3 神様にお願いした
そんな彼女、いや、彼に気付いた紳士クンは、身を起して声をかけた。
「令・・・・・・太、クン、どうしたの?こんなところで」
すると令太は紳士クンの傍らに腰をおろし、
そのガラスのように透き通った瞳で紳士クンを見つめながら言った。
「お前に、話があるんだ」
「話?一体、何?」
小首を傾げて尋ねる紳士クンに、令太は少し間を置き、ゆっくりした口調で言った。
「俺、女になったんだ」
「え?えぇっ⁉そうなの⁉」
紳士クンの言葉に令太は頷いたが、目をそらしてこう続ける。
「神様にお願いして、変えてもらったんだ、女の体に」
「か、神様に?そ、そんな事できるの?
いや、でも、令太クンは女の子の格好をさせられるのを、
あんなに嫌がってたじゃない?
なのにどうして本物の女の子になっちゃったの?」
取り乱しながら尋ねる紳士クンに、令太は再び紳士クンを見つめて言った。
「だって、お前は、女の体の方が、好き、なんだろ?」
「え、えぇ?ええええ??」
令太の唐突な言葉に思考停止状態におちいる紳士クン。
それはそれで間違いない事実だったが、この状況でその言葉を飲み込むのに、
紳士クンの頭が追い付かなかった。
が、令太はそんな事には構わず、紳士クンの右手を取り、
その小さくて色白な掌を自分の胸にあてた。すると、
フニュッ。