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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅲ  作者: 椎家 友妻
第四話 紳士クンと二人の占い師 後編
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12 凄い能力があるから幸せという訳ではないらしい

 「そ、そうなんだ。

お姉さんとはタイプが違うけど、

水落衣さんも凄くたくましい志を持っているんだね」

 「そんな大層なものじゃありません。

私は純粋に、誰ともかかわりたくないだけなんです。

人の未来が視える能力なんて、本当にロクなものじゃありませんから。

人には大概気味悪がられるし、

逆に私の力をお金儲けに利用しようと考える人も居るし、

不幸な未来を視ようものなら、

それが私のせいだと怒りだす人すら居るし・・・・・

本当にこんな能力、ない方がいいんです。

むしろ私なんか、最初からこの世に生まれない方がよかったんですよ・・・・・・」

 「そ、そうかなぁ?」

 「そうです、きっと」

 静かに、しかし力強く水落衣は言った。

その言葉に紳士クンは言葉を続ける事が出来ずに黙り込んだ。

 そしてしばらくの沈黙の後、紳士クンは呟くように口を開いた。

 「水落衣さんのお姉さんは、

水落衣さんと一緒に占いのお仕事をしたいって言ってたよ?

自分が生まれ持った能力を活かして生活していくって、

決して悪い事じゃないと思うけど?」

 しかし紳士クンの言葉に水落衣は首を横に振ってこう返す。

 「いえ、私は悪い事だと思います。

ただでさえ人を不幸にするこの力をお金儲けの為に使うなんて、

姉様が許しても神様がお許しになるはずがありません」

 「う~ん・・・・・・」

 (水落衣さんは、自分の力が悪いものでしかないと思い込んでるんだ・・・・・・)



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