表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々Ⅲ  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンと令太クン
37/110

10 お連れ様はガールフレンド

そして令太の顔を見ると、親しみを込めた口調でこう続けた。

 「おや、凄木のぼっちゃんではありませんか。日本へはいつ戻られたのです?」

 「ついこの前だよ。

色々ゴタゴタがあって、結局こっちの学校に通う事になったんだ」

 「左様でございますか」

 などとなれた調子で言葉を交わす二人。

その令太の背中を眺めながら、紳士クンはまたまた令太に感心していた。

 (令太クン、こんな高級そうなお店の常連なんだ。何だかカッコいいなぁ)

 すると中年紳士は紳士クンの方に顔を向け、ニコッと微笑んで言った。

 「今日は素敵なガールフレンドもご一緒なのですね。

ぼっちゃんもそういうお年頃になったのですなぁ」

 「うっ・・・・・・」

 その言葉に顔を引きつらせる紳士クン。

しかし令太は取り乱す様子もなくこう返した。

 「ああ、まあそんな所だよ。それよりいつもの席、空いてる?」

 「はい、ご案内いたします」

 そう言って中年紳士は踵を返し、店の奥の方へ令太と紳士クンを案内した。

そんな中年紳士の後をついて行きながら、

傍らの令太に少し物言いたげな視線を送る紳士クン。

そしてその視線に気づいた令太は、声をひそめて紳士クンに耳打ちした。

 「ここで下手に否定したら余計に話がややこしくなるだろ。

そうしょっちゅうここに来る訳じゃねぇんだから、適当に話をあわせときゃいいんだよ」

 「そ、そっか・・・・・・」

 (た、確かに、ここで本当の事をバラす必要はないよね)

 そう思った紳士クンは令太の言葉に頷いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