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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅲ  作者: 椎家 友妻
第三話 紳士クンと二人の占い師 
71/110

21 占い師の妹

「あの、孔田野さんはさっき、

私達(、)に理不尽な能力を与えられたって言ってましたよね?

達っていう事は、孔田野さんの他にも、

同じ能力を持っている人が身近に居るんですか?」

 すると香子は腕組みをしながら深くため息をついて言った。

 「そうよ、この学園に通っている私の妹がね。

しかもこの子は他人の過去しか視えない私と違って、

他人の未来を視る事ができる本物の占い師、いや、予言者と言ってもいいわね」

 「そ、そんなに凄い能力を持った妹さんが居るんですか」

 香子の力をまざまざと体感した紳士クンは、

その妹もきっと本当に未来を見通す能力があるのだろうと信じない訳にはいかなかった。

そして目を丸くしながらこう続ける。

 「そ、それじゃあその妹さんも一緒に、この館で占いをしたりするんですか?」

 しかし香子は残念そうに首を横に振ってこう返す。

 「いいえ、あの子はここで誰かの未来を視たりはしないの。

実は小さい頃、仲良くしていた友達と目が合った時、

その子が大怪我をする未来が視えたらしくてね。

その子は数日後、家の階段から落ちて本当に大怪我をしちゃったのよ。

その事があって以来、妹は人と目を合わせる事をすっかり怖がるようになっちゃって、

それと同時に、友達も作らずに一人で居るようになったの」

 「そ、そうだったんですか・・・・・・」

 「私としては何とかそのトラウマを克服して、

私と一緒に占いの仕事をしたいんだけどね。

他人の過去が視える私と、他人の未来が視える妹が組めば、

天下無敵の占いができるじゃない?」

 「確かに、百発百中の占いができるでしょうね。

だけど小さい頃にそんな辛い体験をしたんじゃ、

立ち直るのはなかなか難しいんじゃないですか?」

 「そうなのよねぇ・・・・・・」

 香子はそう呟くと、改めて深いため息をつく。

そして何かを思いついたように目をパッチリと開き、

紳士クンの目をマジマジと覗きこんだ。



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