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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅲ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンと令奈チャン
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6 心当たりは、なくもない

 そんなこんなで昼休み。

授業の終わりを告げる教会の鐘が鳴り響くと、

令太は今日もそそくさと逃げるように教室を出て行った。

そんな令太の後姿を眺めながら、

紳士クンの元にやって来たクラスメイトの樫増(かしまし)笑美(えみ)は言った。

 「ホンマにあの子、愛想ないなぁ。

この学園に転校して一週間経つのに、

全然他の子と仲良くしようっていう気がないもんなぁ」

 すると同じく紳士クンの元にやって来た()入野(いれの)華子(はなこ)がこう続ける。

 「確かに、あの方は人づきあいがあまりお好きではないようですね。

でも乙子さんには関心があるんじゃないですか?

授業中、ずっと乙子さんの事を見つめていますし」

 「う、う~ん・・・・・・」

 華子の言葉に困った表情を浮かべる紳士クン。

そこに笑美が右手をヒラヒラ振りながら口を挟む。

 「でもあの視線は、関心があるというより敵意や憎しみに近いものを感じるで?

乙子ちゃん、何か心当たりある?」

 「それが、まったく思いつかないくて・・・・・・」

 と、紳士クンは答えたが、心当たりが全くないという訳でもなかった。

紳士クンが実は男である事。

そして令太も実は男である事を、紳士クンが知ってしまった事。

ここに原因があるのではないかと、紳士クンは考えていた。

が、そんな事を露も知らない笑美と華子は、

紳士クンを差し置いておしゃべりを続ける。



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