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真・恋姫†無双 ~昭烈異聞録~   作者: 不識庵・裏
第一部「楼桑村立志編」
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第五話「情」

  何とか、今回も無事に投稿する事が出来ました。前回ちょん切った分に肉付けを行い、何とか読めるように努力しました。今回は従来のものと構成を逆にしております。追加エピソード前半、本編後半といった具合にしました。


 今回は説明文が可也多かったです。もうチョイスリムにした方がいいかなァ?(汗



『貴女は治世なら能臣だが、乱世になれば姦雄になる 』



 とある一室で、中年の男がまだ幼い少女にそう言い放った言葉は、少女の心を掴んで離そうとしなかった。



『それはどういう意味なのかしら? 許子将先生 』



 蝋燭の灯りに照らされ、少女は不敵そうな薄ら笑いを浮かべる。



『言葉の通りですよ、曹孟徳殿。治世であれば、貴女は才知に優れた臣として名を残しましょう。ですが、一度(ひとたび)乱世になれば、貴女は狡知に長けた天下泥棒になるという事です 』



 この少女に失礼なとも言える内容の発言であったが、男は平然と振舞っており、眉一つ動かしていない。



「ふぅん……。乱世の姦雄、天下泥棒か……。なれるものならそっちの方になってみたいものね 」



 そう言うと、曹孟徳と呼ばれた少女は無邪気にクスクスと笑うのであった。




「んっ…… 」



 自分が太守を務める陳留の都城の自室で、ふと、華琳は目を覚ます。どうやら書を読んでいる最中に居眠りをしていたようだ。

 

 卓の上に広げたままの書物を手に取ってみたものの、興が失せたのか。何の迷いも無く彼女はそれを閉じる。


 そして、おもむろに窓辺に向かい、外を眺める。既に外は夜の闇に覆われ、雨が降っていた。彼女の耳にしとしとと降る雨音が小気味良く聞こえてくる。



「早いものね。あれからもう五年か……許子将は私の事をああ言ったけど、私がそうなれるのは一体いつの日になるのやら 」



 そう一人ごちると、彼女は自嘲めいた笑みを浮かべる。曹孟徳こと『華琳』の真名を持つこの少女は現在十五歳。現役の太守の中では年少の部類に入る方だ。

 

 彼女は幼少時からずば抜けた才覚を持っていたものの、その才覚を悪戯や悪巧みに使用する事が多く、自分より三歳年上の袁紹と良くつるんでは悪さをしていた。

 

 その最たるものが『花嫁泥棒』であった。当時から二人は『そっち』の気があったが、まだ同姓同士の軽いふざけあい程度のものでしかなかった。


 当時十歳の華琳と十三歳の袁紹は、仲間を引き連れ、とある村の結婚式を襲撃し、幸せ絶頂の若い夫から大切な伴侶を奪うと言う暴挙に出た。

 

 村はずれの小屋に連れ込むと、すぐさま二人は花嫁の綺麗な衣服を剥ぎ取り始めた。自分等より年上であったが、目に涙を浮かべ怯え巻くる彼女の顔を見た瞬間。二人の心に激しい嗜虐の焔が揺らめく。

 

 その後二人は、村の若い衆が小屋を見つけるまでの間、許しを請う彼女の体を散々弄び、本格的な『そっち』の覚醒を成し遂げたのであった。


 しかし、流石にここまでなると、彼女の父曹嵩(そうすう)は黙ってはいなかった。家人から事情を知らされた彼は激怒し、華琳を呼びつけ事の真偽を糺し始める。



「華琳よ、うぬと袁家の馬鹿娘が花嫁を辱めたのは(まこと)であるか? 」


「父上、辱めたとは心外です。私はあの美しい娘を救ったので御座います 」



 物凄い剣幕で迫る父に対し、彼女は盗人猛々しく平然と答える。すると、父を含め、この場にいた者全員が呆気に取られた。



「救ったとな? それは一体どういう意味だ? 」


「あの娘の両親は借金苦の末、金を貸していた者の倅に娘を与える事にしたのです。あれだけ美しい娘が、親が金を持っているだけの無能者の嫁になるのは、正に世にとっての損失と言えましょう。むしろ、将来世に尽くさんとす私のものにした方が正に得というものです 」


「ほう、やけに詳しいのだな 」


「当然です、事前に調べましたゆえ 」


「なら、他に誰かそれを証明する者はおるのか? 無論、あの馬鹿娘やお前の仲間以外でだ 」


「はい、証人ならおります 」


「なら、その者は誰ぞ? 名を言うてみるがよい 」



 すると、華琳は天を指差しにっこり笑うと、こう言い放った。



「天で御座います 」



 ここまで開き直られると、正直曹嵩は呆れを通り越し、むしろ、『娘は将来大物になるのではないのか? 』と思うようにすらなった。


 後日、曹嵩は人物批評で著名な許子将に娘を引き合わせ、華琳の人物像を見てもらうことにした。その時、許子将が出した答えが先程の『治世の能臣、乱世の姦雄』だったわけである。


