本当にあったギャラクシーな話7 河川敷の音楽
本当にあったギャラクシーな話 河川敷の音楽
暑い夏が終わろうかという頃のことだった
日が落ちてきて空がオレンジに染まり始めた時間。河原の土手に柔らかな中低音域の金管楽器の音色が響きわたる。楽曲は美月が小学校の歌本に載っていて好きだった曲だ。翼をください。懐かしくなって軽く口ずさみながら土手べりの道を歩いてゆく。少し歩くと土手に立つ小木の影で金管楽器を吹く学生服姿の少女を見かけた。爽やかな風が美月の髪を撫でる。軽くとちって、演奏が止まった瞬間に少女と目が合う。互いに会釈してどちらからともなく声をかける。
「うるさくはないですか」
「全然。お上手ですね、部活動の自主練ですか?」
「そんな所です。そろそろ来る頃だと思うんですが」
そう言って再び楽器を構える。再びゆったりとした温かい音色が周囲を包む。演奏に合わせて美月がハミングを重ねる。
空に浮かび上がった一番星がキラキラと煌めく。楽曲はサビに入り一段高音の伸びのよい音が空に向けて広がる。
一番星に変化があった。プルプルっと震えると高速で直線と直角を繰り返して動き出す。やがて2人の頭上で静止した。
「なになに、なんなのよ」
唐突な体験に混乱する。
「今日こそ来てくれたのね?」
少女の方はまるで待ちわびたというふうに感動の涙さえ流して再び演奏を始める。
頭上の一番星が強く輝く。いや、大きくなる。まるで星が近付いて来たかのように大きく大きくなっていく。
「来た」
演奏の終了とともに少女が声を上げる。
日が落ちて暗くなり始めた土手が一瞬真っ白な閃光に包まれる。
眩しさに目を閉じてしまった美月だったが、再び目を開くと眼前に巨大な球体が浮かんでいた。一軒家ほどの金属の球体である。 よく見ると各所から光を放っており,着陸脚と思われる部位も見られる。
乗り物?
美月があっけにとられていると、少女が冷静に
「呼びかけに応えて来てくれたのよ
この楽器はユーフォー二アムって言うの。UFOを近くに呼べるのよ」
「ユーフォニアムじゃなくって?」
「そう。紛らわしいけど、ユーフォーニアムです」
UFOニアム。。。知らない楽器だわ。いや、知らなくてよかった楽器だわ」
「私はもう行かなくちゃ」
「この楽器は部室に返してから行くわ。またいつか誰かの役に立つときがきっと来るから」
「それじゃあまたね。さっきの曲はヒッチハイクを頼むときの曲なのよ」
「フエラム星まで頼めるかしら」少女が球体にお願いするように言うと、球体は着陸脚を伸ばして、ゆっくりと河川敷に降り立ってタラップを下ろし、入り口を開く。
交渉は成立したようだ。少女が乗り込むと入り口は閉じ、着陸脚も引き込んでふわりと浮かび出す。
「さようなら。演奏を聴いてくれてありがとう」
そう言い残してUFOは去っていった。ちいさな光の軌跡が尾を引いて飛び去っていく。空を見上げると、夕焼けの熱がお
さまった空に本当の一番星がただ静かに輝いていた。
UFO niar ム ユーフォーニアム。ムってなんだ。それは謎のまま。
楽器を練習しているのが書きたかっただけ。
評価をお願いします。お願いします。。。




