第十二話「強盗犯から救い出せ!」
7月22日。曇り。
僕、姫様、笑梨香ちゃんは今日はサクラデパートに買い物に来ている。
そしてお昼ご飯にたこ焼きを食べている。
「たこ焼きうまっ!!やっぱ好きだー!」
「おいちい〜!!」
「喜んでる2人が本当に嬉しさが伝わるからなんか、嬉しく感じる!」
笑梨香ちゃんに言われて僕と姫様は少し照れる。
そして笑梨香ちゃんが財布の中を確認してから
「あ、ちょっと銀行に行ってお金おろしてくるね。このあともたくさん買うだろうから。」
「うん!買う!」
「また、僕が荷物持ちか。」
僕は少し呆れた顔をしてたこ焼きを頬張った。
それを背に笑梨香ちゃんはサクラデパートの前のサクラ銀行へ向かって出ていく。
しばらくしても笑梨香ちゃんが帰ってこなかった。
「…遅いな。連絡取るか。」
そしてスマホを取り出して電話をかける。しかし、電源が切れているというのが返ってきた。
「んー?いや、朝充電してたから切れるわけないし…。切った?なんで?なんのため?」
「行ってみれば分かるんじゃない?」
姫様にそう言われて僕と姫様は行くことにした。行こうとしたが、シャッターが閉まっている。
「え。来る前は開いてたよな?」
「うん。何かあったのかな。」
その頃、笑梨香ちゃんはこのシャッターの向こうで人質として目隠しをされ手を縛られていた。他にも人質はいたが、犯人はマスクを被っていた。
…そして僕らはというと
「許せない。笑梨香お姉ちゃんを閉じ込めるなんて!お昼からの楽しい買い物をするんだ…!」
姫様はそう言って銀行の横の路地から裏へと進んだ。それに続いて僕はついていく。
「でも、どうやって中に入るんだよ。」
「ここ。」
裏の非常階段だ。ここから登っていけば…。
登ったはいいものの、ドアには鍵がかかっていた。
「ダメじゃねぇか。」
「ナイト!お願い!笑梨香お姉ちゃんのため!」
「って言っても…、蹴って開くもんじゃないだろうし…な!」
思い切りドアを蹴ると勢いよく外れて開いた。それと同時に1階に居た犯人が気づいた。
「大きい音立てちまったから、気づかれて来る気しかしないんだけど、姫様、どうするよ?」
「んー、ここの部屋に隠れよ!」
そう言って入口近く…ではなく、入口より少し離れた部屋に入った。
「誰だ?!どこにいる?!…ドアを破られてる…。この部屋か!」
犯人は入口に近い部屋のドアを開けた。
しかし、中は倉庫。
「…どっかに隠れてんのか…?」
その人は中へと入っていった。
「…あの一人だけならなんとかできるんじゃない?」
姫様が僕の肩から顔を出してそう言った。
「そうだね、あの一人だけならだけど、ここまでの計画を一人で出来るとは思えないけど。とりあえず、下に行ってみようか。」
颯爽に走って階段を駆け下りる。
「ぁ!」
「しっ。」
姫様が声を出しかけて僕がなんとか止める。
そこには人質たちがいてその中に笑梨香ちゃんがいた。
「…他に人は…いなさそう?」
「うん、見た感じいなさそうだよ。」
よし、助けようというかのように途中の階段から僕は一気に1階へ飛び降りる。
「え、ナイトカッコイイ、けど早い。」
不満そうにしてる姫様を背に笑梨香ちゃんや人質を解放していく。
「よし、これで…。」
「ナイトー!」
振り返るとなんと2階に姫様を人質にしているさっきの強盗犯がいた。
「よくもやってくれたな。この子を返して欲しいなら…。」
「えいっ!」
姫様が思い切り体をぶらつかせて勢いよく金的に命中して強盗犯はその場に苦しそうに倒れ込んだ。
「くぁ、覚えてろ…!!」
強盗犯はどこかへ逃げてしまった。
だが、無事に僕らは生きることが出来た。しかし、
「事情聴取で買い物する時間なくなったじゃん!!」
姫様は不満でいっぱいだった。




