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5 オカルト研究会はまだ続いている
その紳士クンを見て、華子が残念そうな顔で口を挟む。
「それは残念です。せっかく今日は、
我がオカルト研究会の活動にお誘いしようと思いましたのに・・・・・・」
「まだその会は続いとったんかいな?
どうせロクに活動もしてへんのやから、さっさと解散しぃや」
呆れた顔でそう言う笑美に、華子は食ってかかるように言い返す。
「失礼な!私は真剣にこの活動に取り組んでいるんです!
その為には入念な準備が必要不可欠!
私がやりたいのは、
薄っぺらな好奇心からくる心霊スポットめぐりなどではありません!
私は心の底から人知を超えた存在と遭遇し、この目で確かめてみたいのです!」
「そういうのを好奇心って言うのとちゃうのん?」
「違います!これは崇高なる志を持った、未知なる存在の探求です!」
「はいはい、で、今回はどんな悪だくみをしてるんや?」
笑美の半分小馬鹿にしたような言葉に華子はいささかムッとしながらも、
目の前の二人に顔を近づけて声を潜めた。