 許子将にそう評された華琳は、それから熱心に学問と武芸を学び、十二歳の時に※1考廉(こうれん)に推挙される大抜擢を成し遂げる。そこから順調に出世を重ね、現在は陳留を任されるまでになった。しかし、彼女の心はまだ満たされていない。



「そう、私はまだ満たされていない。この曹孟徳の心はまだ満たされていないのよ。この手に『天』を掴むまでは…… 」



 おもむろに右手を虚空に伸ばし、何かを掴む仕草をして華琳は一人呟く。彼女の姓は曹、名は操、字は孟徳といい、※2漢の功臣曹参(そうしん)を祖に持つ名門曹家の息女だ。


 しかし、彼女の父曹嵩は元は夏候氏の出自で、※3:宦官曹騰(そうとう)の養子である。その為か、心無い者達は彼女の事を『宦官の孫』呼ばわりし、彼女自身も子供の頃から揶揄や罵倒に耐える日々を過ごしてきた。



 一緒につるんでいた袁紹もその例外ではない。四代に渡り※4三公を排出した名門の家柄の息女である彼女は、良くそれを引き合いに出しては、華琳を愚弄する事が多々あった。恐らく華琳を一番馬鹿にしていたのは他ならぬ彼女であろうかと思われる。 



「家柄で人生や待遇が決められるというのは、本当に馬鹿げているわね……。これでは漢が腐るのも頷ける話だわ 」



 袁紹は、四代に渡り三公を輩出した家に生まれたと自慢しているが、彼女自身何かしたのだろうか? 袁紹も高い役職についてはいるが、家名のご威光というものの世話になっただけで、何も実績を残していない。


 それに対し、自分はこれまで※5洛陽北部尉、※6冀州(きしゅう)頓丘(とんきゅう)県令、※7議郎を歴任し、いずれも高い評価と優れた実績を残してきた。



(家柄がいいだけで、何の取り柄も無い麗羽にこれだけの事が出来るかしら? まぁ、出来る訳がないでしょうね )


 

 そう思うと、いきなり自分の脳裏にお家自慢と高笑いしか能のない麗羽(袁紹の『真名』)の顔が浮かんでくる。彼女はここにいない筈の麗羽に対し、侮蔑の笑みを浮かべた。


 すると、降りが強くなってきたのだろうか。雨音は段々と激しくなり、ついには雷が落ち始める。それは華琳の胸中に渦巻く激情の表れのようであった。そして、彼女は軽く息を吸い込むと、己が内に秘めたるものを激しく解き放つ。




「もはや、名ばかりで死に体の『漢』には何の価値も無い。ならば、私は『漢』を奪う! この国を奪い、曹孟徳が新しい世を作る! 家柄や生まれだけで全てを決められる世ではない、己の力で全てを決められる、新しい世をこの私が作るのだ! その為なら私はどんな悪名をも喜んで被り、冥府魔道にすらも堕ちてみせよう! 」



 そう彼女が叫んだ瞬間、雷光が室内を激しく照らす。次に少し遅れて轟音が城内に響き渡り、彼女の瞳には激しい野心の炎が揺らめいていた。全身を漂う覇気は、正に『覇王』と呼ぶに相応しい。体は小さいが、内に秘めたる野心はまさに、常に大きな炎を上げる巨大な恒星のようであった。



 激しい野心の炎を瞳に宿した『曹操』こと華琳。一地方太守にしか過ぎなかった彼女の野心が、漠然としたものから本格的に変貌したのはまさにこの時であった。それから数日後、彼女は偶然にも匪賊に追い掛け回されていた『及川佑』を拾う事になる。

 




「ここまで来れば、大丈夫だよね 」


「ああ……流石にここまで追っかけては来ないだろ 」


「ふぅ……こんなに走らされるなんて久し振りね 」


「いっ、息が苦しい……しっ、心の臓が破れそう…… 」


「みなさん、大丈夫ですか? 」



 あの後、五人は兎に角走った。走って走って走り捲くり、挙句の果てには昔一刀が倒れていた場所まで走っていた。一刀と桃香と明命の三人が、けろっとした顔で余り息も切らしていなかったのに対し、雪蓮は少し肩で息をしており、蓮華にいたってはその場にへたり込んでいた。

 

 流石に見かねたのか、明命が竹の水筒を蓮華に差し出すと、彼女はひったくるかのようにそれをもぎ取る。そして、栓を明けてそれを一気に傾けると、あっという間に飲み干した。



