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始まり━misumi━


皆、死んじまえ。


3学期の始まった1月。とにかく寒い。

彼は職員室を後にする。手には進路希望調査の紙と、日直日誌。

本来なら日直の仕事である「先生の手伝い(おつかい)」は、何故だか分からないが彼の手に委ねられていた。

(ふざけんな。暇なやつにでもやらせとけよ)

あくまで顔はにこやかに他者への挨拶を済ませ、その一方で毒を吐く。

彼の心は歪んでいた。


崎本 深澄(さきもと みすみ)」17歳の冬。

頭脳明晰、才色兼備。彼の肩書はいつもそれらで彩られる。

家庭環境は良好。内科医と、精神科医の息子で、先生や生徒を含む周囲からの信頼厚い青少年。

望めば殆どのモノが与えられ、望まずとも彼には全てが与えられていた。

そうした環境が、彼の心に歪みを生む。人を蔑み、信じず、彼の心は常に孤独を求めた。

彼にとっては「孤独」こそが、「安らぎ」のようで、孤独の中にこそ「自分」を見つけられる。そう思っていた。


ふと何かに気づいて足を止め、廊下の窓から空を見上げる。

「寒いな」

ぽつりと呟く。勿論、そこに応えは求めていない。

「雪に・・・なりそうだ」

「積もらなければ・・いいな」

興味も薄そうにそう呟くと、仕方なく持たされた書類を抱え直し、教室へと向かった。

良佳と深澄。

二人はまだお互いを知りません。

この先、どのように変わっていくのか・・・見守って下さい。

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