涙━yoshika━
「みてみん」や「なろう」で仲良くして頂いている「緋花李様」に「月さえ眠る夜に」の桜イメージイラストを描いて頂きました(*^^)v
本編とは関係ないのですが、桜の花弁と穏やかな二人がとても素敵です。
「緋花李様」本当に、ありがとうございました~!
一人、部屋で寝転ぶ。
返信は期待に反して、哀しい言葉を運んだ。
━今は会えない… 会いたくない。━
その言葉が、また胸を締め付ける。
頭では理解しているのに、心は晴れない。哀しい…。
救いは彼がその意味を気にかけてくれたという事だろうか。普通、見ず知らずの人間に「会いたい」といわれて「はい、いいですよ」という人はいない。居たとしても極僅かではないかと思う。
彼は、良佳が思っていたよりも「真面目」で「誠実」な人なのかも知れない。そう思えば希望が持てた。
嫌われたんじゃない…。
今はそれだけでいい。
それに彼は「今は…」と言ってくれた。これは今後会いたいと思う可能性もあるという事。
それなら、今はメールだけでいい。メールがいい。
「…メールはしてもいいのかな?」
不意に気がつく。
「会えない」とは言われたが、真意を問いてくれている辺りメールは続けてもいいのだろうか。
もしもメールまで拒絶されたら、自分はどうすればいいのだろう…。
またも不安と恐怖に駆られる。答を聞くのが怖い。でも、このままではいけない。
(メール、返さなきゃ…意味を尋ねられてるんだし…)
重い気持ちを引きずったまま、返信ボタンを押す。
画面が切り替わり、そこには滲む「白」が見えた。画面に水滴が落ちる。
「なに?…何で?」
自分でも分からない思いが涙になって白い画面を滲ませ、またその手を濡らしていく…。
そこで初めて自分が泣いている事に気がついた。泣きたかった訳じゃない。泣くつもりなんかない。
何で泣いてるのかも自分じゃ分からなかった。それなのに…。
「こんなの…可笑しいよ…」
拒絶されたら、返信が返って来なくなったら…そう思うと、また目頭が熱くなる。怖い。ただ一人の顔も知らない「彼」に嫌われることが怖かった。
袖口で涙を拭うと、一つ、また一つ深く深呼吸を繰り返す。
こんな風に言ったら、彼は呆れるだろう…きっと見放される…。そう感じながら、良佳は今の気持ちを素直に吐露する事に決めた。
どうせ顔も知らない、今後関わるかも分からない「相手」なら最初から遠慮はしない。
等身大を曝け出して、その上で判断して欲しいと思った。後悔はしたくないから。
(この「怖い」気持ちも、全部…)
良佳はメールを打つ。
その手には強い意志があり、色んな思いがある。
上手く伝わらなくても良い…この思いが、この言葉が彼に届くならそれでいい。
この痛みが何なのか、それはまだ分からないけれど…。
全てを込めて、良佳は「送信」ボタンを押した。
5日ぶりの更新です。
今後は定期的に更新できるようにしたいと思います^^
4月に入り気持ち新たに頑張りますので、今後とも宜しくお願いします☆