「ところで、村と言ってたけど、どこの村なの? あ、ごめんなさい。自己紹介が遅れたわね。私の姓は孫、名は策、字は伯符。伯符と呼んで 」


「私も名乗ってなかったわ。私の姓は孫、名は権、字は仲謀。仲謀と呼んでくれて構わない 」


「いっけない、私もです。私の姓は周、名は泰、字は幼平と申します。幼平とお呼び下さい 」



 今更思い出したかのような顔になり、雪蓮が名を名乗ると、蓮華も明命も次々と自分の名を名乗り始める。



(この女性が孫策か……。言われてみれば確かにこちらの孫権と髪や肌の色が同じだし、姉妹と言うのも納得できる。しかし、この小さい女の子が周泰!? 確か呉軍きっての傷だらけの猛将だと思ったんだけどなぁ…… ) 


(一刀さん、またさっきと同じ顔している……。やっぱりこの人達について何か知ってるんだ )



 三人から名を聞かされ、一刀は驚きで目を見開き、思わず『えっ』と小声で呻くと固まってしまった。桃香はそんな彼を心配そうに窺いながら、先程まで頭の中から消していた事を思い出す。しかし、幾ら疑問に思ったところで、自分が絶対に尋ねてはいけない事だというのも判っていた。



(一心兄さんもこの三人を知っているかもしれない。だけど、絶対に聞いちゃいけないんだ…… )



 一刀は尽きる事の無い疑問が、桃香は何とも言えないもどかしさが、それぞれの胸中で渦巻いていた。



「ねー、ちょっとー? お二人さーん? 私達きちんと名を名乗ったから、今度はソッチの番じゃない? あと何処の村に行くのー? おーい、聞こえてますかー? 」


「うわっ!? 」


「ひゃあっ!? 」



 いきなり雪蓮が二人の顔を覗き込んできた。突然の出来事に、それまで考え込んでいた一刀と桃香は驚きの余り現実に引き戻され、いずれもバツが悪そうに苦笑いを浮かべる。



「どうしたのよ、二人とも。私達の名前がそんなに変だったかしら? 」



 名を名乗った際の二人の反応が気に触ったのか、雪蓮は不機嫌そうに顔をしかめる。



「済みません、チョッと自分の知ってる人の名前に少し似ていたものでして……。俺、楼桑村の劉北って言います。字は仲郷。仲郷と呼んで下さい 」


「ごめんなさい、仲郷さんの様子がおかしかったのが気になっちゃって。同じく、私は劉備と言います。字は玄徳。玄徳と呼んで下さい 」



 自分らの非礼に気付いた二人は、慌てて住んでいる村と自分の名前を三人に名乗ると、申し訳なさそうに深々と頭を下げた。



「え!? 楼桑村ですって? 」


「い、意外でした。まさか楼桑村の方だったとは! 」


「ろ、楼桑村の……劉『北』? まさか、この人……なの? ……でも『刀』の名がないわ 」



 すると、どうだろう。今度は彼女等三人が驚き始める。特に孫仲謀のそれは並大抵のものではなく、ありありと見えるようであった。



「あれ? どうしちゃったんだろ、この人達? ……何だか仲謀さんが一番うろたえてるように見えるけど……。一刀さん、この人と『知り合い』なの? 」


「いいや、『知らない』。だって、さっき城下町で初めて会ったんだぞ? 『知ってる』わけがないじゃないか? 」



 それぞれ驚きの表情を浮かべる三人の姿に桃香は小首を傾げ、特に仲謀の様子が一際おかしかったのか、桃香は一刀に知り合いなのかと尋ねてみた。


 彼は平然とした顔で否と答えたが、二人とも無意識の内に言葉の一部を強調していたのだ。恐らく、心の奥底で抱いている疑念の裏っ返しだと思われる。

 

 しかし、驚きつつも彼女ら三人はこの二人のやり取りを聞き逃さなかった。何故なら、桃香が発した『一刀』と言う言葉に引っ掛かりを覚えたのだ。



「『かずと』? 聞きなれない言葉ね? 」


「しぇ、雪蓮様。もしかするとこの方の『真名』かも知れません、迂闊に口になさらない方が…… 」


「か、ず、と……? 」



 訝しげに目を細めて伯符が言うと、幼平は彼女を諌めるべく恐る恐ると口を開く。仲謀も気になったのか、一刀の名を一文字ずつ呟いていた。



「あ、スミマセン。実は仲郷さんの『真名』なんです、やだなぁ、私ってうっかり口にしちゃった 」


「おいおい、気をつけてくれよ~。まぁ、俺も咄嗟に『玄徳』って言えないけどね。ハハッ 」


「だよねぇ~、あははっ 」



 しまったと言わんばかりに桃香が口に手を当てると、苦笑を交えて一刀は彼女に注意を促す。だが、お互い様かと言わんばかりに二人は軽く笑いあった。



「……ねぇ、あなたたち 」



 朗らかな雰囲気の二人に冷や水をかけるべく、真面目な顔の伯符が真剣な口調で話しかけてきた。そんな彼女に気圧されたのか、二人は笑うのをやめ、真っ直ぐ伯符の顔を見る。



「はい、なんでしょうか 」



 一刀も表情を真面目なものに切り替え、返事をする。突如もたらされた緊張感に、一刀は息を呑んだ。



「ここで会ったのも何かの縁。それにあなた達は妹の恩人でもあるし……。だから、真名を預けたいの。いいかしら? 」


「え……真名を? 」


「真名ですか? うーん…… 」



 伯符の突然の申し出に、二人は戸惑いを覚える。桃香もさることながら、この世界に来て三ヶ月ほど経った一刀も『真名』の神聖性を理解しているからだ。

 

