20 幽霊のスキンシップ
「うわぁっ⁉ななな何するんですか⁉」
顔を真っ赤にしながら慌てふためく紳士クン。
いつも身近に居る華子とはいえ、
こんなにベッタリ抱きつかれるのは初めてだったので、
胸の鼓動がみるみるうちに速くなる。
しかも細身の華子の胸元の果実は意外と豊かに実っており、
その柔らかな感触が、紳士クンの胸板に惜しげもなく押しつけられた。
そしてひたすらあわあわする紳士クンに、
愁衣は無邪気な笑みを浮かべながら言った。
「スキンシップよスキンシップ。
ずっと幽霊をやっていると人肌が恋しくなるのよ。
幽霊は壁とかすり抜けられるから便利と言えば便利だけど、
モノに触る事ができないから、
こうして人の温もりを感じる事ができないのよ」
そう言いながら紳士クンのほてった頬に、
見た目よりずっと柔らかで艶のある頬をスリつける愁衣。
それと同時に華子の絹のような髪から、
ほのかに漂う甘い香りが紳士クンの鼻をくすぐり、
紳士クンの方が魂が抜け出そうになっていた。
(こ、こ、このままじゃダメだ!)
そう思った紳士クンはもうろうとする意識の中、
首の皮一枚つながった理性を奮い立たせ、
両手で愁衣を押しやって声を荒げた。
「だ、ダメだよ!他人の体でこんな事しちゃいけないよ!」
しかし愁衣は何ら悪びれる素振りも見せずにこう返す。
「別にいいじゃないの、これくらいのスキンシップ。どうせ女同士(、、、)なんだし」
「う・・・・・・」




