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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅲ  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンと令太クン
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19 やっと気付く

 「え?どうしたの?」

 何の屈託もない表情で聞き返す紳士クンに、

令太は屈託まみれの顔でこう問いかけた。

 「お前、さっきから言う事も行動も女でしかないんだけど、

いつもそんな感じなのか?」

 「え・・・・・・」

 令太に言われて初めて気がついたという様子の紳士クンは、

目を点にしてそのまま凝り固まった。

そしてさっきの自分の振舞いをひとつひとつ丁寧に振り返ってみる。

すると、次の様な結論に至った。

 (今日の僕、女の子でしかない!)

 ちなみに今日の紳士クンのお出かけのスローガンは

『格好は女の子だけど、中身は男らしく!』だった。

同じ悩みを抱える令太と男同士の友情を深め、

互いの男らしさを高め合う関係を築く。

というのが紳士クンの今日の目標だった。

それがどうだ。

男同士の友情どころか、

完全に令太の彼女みたいになってしまっているではないか。

関西弁で言うなら、

完全に令太の彼女みたいになってしもうとるやないかい。

(関西弁で言う事に何の意味もないので注意して欲しい)

 ここで街頭インタビューを実施して、

『この二人はどういう関係だと思いますか?』と尋ね、

『仲のいい男同士の友達ですね』と答える人は、

まあ~居ないであろう。

紳士クンが男である事をこの世で一番理解し(ようとし)ている姉の撫子でさえも、

この状況を見れば、男女のデートとしか解釈する事はできないであろう。

 その事に今更ながらに気付いた紳士クンは、両手で頭を抱えてその場にうずくまった。



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