 基本、一刀も余程親しい者以外には、自分の名『一刀』を言わせる事を許しておらず、他の者には自身の事を『仲郷』と呼ばせている。



「……いいですよ、伯符さん。その申し出お受けします。私も真名をあなたに預けます 」


「いいのかい? 玄徳? 」



 少しの沈黙の後、真剣な顔で肯く桃香が肯くと、一刀は心配そうに彼女を見た。第三者がいる時、彼は彼女の事を字の『玄徳』で呼ぶ事を忘れていない。



「うんっ。だってね、死んだお父さんとお母さんが良く私に言ってたの。人との出会いは大切にしなさい。もしかすると二度と会えないかもしれないから、例え一度きりの出会いでも大切にしなさいってね 」


「なるほど、『一期一会』か……判った。伯符さん、俺も玄徳と同じです。だから真名をお預けします 」



 優しく微笑みながら答える桃香の言葉に、一刀は※8日本の茶道由来のことわざを思い出し、それを口にする。そして、伯符の方に向き直り、彼自身も肯定の意を示した。



「ありがとう、二人とも……。私は雪蓮、雪に蓮と書いて雪蓮というの。これから宜しくね、お二人さん 」



 二人に感謝すると、雪蓮は可愛らしい笑みを浮かべて二人に真名を預ける。 



「姉様が真名を名乗った以上、私も名乗らなくてはいけないわね。それに二人は命の恩人だし……。私は蓮華。蓮に華と書いて蓮華よ、宜しくね 」


「お二人が真名を預けたからには、私も真名をお預けします。私の真名は明命ですっ! 明るい命と書いて明命ですっ! 宜しくお願いするのです! 」



 やや、恥ずかしそうに蓮華が、ハキハキとした明るい笑顔で明命がそれぞれ自分の『真名』を二人に預ける。



「それじゃ、私達も真名を預けますね。私は桃香。桃の香りと書いて桃香です。改めて宜しくお願いしますね 」


「俺の真名は一刀。一本の刀と書いて一刀です。桃香と同様、これから宜しくお願いします 」


「「「えっ……? 」」」



 にこやかに笑いながら桃香が、続いて一刀が真名を預けたその時だった。雪蓮も蓮華もそして明命までもが顔を凍りつかせる。特に蓮華の様子が一番酷く、あちらこちらと顔をひくつかせており、何やらブツブツとうわ言を言う有様だった。



「う、嘘……この人が私の夫になるべき男なの? 」



 一刀の顔を凝視して、蓮華が言い放った言葉は一刀、そして桃香に大きな衝撃を与える。

 

 妹の失言に、雪蓮は『勝手にやってなさい』と言わんばかりの呆れ顔になり、明命は雪蓮と蓮華の顔をキョロキョロと交互に見るだけで、自分で判断ができない有様だ。



「そ、それって、どういう意味なんだ!? 俺、君とは今日初めて会ったばかりじゃないか? 」


「あっ、あのっ、夫になるべきって男って、どういう意味なんですか!? 」


「ちょっ、ちょっと待って。それはその……えーと……どう言えば…… 」



 思わず一刀と桃香が蓮華に詰め寄ると、彼女は両手を前に出して何とか宥めようとする。だが、そうしたところで焼け石に水であった。


 二人が一歩迫るたび、蓮華は一歩後ずさる。この三人のやり取りは、まるで喜劇の一幕を見ているようだ。



「んっ……? 」



 『どうしたら良いものか? 』と、明命が考えあぐねていた時だった。彼女の耳がピクンと蠢くと、微かにだが何やら泣き声らしきものが聞こえてくる。



「どうしたの? 明命 」



 明命が目を細めて声が聞こえた方角に顔を向けると、そんな彼女に気付いたのか、雪蓮は声をかけた。一刀達も悶着めいた騒ぎをやめ、明命の方をじっと見る。

 


「何やら泣き声らしきものが聞こえます。どうやら小さい女の子のようです。『お母さん』と微かに聞こえます 」


「あら……何だか穏やかじゃなさそうね。賊の類にやられてなけりゃいいんだけど…… 」

  


