「ああ、その事に関してだが……ぶっちゃけ『猫の手も借りたい』状況になりつつあってな? 」


「その『猫の手も借りたい状況』とは一体何なんですか? 」



 すると、急に桔梗の表情が真剣な物に変わり、口調の方もそれに見合った物になった。



「焔耶よ、帝が身罷(みまか)られたのは既に存じてるよな? 」


「はい 」



 焔耶の方も真剣な表情でゆっくりと頷く。



「この事に関し、別駕従事(べつがじゅうじ)(照世(男孔明)の役職)殿が『こう言う時ほど反旗を翻す者が出て来易い。それは過去の事象を見ても明らかだ』と言っておってな? 然るに、この南陽の領内だけでなく外部でも反乱騒ぎが起こりうる可能性がある。それこそが、わしがさっき言った『猫の手も借りたい状況』と言う訳だ 」


「成る程、言われてみれば確かに…… 」


「わしが言うのもなんだが、お前の実力は益州でも上から数えるほどの物だと思っている。そんなお前を謹慎で腐らせるのも勿体無さ過ぎると桃香様は判断され、今回の謹慎を解いて下されたのだ 」



 そこまで彼女が言うと、焔耶の顔には強気が戻り始めており、目元の方もきりりと引き締まっていた。



「桃香様、いえ玄徳様がそこまでワタシを見込んでくださっているのなら、ワタシもその期待に見事応えなくてはいけませんよね? ならば、この魏文長改めて玄徳様の御為にこの力を―― 」



 それを聞いた途端、桔梗は眦をグンと吊り上げると、焔耶の頭に拳骨の一発を噛ます。



「まだ勘違いをしているようだな? この度阿呆がっ! 」


「あがっ?! 」



 痛みの余り、両手で頭を押さえ、焔耶はその場にうずくまると、桔梗は声を荒げ彼女の無自覚さを責めた。



「良いか、確かにわし等は玄徳様の配下で王殿下の陪臣だ。だが、飽く迄もここの国主は南陽王殿下だ。お前が一番力を捧げねばならぬのは、玄徳様ではなく王殿下なのだぞ? それを忘れるなっ!? 」


「くうっ…… 」


「全く、昨日仲郷殿にその事で窘められたばかりだと言うのに、もう忘れていたか? 」



 一刀の名が出た途端、焔耶の顔が一気に殺気混じりの物に変わる。



「……劉北ですか? ワタシはあの男は大嫌いです。あの男のせいで、ワタシは…… 」


(やれやれ、やはり予想通りであったか? )



 思った通りの反応に苦笑を浮かべる桔梗であったが、彼女は更なる衝撃的な事実を焔耶に告げる。



「それとな……お前の新しい配属先だが、わしの所ではなく今お前が憎々しげに口にした仲郷殿の隊だ 」


「え゛……? えええええっ!? 」



 完全にびっくり仰天と言った風で、焔耶は思いっきり両目を見開き、口を大きく開けた。



「仲郷殿の隊は、侠出自の荒くれどもで構成されている。暫くそこで揉まれて、己自身をしっかり磨きなおしてくるが良い。用件は以上だ 」


「きっ、桔梗様ッ?! ちょっ、ちょっとー!! 」



 慌てて焔耶が呼び止め様とするが、無常にも桔梗は足早に扉の向こうへ姿を消してしまい、後はもうただ呆然とするだけであった。そして――



『絶対、絶対にこれはワタシに対するあの男の報復だ!! だが、見てろよ? 誰がお前なんかの命令なんか聞く物か!! 』


「あ、すまんすまん、言い忘れていた事があった 」


「うわあっ?! 」



 少し時が経ち、この場に居ない一刀に呪詛の言葉を吐く焔耶であったが、行き成り己の視界に先程退出したばかりの桔梗の顔ぬうっと映る。思いも寄らぬ突然の出来事に、彼女は大仰な素振りを交え大声で叫んだ。



「なっ、何ですか、行き成り? 」


「焔耶よ、お前はこれから先日保護した女達の所へ赴き、二刻ばかり彼女等の身の回りの世話をして来い。それが終わったら真っ直ぐに帰宅し、晩飯を喰ったら寝るまでの間、関仲拡殿を始めとした漢衆と打ち込みをしてもらうぞ? 今日のみに限らず、当面の間それが続くと思え 」


