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4 姉に劣らぬ美少女ぶり
絹のようにツヤのあるブロンドの髪を背中まで伸ばし、
誰も寄せ付けない気高さと美貌を持ち合わせた美少女。
いや、美男子(、、、)。
令の弟である、令太であった。
ちなみに令太は学校では令奈と名乗っており、
紳士クンはぎこちない口調で令奈(、、)に声をかけた。
「ご、ごきげんよう、令奈さん」
すると令奈は紳士クンの方に振り返り、露骨に険しい表情をした。
そして無言で背を向け、逃げるように走り去って行った。
「何よあいつ、人が挨拶してんのに無視して行くなんて。
これは礼儀からキチンと叩きこんであげる必要があるようね」
おせっかい魂に火がついた様子の撫子は腰に手を当ててそう言ったが、
紳士クンは無視された怒りより、令奈を心配する気持ちの方が大きかった。
(令太クン、ちゃんとこの学校に馴染めるのかな?
せめて僕だけでも、彼と仲良くならなきゃ)