 明命の報告に雪蓮は眉根を寄せると、腰の物を抜き放つ。自分が発言した言葉に出てきた『賊』が、仮にその場にいた時の対処としてだ。



「行ってみましょう、行き倒れの可能性も高いですから 」


「あっ、一刀さん。私も行くよっ! 」



 自身の経験を思い出しつつ、そう言うと一刀は明命の向いた方を目掛けて走り出す。無論、一刀も一応護身用に渡されていた剣を抜くのを忘れていなかった。


 桃香も靖王伝家を抜き放つと、可也速い足取りで彼の後を追う。雪蓮たち三人も少し遅れて後を追いかけ始めた。




「これはっ……! 」


「おかあさぁ~~ん! おきてよぉ~~! ふぇええええええん! 」



 一刀達がそこに辿り着くと、若い女性が倒れており、彼女の傍らには小さな女の子が泣き喚いていた。この様子からして、どうやら親子と思われる。

 

 女性は苦悶の表情を浮かべており、全身は汗だくになっていて、息も絶え絶えだった。明命はすぐ彼女に近寄り、そっと抱き起こすと額に手を当て、次に脈を計ってみた。



「どう? 明命 」


「はい、私はお医者ではありませんので判りかねますが、熱があります。早く休ませた方が宜しいかと 」



 心配そうに尋ねる雪蓮に明命がそう答えると、雪蓮は一刀と桃香の方を見る。既に桃香は幼子をそっと抱き寄せており、あやすように頭を撫でていた。



「村に着いたら、先にこの親子を休ませられる場所を提供してくれないかしら? 私達は適当に寝れる場所があればいいから。あ、医者が必要ならお金は私が出すわ 」



 この親子の姿に何か思うところがあったのだろうか。雪蓮は申し訳なさそうな顔で、この親子を助けるよう頼み込み、金が必要なら出すとまで申し出てきた。



「あ、大丈夫ですよ。ウチの村にはその手に詳しい人いますから 」


「その人はお金に無頓着なんです。だけど、その代わりにお酒をおごれば大丈夫ですから 」



 あっけらかんと答える二人に、思わず雪蓮たちは目が点になってしまう。



「え、その程度でいいの? 」


「はい、俺の兄の仲間なんです 」


「ええ、一刀さんのお兄さんの仲間は、皆凄い人達揃いですから 」



 目を点にしたままで、雪蓮が尋ねると、一刀と桃香は少し自慢げに答える。しかし、桃香の言葉を聞いた瞬間。雪蓮の中に突如ある考えが浮かび上がった。



(ふぅ~ん。『凄い人達』ねぇ。言葉通りだったら、ウチに来ないか誘ってみようかしら? 母様も喜ぶと思うし、私としても未来の旦那よりは価値がありそうだわ )



 と、ちゃっかり人材引き抜きを模索していたのだ。自分の身を固めるより、家の力を固める。雪蓮は正に江東の虎の娘であった。



「おぉ~~い! 桃香ぁ~~! 一刀ぉ~~! 」



 いきなり遠くの方から一刀と桃香の耳に聞きなれた声が飛んできた。声のした方を向き、二人は顔を綻ばせる。一心が義弟の義雲と義雷を従えてこっちに向かって来るではないか。



「兄上っ! 仲拡兄上っ! 叔高兄上っ! こっちですっ! 」


「あ、兄さん達~! こっちだよ~! 」


「どうしたどうした? 隣村の揉め事片付けに行った帰りにここを通ってみりゃあ……って、誰だ? このベッピンさん 」


「むっ、これは一体どうした事か? 」


「おいおいおいおい、もしかして行き倒れかよ? 最近良く見かけんなァ 」



 腕を大きく振りながら、一刀と桃香が大声で彼らを呼ぶと、一心達はこちらの方へと一気に駆け寄ってきた。そして、行き倒れの女性と泣きじゃくる幼子を見るや否や、三人とも一気に顔をしかめる。

 

 そして、一刀と桃香はこれまでの事情を三人に説明した。城下町で喧嘩の助太刀に入った事。騒ぎを聞いて駆けつけてきた城下町の衛兵から逃れるべく村に戻る途中でこの親子を見付けた事を。



「なるほど……そういう事かい。それじゃこちらの幼平さんに感謝しねぇといけねぇな。ありがとな、アンタのお陰でこの親子が行き倒れになるのを防ぐ事が出来たぜ 」


「いっ、いえっ! 滅相も御座いませんっ!! 私は、ただ人として当たり前の事をしただけなのですっ! 」



 二人から説明を受けた一心は、明命に頭を下げて感謝の意を示す。それに対し、明命は顔を真っ赤にしてワタワタと慌てふためく有様だ。



「兄者、早速村に戻らなければなりませんな。こちらのご婦人はわしが背負いましょう 」


「そんじゃ、俺はこのベッピンさんの荷物を持ってくぜ 」



 一心の義弟の一人義雲が重々しく口を開くと、彼は軽々と女性を背負う。彼は身の丈九尺を超える大男で、その存在は周囲に無言の威圧感を与えるようであった。

 