「なっ……!? 何故、ワタシがその様な事をしなければならないのですかっ!? 」


「何故かだと? 無論、決まってるではないか。お前への罰だ。桃香様は謹慎を解くとは仰っていたが、罰を課さないとは一言も言っていないぞ? 」


「……はい? 」



 釈然としない風で眦を吊り上げ、声を荒げる焔耶。然し、それを軽くいなすかのように桔梗からしれっと返される。



「全く、まだ己の都合の良いように捉えていたか? 良いか、桃香様はまだお前に対して可也ご立腹だ。暫くの間、それに見合った罰を受け、己が行いを悔い改めてこい 」


「…… 」


「これで言うべき事は全て言った。それでは、今度こそ失礼させてもらうぞ? 」



 桔梗から言われた事に、焔耶は完全に押し黙ってしまうが、それに構う事無く、今度こそ彼女は退室した。そして―、それからの焔耶であったが――



「何でワタシがこんなことを……ブツブツブツブツ 」


「アンタ、そんなに乱暴にしたら破れちまうだろ? もう少し丁寧にこすりな 」



 洗濯物の山を相手に悪戦苦闘するが、見るに見かねた中年の女中から注意されたり――



「おいっ、どこか痒い所は無いか? 」


「…… 」


「ああもうっ、何とか言ってくれ!! 」


「…… 」


「ハアッ……これでは、どう接すれば良いのか全く判らない。一体どうすれば良いんだ…… 」



 施設の浴場にて、保護した女達の背中や頭を懸命にごしごしと洗うが、如何せん無反応な為に困惑したり――



「ぐわああっ!! 」


「どうした? それが貴様の実力か? 大言壮語を吐く割には、貴様は仲郷殿よりずっと劣っているぞ? 」


「何……だとおっ!? 」


「言われて悔しかったら、もっと全力でぶち当たってくるが良い!! ぶち当たる相手はここにいるぞっ!! 」


「くうっ……!! 」



 六人の漢ども――この時の相手は固生(男馬岱)に散々しごかれるも、一本も取れずただただ悔し涙を流し続けたりと、彼女は心身ともにすり減らす日々を過ごしていたのである。



(くそおっ!! これも全てあの男――劉北の所為だ!! 絶対に貴様の命令なぞ聞かないからなッ?! )



と、相も変わらず内心一刀への怨み節を炸裂させる焔耶であったが、今回のこの彼女への処遇に一刀や桃香を始めとした周囲がどれだけ心を砕いているのか、彼女は全く理解していなかったのである。




  ――そして――また新たな動乱の焔が上がり始める――




 ――陽達の廟参から遡る事約一月前。帝都雒陽にて――



『ええいっ、馬騰と董卓は一体何をしておるのじゃ? 帝がご危篤の今だからこそ、次の帝になる弁をこちらで確保せねばならぬと言うに…… 』



 苦虫を噛み潰し、鼻息荒く(いら)付いた足取りで渡り廊下を歩くは、大将軍何進。現在、彼女は可也苛立っていた。


 何故ならば、最初は良好であった妹(何后)との仲が歳月を経ることに徐々に悪化。遂には、次の帝になる弁の後見の座を巡り、血を分けた姉妹同士での権力闘争にまで発展したのである。姉は馬騰や董卓と言った外部の者を、妹は中常侍を始めとした宮廷内の者をそれぞれの頼みにしていたのだ。


 劉宏が重篤の今だからこそ、馬騰と董卓に妹と十常侍達を襲わせて亡き者にし、弁と玉璽を手中に収めんと目論んでいたのだが、朝からその馬騰と董卓等の姿が見当たらない。この不可解な出来事に、何進は焦りと恐怖を覚えると、近侍の兵を引き連れ馬騰と董卓の姿を探すべく、宮殿内を練り歩いていたのである。



