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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅲ  作者: 椎家 友妻
第三話 紳士クンと二人の占い師 
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4 男の友情は距離感が大事

まさか同じ男である紳士クンに胸キュンしてしまい、

恥ずかしさのあまりその場に居られなくなってしまったとはとても言えない令太は、

ぶっきらぼうな口調でこう返す。

 「だ・・・・・・大事な用事を思い出したんだよ!

だから昨日はああするしかなかったんだ!

悪かったよ!文句があるならいくらでも言ってくれ!」

 「い、いや、文句なんかないよ。用事があったなら仕方ないし。

ただ、僕が何か令太クンの気を悪くするような事をしちゃったのかなと、

それが心配だったんだ」

 紳士クンがそう言うと、令太はズイッと紳士クンに詰め寄って言った。

 「それはない、絶対にない。だからそんな的外れな心配はしなくていい」

 「そ、そう?なら、いいけど。その事をずっと心配してたから、ちょっと安心したよ」

 そう言って紳士クンはニコッと笑った。

するとそれを間近に見た令太は

 「うぐっ・・・・・・」

 と声を上げて後ずさり、紳士クンに背を向けてこう言った。

 「と、とにかくそういう事だから、昨日の事は気にしなくていいからな!

あと、俺はこんな性格だから、特定の誰かとベタベタ仲良くするとかできねぇんだ。

だからお前とも、学園で他の女子同士がするみたいにベタベタと仲良くはしねぇ!

かと言ってそれでお前の事を嫌ってるとかじゃねぇから!

そこんとこだけは分かっていてくれよ⁉」

 「う、うん、わかったよ」

 紳士クンがそう言って頷くと、

令太は「よし!」と一人納得し、そのまま早足で去って行った。

その後ろ姿を眺め、紳士クンは苦笑いを浮かべながらも、

前向きな気持ちになっていた。

 (女の子同士の友情より、男同士の友情の方が、距離感に気を遣うのかもしれない。

でも、嫌われているみたいじゃないし、少しは仲良くなれたと思ってもいいのかな?)



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