 そして、次に同じく義弟の義雷が威勢良く喋りながら、地面に落ちていた彼女の所持品と思われる長い包みを手に取る。すると、布がずれた瞬間、義雷は驚きの声を上げた。



「なぁ、伯想兄者に仲拡兄貴。これって弓じゃねえか! このベッピンさん一体何モンなんだよ!? 」


「やめんか、叔高。余り詮索するものではない。恐らく旅の武芸者かなんかであろう 」


「そうだな、仲拡の言うとおりだぜ? 女の歳と過去は判らねぇ方がイイって、おいらの死んだ親父が良く言ってたもんだ 」



 勘ぐりを入れそうな義雷を諌める義雲と一心。二人に諌められ、彼は『ちぇっ、つまんねえの 』と口を尖らせ、すねる素振りを見せる。その姿は外見に似合わず子供っぽかった。

 

 蓮華と明命はをそんな彼等を怯えた目で見ているが、雪蓮は好奇の目を向けている。この三人に只ならぬものを感じたからだ。



(ふぅ~~ん、これが桃香が言ってた『凄い人達』ね。この雰囲気、本物だわ……。ウチに欲しいわね、この三人。母様も冥琳も、彼等を見たら絶対に欲しがるわ )



 昔から雪蓮は『勘』が良く当たると周囲から言われており、今この三人に対して抱いたものも、実にその『勘』であった。



「うん? おーい、桃香。その子こっちによこしてくれ。それにしても意外だな? 桃香があやしても泣きやまねぇなんざ、はじめて見たぜ 」



 そんな雪蓮の思惑を他所に、一心の視界に未だ泣き止まぬ幼子の姿が映る。桃香が懸命にあやしているが、母親への心配が上回っているのか、泣き止むどころか酷くなる一方だ。


 困りきった顔の彼女は、幼子の手を引き連れ、彼の所に向かう。彼はしゃがみ込むと、幼子に優しく微笑みかけた。



「なぁ、お嬢ちゃん。お嬢ちゃんのお名前は何ていうんだい? 」


「あっ…… 」



 先程まで義弟達と交わしていた荒っぽい声は何処へ言ったのやら、一心の声は実に穏やかで優しいものであった。彼の笑みを見た瞬間、雪蓮は思わず声を出してしまう。



「ひぐっ、えっ、えっ、璃、々、ふえええええん! 」


「そっかぁ、璃々ちゃんかァ。おじちゃんは一心って言うんだ。おっ母さんの事なら安心しな、一心おじちゃんの友達が治してくれるからよ。そしたら、元気で優しいおっ母さんに戻っから、泣くのをやめような? 泣き虫のまんまじゃあ、おっ母さんが元気になれねぇままだぜ? 璃々ちゃんはいい子だ、いい子はメソメソ泣くもんじゃあねぇんだぞ~? 」


「……えっ、えっ、いっしんおじちゃん、璃々、いいこだから、なくのをやめるね 」



 優しく語りかける一心の言葉は、璃々の心を苛んでいた不安を取り払うのに十分な力があった。彼女は泣くのをやめると、一所懸命に涙をぬぐう。


 一心は懐から手拭を出すと、璃々の鼻にそれをあてがい「ほうら、『ちーん』しな 」と言うと、璃々は勢い良く鼻をかんだ。



「よーし、おじちゃんが肩車してやろう! 村に着いたらおじちゃん達と遊ぼうか! これでもおじちゃん村には沢山のお友達がいるんだぜ? 」



 そう言うや否や、一心は璃々に肩車をする。七尺半を超える(約百八十センチ)身の丈の彼は、大男の義弟二人に比べれば低いが、それでも彼の肩車は璃々には物凄く高く感じられた。



「うわぁ…… 」



 璃々の視界が一気に開ける。彼女の前方には炊煙を上げる楼桑村が広がっていた。先程まで涙で濡れていたその瞳は、今は感動にキラキラと光らせている。



「ねぇ、あれがおじちゃんたちのむらなの? 」


「あぁ、『楼桑村』って言うんだ。ここら辺で一番の村さ! 美味しい食べ物もあるし、優しい人たちがいーっぱいいるんだぜ? 」


「ろうろうそん……ろうろうそんかぁ…… 」



 璃々に村の事を聞かれ、それに一心が誇らしげに答えると、璃々は覚えたばかりの村の名を繰り返し呟いていた。



(『一心』ですって? まさか……彼が私の夫になる人? 嘘でしょ? でも……あの人の顔を見ていると胸が熱くなってくる。何故なのよッ!? )