「ん……? あれは……? 」



 前方に集団らしき人影を見つけ、何進が一旦歩みを止めると、集団の中心に居た男が言葉を発す。男の背は高く、見た感じまだ二十代半ば位と思われた。



「これはこれは何大将軍、一体どなたをお探しですかな? 」


「……大将軍たる妾に対し随分な口の聞き様じゃが、一体お前は何者じゃ? 名乗るが良いっ! 」



 その声の響きから、凄まじいまでの威圧と冷気が滲み出ており、何進の背に思わず冷や汗が流れる。こんな得体の知れぬ者に負けてなる物かと強がって応えて見せるが、何進は目の前の彼に抗い難い恐怖を感じ取っていた。



「これは失礼……私は幷州牧(へいしゅうぼく)丁建陽が養子で名は丁擢(ていてき)、字は孟高(もうこう)。以後、お見知りおきを…… 」


「丁孟高と申したよな、お主。ならば、その幷州牧の養子のお主が何故帝都の、それも宮中に堂々と立ち入って居るのじゃ? 場違いも甚だしいのではないかっ!? 」


「いえいえ、場違いでは御座いませぬ。何せ、某めはとある特命を帯び参内致した次第にて 」


「特命とな……? それはどのような物なのじゃ? 」



 そこまで何進が言うと、彼女と相対していた丁擢の背後から、小柄な人影がヒョイと姿を現したその瞬間何進は焦りを顔に浮かべた。



「ちょっ、張譲……!? まさかっ!? 」


「そう、そのまさかだよ、何進大将軍。いや、謀反人何進ッ!! 貴様を反逆の罪で逮捕するっ、大人しく縛につけいっ! 」


「相手は大将軍様だ。丁重に扱うのだぞ? 」



 張譲の命令一下、丁擢がそれに一言添えると彼の率いる兵が何進の周囲を取り囲んで、たちどころに彼女を縄打つ。上半身を縄で雁字搦めに縛られ、無念そうに歯噛みし何進は二人を睨み付けた。



「おのれええええっ!! これは一体何の真似じゃ!? 何故妾が謀反の罪に問われねばならぬのじゃ!? 」



 すると、張譲は陰湿そうな笑みで中性的な顔を歪ませると、嘲る様に言い放つ。



「只の肉屋風情が、妹のお零れで大将軍になっただけでなく、権力を笠に着てこれまで散々好き勝手にやってきたんだ。それだけでも十分謀反に値すると思うのだがな? 」


「くうっ……!! 」


「何『元』大将軍……残念ながら、太后様は貴女を必要としておらず、それどころか姉妹の縁を切ったと先程仰せになられた……後はご自分に相応しい場で、残り少ない余生を過ごされるが宜しかろう。フフフフフフフ…… 」


「おのれぇ、この腐れ宦官と田舎州牧の養子風情があっ!! この恨み絶対に忘れぬものかぁ!! かくなる上は、泰山地獄に堕ち様とも呪ってやるぞ!! 」



 張譲だけでなく丁擢からも罵られ、大声で呪詛の言葉を吐く何進であったが、それも空しく彼女は連行され廊下の向こうへと消えて行く。長年煩わしく思っていた政敵が一人消え、張譲は爽快感を覚えると、今回自分の爪牙として呼び寄せた丁擢に話しかけた。



「丁擢、今回の君の働きには感謝しているぞ? 」


「勿体無きお言葉です。張中常侍 」



 と恭しく(うやうやしく)丁擢が一礼するが、何やら疑問に思ったのか張譲は眉を顰め、彼に尋ねる。



「ところでだが、確か僕は君のお父上の丁幷州殿に書状を送った筈。なのに、どうして君が来たのだ? 」



 すると、次の瞬間。丁擢はぞっとする様な薄ら寒い笑みを、美しい顔に浮かべてみせた。



「なぁに、答えは簡単ですよ。養父は私が殺したからですよ、この様にね? 」


「なっ!? 」



 これ以降、張譲は言葉を発する事ができなかった。何故ならば、丁擢の剣で心臓を一突きにされたからである。悲鳴を上げる事も適わず、張譲は口から盛大な血の泡を吹くと、そのまま地面に倒れこみ己の血の海の中で悶え死んだ。



