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やっと、投稿できました。


いつものご都合主義満載だと思います!

宜しくお願いします!


年齢を調整しました。

フレデリックはクリスティナと同じ年齢で、マリーアンヌは1つ年下にしました。

クリスティナ·サージス。彼女は由緒ある侯爵家の令嬢でこの国の王太子であるフレデリック·ヴァン·ルーディーンとその妹マリーアンヌ王女のいとこである。

15歳で学園へ入学してから、ティナ(クリスティナ)アンヌ(マリーアンヌ)と過ごすことが増えた。


「ねえ、ティナ…」

「何です、アンヌ様?」


ある日、昼食へ向う際にアンヌはティナに声をかけた。


「ほら、またよ…?」

「ええ…そのようですね…。」


ふたりの視線の先にはティナの婚約者であるアロイス·リストス公爵子息がいた。彼は平然と学園へ編入してきたばかりの男爵令嬢と腕を組んで歩いている。

この光景は彼女が編入してきてから毎日なのだ。令嬢の名前はセシリア·パーマー。男爵家の後妻の連子である。


「アロイスも何を考えているのかしら?ティナという素晴らしい婚約者がいるのに…」


アロイスは公爵家にやっと誕生した男児であり、公爵夫妻や姉にとびきり甘やかされて育ってしまったのだ。


「ティナの婚約者がアロイスでなくお兄様ならよかったのに…」


アンヌの小声の呟きはティナには届かなかった。

何故なら彼女はアロイスを冷めた目で見ていたからだ。


「アンヌ様、どうされました?参りましょう?」

「ええ、そうね。フレッド(フレデリック)お兄様も待っていると…」

「クリスティナ嬢、アンヌ今日は遅いから迎えに来てしまったよ。」


ふたりの元にフレッドがやってきた。


「あら?フレッドお兄様、そんなに遅かったかしら?」

「フレデリック様、お待たせして申し訳ありませんでした…。」

「何かあったのかい?」

「そう!お兄様、聞いてくださいませ!また、アロイスがっ…」

「アンヌ様、昼食の時間がなくなってしまいますわ。フレデリック様、参りましょう?」


アンヌの言葉を遮って、ティナは昼食へ向うことを促し、三人で楽しく昼食を摂った。


ー·ー·ー·ー·ー·ー·ー


ある日。


「クリスティナ!」

「アロイス様、どうされたのですか?」


教室に急にアロイスが入ってきた。


「姉上が君を呼んでいるので、放課後一緒に来てくれ!馬車乗り場で待ち合わせで。いいね?」


用件だけ言って去っていくアロイスに彼女の気持ちが落ち込む。

彼はいつも相手の話を全く聞かないで言いたいことだけ言って去ってしまうのだ。


ー放課後ー


「アロイス様、お待たせして申し訳ありません。」

「遅いぞ。」

「申し訳…」

「君は謝ってばかりだな。まあ、いい。行くぞ?」

「はい。」


公爵家に到着し、子離れできない公爵夫人とブラコンを拗らせた姉が出迎える場面から()()が始まる。


「「アロイス!お帰りなさい!」」

「母上、姉上ただいま戻りました。」

「「クリスティナ、今日も辛気臭いわね?

どうしてこんな子が、私のカワイイ息子(弟)の婚約者なの?」」


ティナに対する開口一番がこれである。

こんな嫌味はいつものことだ。流すこともできる。


「公爵夫人、お義姉様、ご機嫌麗しく。」


ティナの見事なカーテシーに「本当につまらないわ!」とアロイスを引っ張って先に屋敷へ入る。


「ねえお母様、アロイス、私お嫁に行くの嫌になってきたわ…

どうして私がお嫁にいかなくてはならないの?」


このアロイス姉はかなりの猫かぶりで隣国の次期公爵と婚約しているのだ。


「仕方がないわ。あちらから望まれているのだから。」

「母上の言うとおりですよ、姉上。」


三人の視線がティナに向く。


「私ではなく、クリスティナが隣国へ嫁いだらいいのよ…」


ほぼ毎回この話ばかり。

ティナに対する嫌味なのだろうが、彼女には全く効いていない。だがこの三人の会話を聞かされる身にもなってほしい。と常に思っていた。


「貴女は選ばれた人間なの。クリスティナ()()()とは違うわ?」

「そうよね!私は選ばれたんだもの!クリスティナ()()()に辛気臭い女とは違うものね!」


アロイス姉は息を吹き返したようにその後、嫌味を言い続け満足したのかお茶会はお開きになった。


ー·ー·ー·ー·ー·ー·ー


2学年に上がり、ティナにとって年に何度か訪れる面倒な()()をする日がやってきた。

アロイスと対峙しなくてはならないのだ。

しかし、これは彼にしか頼めないからと諦め教室を訪ね、ティナは声をかけた。


「アロイス様、今、宜しいでしょうか?」

「どうした?」

「来週にありますマリーアンヌ殿下の誕生パーティなのですが…」

「ああ、すまないがエスコートはできないんだ。」

「理由をお伺いしても…?」


彼女には断る理由がわかっていた。


「セシリアがエスコートしてくれる人がいないからと、俺に頼んできたのだ。彼女はまだまだ貴族社会には馴染めていないからな。君は兄君に頼めばいいだろう?」


やはりですか…。と思いながら、ティナはアロイスへ向けて「わかりましたわ。それでは。」と自身の教室へ戻っていった。


「はあ…」

「クリスティナ嬢?」

「あ…フレデリック様、ご機嫌よう。」

「元気がないが?」

「いいえ、そんなことはございませんよ?

それよりもアンヌ様はご一緒ではありませんの?」

「昨日からジェイスが来ているから、学園は休んだんだ。」


ジェイスとはアンヌの婚約者である。


「昨年はトラブルで誕生パーティ当日にお越しになれなかったですから、早めに来られたのですか?」

「ああ。こちらも、先に来るのは大歓迎だと伝えていたんだ。そういえば、ジェイスがクリスティナ嬢に会いたがっていたよ?」

「そうなのですか?」

「君に頼まれた本を持ってきた。と言っていた。」

「昨年お会いした際にあちらの国の作家の本が気に入っているとお話ししたんです。」

「なるほどね。それってあの女性作家の?」

「そうです。アンヌ様からお話を聞いていて、読み始めたらすっかりファンになってしまって。」

「はは。君は昔から一度ハマると楽しそうにしているね。」

「そうでしょうか?でもそれなら、フレデリック様も昔から剣を振っているときは楽しそうですよ?」

「そうかな?」

「そうですわ。」

「君に言われると嬉しいな。まだまだ研鑽を積まないとな。」

「ふふ。では、ジェイス殿下にご都合を…」

「今日、俺と一緒に城へ向うのはどうだ?」

「えっ!?」 


驚くティナにフレッドは「ね、決まり。」と言って席へ戻ってしまった。

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