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9 とりあえずお姉ちゃんに相談
その日の夜、撫子の部屋を訪れた紳士クンは、
その日の出来事を簡単に撫子に説明した。
それを聞いた撫子は深いため息をついて言った。
「きっとすねてるのよ。
本当は男なのに、無理矢理女子校に通わされてるんだもんね。
まあ、令太がそういう態度をとるのもわからなくはないわ」
「どうしよう?令お姉様に相談した方がいいのかな?」
「やめときなさいって。あの人に相談したら、
ますます話をややこしい方向へ持って行こうとするわよ?」
「た、確かに・・・・・・」
「紳士は、クラスで令太に話しかけたりしないの?」
「話しかけようにも避けられちゃうし、しかも何か怖い顔で僕を睨んでくるし、
一体どうすれば仲良くなれるんだろう・・・・・・」
そう言って視線を落とす紳士クン。
そんな紳士クンの背中をバシンと叩き、撫子は右の拳を握って言った。
「何ウジウジ言ってんのよ!あんた男でしょ⁉
男同士が絆を深めるなら、アレしかないでしょうが!」
「あ、アレ?アレって、なに?」
「夕日の見える河原で決闘よ!」