「ッ!…… 」


「ふんっ、毒を持った者を殺せるのは、より強い毒を持った者のみよ。十常侍筆頭と呼ばれ、権勢を欲しい儘にしていた様だが、欲に目が眩み過ぎたようだな? 」



 そう言って、ぺっと唾を張譲の屍めがけ吐き捨てると、彼の背後から一人の男が姿を現す。男は中肉中背で目が細く、不気味な雰囲気を漂わせていた。



「お見事で御座います、主公。どうやら、上手く行ったようで御座いますな? 」


「ああ、先ずは張譲を始末する事が出来た。李儒。牛輔、李傕、郭汜の三人に宦官どもを全員皆殺しにする様命じろ。とくに十常侍だけは絶対に逃すな 」


「はっ 」


「その十常侍だが、全員首を打ち、残った体は逆さに吊るして首と共に市中に晒しておけ。『共謀して何閣下を殺害し、宮中を混乱させた大罪人』としてな? その際、衣服は全て剥ぎ取り、男根を切り取った醜い(きずあと)も曝け出すのも忘れるなよ? 」


「ははっ! ところでですが、皇太后様と帝は如何されますか? 」



 李儒と呼ばれた男がそう伺うと、丁擢は表情を一つ変えずに平然と言い放つ。



「ふんっ、親子水入らず過ごせる様、永安宮にお移り頂こう。但し、逃げ出せぬ様常に見張りを置くのを忘れるな 」


「ははっ!  」


「次に高順、樊調(はんちょう)、徐栄の三烏将には、卓と馬騰が率いていた西涼の将兵を服従させろ。もし、こちらの言う事に従わない場合は、『兎と狼』を楯に使え。……何せ、何れも腐らすには惜しい人材が彼奴等の下に揃っているからな?  」


「はっ、御身の仰せのままに 」


「ならば、直ぐに取り掛かれ 」


「ははっ! 」



 そう答え、李儒が来た道を引き返していくと、天を見上げ丁擢は口角を吊り上げた。



「皇天后土よ、もし居るのであれば、篤と見ているが良い……『要らぬ者』呼ばわりされたこの俺が、天下を奪う様をっ! 」



 その叫びに呼応するが如く、先程まで晴れやかだった空に暗雲が立ち込めると、瞬く間に雷鳴が轟き始める。それは、正に新たな戦乱の呼び声であったのだ。


 


 




 ここまで読んでいただき真に感謝、今回で長ったらしくなった幕間其の伍も終わりです。そして、次からやっと……それっぽい話しに持って行きます。けど……今の仕事がハチャメチャなので、家に帰ると疲労困憊で風呂入って寝るなんですよ。だから、落ち着いて書けるのは出勤前か休みの日くらいですね~。(汗


 今回の話に使ったネタなんですが、音泉さんで良く聞く『ほ◎らじZ』とか、『孤◎のグルメ』、『天◎を喰らう』とかを用いました。特に『天地を◎らう』なのですが、董卓が皇帝の寝所で全裸の女官達を侍らせてのウハウハに当時小学生だった自分は大興奮しましたね~。当時の少年誌では、『性交』シーンとか平気の平左で載っていまたから、いかに今が可也規制が厳しいのかが窺えます。


 焔耶>謹慎を解いたとは言えども、罰は与え続ける必要がありますので結局ああいう形に収めました。焔耶ファンの皆さん、どうもスンマセン。(汗

彼女を『臭豆腐』に喩えたのは、『癖があるが、なれれば病み付きになる珍味の様な女』にしたかったからです。決して、彼女が臭い訳では御座いません。(苦笑


 そして、今回のラストでようやく昨年載せた『仮更新』に繋げる事が出来ました。さて、これからどうなるのか? 丁擢とは何者か、そして董卓こと月や琥珀さんを始めとした、都にいる西涼勢の運命やいかに?


 続きは……まだ取り掛かってません。恐らくですが、取り掛かるのは明日以降になるかも……ここん所、12時に家出て、帰りが午前1時過ぎの生活パターンですので。(汗 月並みな言葉ですが、今しばらくお待ち下さいませ。


 それでは、また~! 不惑庵・裏でした~! ……稼ぎよりも、休みが欲しい自分。年食ったよなぁ~。(苦笑

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