表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々Ⅲ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンと令奈チャン
22/110

15 日都好子の初登場シーン

令太が立ちあがった拍子に、椅子が勢いよく倒れる。

静まり返った教室に、ひと際大きな音が響いた。

 「け、蓋垣さんっ。あの、乱暴な事は、よくない、わよ?」

 いつもとは別人のような紳士クンの背中に、遠慮がちに声をかけた女子生徒が一人。

クラス委員長の()()好子(よしこ)だった。

底抜けのお人よしで、人類皆兄弟だと心の底から信じている好子は、

今にも喧嘩を始めそうな紳士クンをなだめるように口を開く。

 「喧嘩はやめて、皆で話し合いましょう?ね?」

 が、そんな好子の方に振り向いた紳士クンは、

大きく瞳を見開き、ぶつけるような口調で言った。

 「喧嘩はしないよ。

でも今は、令奈さんと二人で話がしたいんだ。

だから他の人は、口を挟まないで」

 「は、はい・・・・・・」

 紳士クンの有無を言わさぬ剣幕に、

好子はそう言って立ちすくむ事しかできなかった。

そんな好子に紳士クンは「ゴメン」とつぶやき、

令太の腕を掴んだまま教室を出て行った。

その後ろ姿を、好子を始めとする教室の面々は、

言葉もなく見送る事しかできなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