 先程の一心と璃々のやり取りを聞いていたのは、何も当人同士だけではない。周囲に居たもの全てが聞いていたのだ。


 無論、一刀達はそれを微笑ましく見ていたのだが、夢のお告げで『『思い』と『心』を持った者が自分の夫となる』と言われた雪蓮にとってみれば只事ではない。


 雪蓮は自分の胸が熱くなる理由が判らなかった。しかし、彼女は別世界の劉備こと一心の最大の武器である『赤心の笑み』を見てしまう。


 それは急激に彼女の心の奥底に入り込み、突然彼女は彼の虜になってしまったのだ。



「蓮華様、いかがなされましたか? 」


「なっ、何でもないわ…… 」



 蓮華の隣に控えていた明命であったが、ふと蓮華の様子がおかしいことに気付く。気になり彼女を窺うが、言葉とは裏腹に蓮華は涙をぬぐっていた。



「泣いているではありませんか、どこかお体の具合でも悪いのですか? 」


「ちっ、違うの……。あの男の人が小さい子を肩車しているのを見ていると、今は亡き父様を思い出しちゃったのよ。どこか雰囲気が似ていたから……ごめんね、明命。心配させちゃって…… 」


「蓮華様…… 」



 璃々を肩車する一心の姿に、蓮華は亡き父を想い涙を流す。それは明命の心を激しく打った。自分の主君たる孫堅は、末娘である尚香を出産した直後に夫を喪っている。


 それ以来彼女は亡夫に操を立て、男を近づけないようにしてきた。夫に代わり孫家をまとめなければならなくなった彼女は、まともに親として接する時間が無かったのではないのだろうか?


 そこまで考え、ふと明命は思い返す。お仕えする雪蓮様や蓮華様達に比べ、自分の両親はまだ健在だ。この前やっと十五歳になったものの、それまで自分は結構親不孝をしていたのではないのだろうか?



(そうだ……長沙に戻る前に何かお土産を買っていくのです! そして、父様と母様にうんと親孝行するのですっ! )



 そう決めると、明命は両手を合わせてにっこり笑い、今は遠く離れた長沙に居る父母に思いを馳せるのであった。



「ねぇ……ちょっといいかしら? 」


「うん? 何か用かい、お嬢さん? 」



 心の中で暴れる動揺を無理やり押さえつけて無表情を装うと、雪蓮は一心に近づき声をかける。一心は飄々とした風だった。


 一方、璃々は泣き疲れてしまったのか、肩車されたまま一心の頭にもたれかかり、すやすやと寝息を立てている。



「あなたって子供をあやすのが上手いのね 」


「まぁな。昔取った何とやらって奴よ 」



 短く言葉を交わしたのみで、二人が無言で村への道を歩き出すと、残った全員が二人と距離を取りその後を追う。そして、再び雪蓮が口を開いた。



「私達の事、弟さん達から聞いたでしょ? 」


「ああ、伯符さんと仲謀さん、そして幼平さんは長沙から来たんだろ? 」


「ええ……『真名』も預けたわ 」



 すると、一心の片眉がぴくりと動いた。



「なるほど、あいつ等はあんた達を認めたってぇ事か。で、もしかしておいら達にもそうして欲しいのかい? 」


「だとすれば……どうする? 」



 そう言って、雪蓮は悪戯っぽく魅力的に笑ってみせる。一心はうなる素振りをしてみせると、諦めたかのような顔になりため息を盛大についた。



「はぁ~~~~~~。判った、判ったよ。今のあんたはおいらから無理にでも『真名』を聞き出そうって魂胆が丸見えだ。まぁ、弟と妹が世話になったし、あんたは悪い人でもなさそうだからな。いいぜ、あんたに預けるさ。おいらの『真名』をよ 」


「フフッ、あ・り・が・と・う♪ それじゃ私から先に言うわね。私の姓は孫、名は策、字は伯符。そして……真名は『雪蓮』。雪の蓮と書いて雪蓮よ 」



 一心は苦笑いで降参の意を示し、雪蓮は笑みを浮かべたまま一心に真名を預ける。



「次はおいらだな。オッホン! 私の姓は劉、名は思、字は伯想。真名は『一心』。一つの心と書いて一心だ。宜しく頼む、雪蓮 」



 軽く咳払いをすると、一心は『劉備』の口調で雪蓮に真名を預けた。すると、どうだろう。雪蓮の顔がみるみる赤くなっているではないか。驚愕の余り彼女は目を大きく見開き、口は半開きになっている。


 

「どうしたのだ? 雪蓮? 」

 


 真面目な顔と口調はそのままで、一心は雪蓮の名を呼んだ。



「べっ、別に何でもないわっ! いきなり真面目振られたから驚いちゃっただけよっ! 」


「へぇへぇ、左様ですかい。そりゃあ、あっしが悪うござんしたねぇ 」



 雪蓮が慌てながらそう答えると、一心はわざとらしくおどける素振りを見せる。その後二人は村に着くまで、今度こそ何も喋らなかった。



(はぁ~~、前の世界じゃ孫家でいい思い出なんざぁ一つもねぇのに、まさかこちらでも孫家の連中に出くわして、しかも真名を交換しちまうだなんて、つくづくおいらは孫家と縁があるみてぇだなぁ )


