7 紳士クンは撫子のフォロー役
撫子に連れられてやって来たのは、校舎一階の資料室より更に奥に行った所にある、
小さな間口の一室だった。
外から見た感じは他の教室と何ら変わらないが、
その扉に『占いの館』と書かれたプレートが素っ気なくかけられている。
「こ、こんな所に占いの館があったんだね・・・・・・」
扉のプレートを眺めながら、紳士クンは傍らの撫子に言った。
それに対して撫子は腰に両手をあてて答える。
「そうよ。前々から来たいとは思ってたんだけど、
何か身も蓋もない事をズバッと言われるとかいう噂だったから、
イマイチ足が向かなかったのよね。
静香さんを誘っても断られちゃったし、
日鳥希里は何か気分的に誘いたくないし、
結局あんたしか誘える相手が居なかったのよ」
「そ、そうなんだ。一人で来ようとは、思わなかったの?」
「そ、それは・・・・・・思わなくもないような事はないけど・・・・・・」
「つまり一人で来るのは心細かったんだね・・・・・・?」
「そ、そうよ!悪かったわね!
だって歯にきぬ着せぬ物言いでズバズバ言われたら立ち直れないかもしれないでしょ!
そうならないようにあんたは逐一私をフォローするのよ!」
「な、何か責任重大だなぁ・・・・・・」
「そうよ!でも安心なさい!
あんたがズバズバ言われても、私がちゃんと慰めてあげるから!」
「はぁ・・・・・・」
などと言い合っていると、占いの館の扉がガチャッと開き、
そこから一人の人物が姿を現した。