(矢張り……夢のお告げに出てきた男とは彼の事だったのね。でも、急すぎるし、第一出来過ぎよ。まずは彼と言う人物をもっと詳しく調べないと駄目。だけど、何故だろ? 彼の事が気になってしようがない! まさか、これが『恋』だというの!? )



 一心は孫家との腐れ縁がまだ続いていた事に、雪蓮は突如芽生えた恋心への戸惑いと、二人の胸中ではそれぞれ複雑なものが渦巻いていた。




※1:漢の武帝によって制定された郷挙里選(きょうきょりせん)と呼ばれた官吏任用法の一科目。郷挙里選とは、地方の有力者や地方の官が地元の優秀な人材を官吏として推挙する事である。


 特に考廉は対象者の選抜項目の中で重要視されており、父母に対する孝順さと物事に対する廉正さを見られた事から、考廉と呼ばれた。


 元は地方から優秀な人材を取る為の手段で、儒教的教養と素行を持った人物が推挙されたが、後に権力者や地方豪族の子弟が優遇視されるようになると形骸化されてしまった。



※2:漢の三傑の一人で、相国(しょうこく)(総理大臣に相当する役職)を務めた蕭何(しょうか)の部下。蕭何の後を引き継ぎ二代目の相国に就任した。



※3:曹騰の役職は大長秋(だいちょうしゅう)。大長秋とは皇后の侍従長を指し、宦官の最高位で且つ十常侍で有名になった『中常侍』より上の役職。中常侍は皇帝の傍に常に控えており、取次ぎ役を任されていた。


 前漢時代は民間出身者も大長秋に任命されたが、後漢の開祖光武帝が宦官のみがなれる役職に制定した。宦官は養子を迎えて家を継がせる事ができた。



※4:朝廷における三つの重要な役職。司徒(総理大臣)、司空(官房長官)、大尉(防衛大臣)。括弧内の例えは簡単に判り易くしたもの。



※5:洛陽の北門の警備隊長に相当する役職。当時、曹操は厳しい態度を以ってこの任に臨んでおり、禁を破った者に対しては、身分の貴賎を問わず厳罰を処していた。


※6:冀州頓丘県の知事。


※7:光禄勲(こうろくくん)の属官の一つ。宮門の守衛を管轄しており、皇帝の巡幸の際には車騎に搭乗した。


※8:元は千利休の茶会における筆頭の心得。『茶会に臨む際は、その機会を一生に一度のものと心得て、主客共に互いに誠意を尽くせ』が由来。


 利休の高弟山上宗二の著書に記載されていた『一生に一期の会』の一文から、後年大老井伊直弼が自分の著書で世間に広めた。



  毎回ながら、ここまで読んでくださり、誠に感謝いたします。


 後書きの最初の一文をテンプレっぽくしてあるのは、初心を忘れない為、読んでくださった方に最大限の感謝を送りたいが為です。


 さて、今回は前回ちょん切った分に肉付けをする方式だったのですが、毎度の如く梃子摺りました。タイトルの『情』は『じょう』とでも『なさけ』とどちらでも読んで構いません。


 中々イイのが決まらず、本編部分で様々な情を掛け合う描写をした積りなので、一層の事シンプルに『情』で行こうかと思った次第です。



 特に書いている内に、言葉の意味を忘れてしまったりする事が多いので、そのたびに辞書やネットで調べたりするものですから、途中下車回数のなんと多い事やら……。


 後漢時代の官位もそうでした。矢張り書く以上はそれなりに知っておかないと、自分が恥をかくだけでなく、読んでくださる方にも失礼だと思ったからです。


 前書きにもありましたが、今回は説明文だらけです。私も今回初めて知った事が大半でしたので、余り詳しくない方でも安心して読めるようにその都度説明を入れました。


 そして、三国志で劉備といえば関羽と張飛の存在を忘れてはいけません! ですから、照烈異聞録版の関羽と張飛である義雲と義雷を今回出そうと決めていました。雰囲気出ていたでしょうか?(汗


 そして、雪蓮と劉備こと一心の出会い。前の世界じゃ末妹娶った彼ですが、こちらでは長女。どんなお話を描こうか? そう考えるだけで心がウキウキしてきます。


 雪蓮とつりあう様にする為、一心達義兄弟三人は桃園の誓い当時位まで若返らせております。実はこれ、構想時に既に考えていました。


 黄忠こと永盛さん以外は、全員青年期まで若返っていると思ってください。


 原作ではハーレム伝説築いた一刀ですが、この作品では……北の字だけにオイシイ思いはさせてやらんっ! と言うのが本音です。(苦笑


 さて、次回辺りから少しずつお話の展開を動かそうと思っております。まだ愛紗も鈴々も出してないしなァ~~。出すタイミングどうしましょ?(汗


 六話目にはまだ取り掛かっておりません! 今晩からまた睨めっこだなぁ~~(汗


 それでは、また! 不識庵・裏でした~

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