18 幽霊への天罰
「そう、あれはある夏の暑い日だったわ。
一学期に赤点を取った私は、夏休みの補習に呼び出されたんだけど、
それをこっそり抜け出して、この教会に身を潜めていたの」
「う、愁衣さんって、あんまり真面目な生徒じゃなかったんですね・・・・・・」
「たまたま勉強に適性がなかっただけよ。
で、早く終わらないかな~と思いながら教会の中をウロウロしていたら、
聖母様の祭壇の所に、
花束と一緒に高級そうなお菓子の詰め合わせがお供えされていたの」
「へぇ、それで?」
「食べちゃった」
「食べちゃったんですか⁉何てバチあたりな!」
「だってとってもお腹が空いていたんだもの!
聖母さまも、目の前で子羊がお腹を空かせていれば、
例えお供え物でも、喜んでそれを分けてくださると思ったのよ!」
「で、その後どうなったんですか?」
「どうやらそのお菓子に中ったらしくて、
その場でお腹が痛くなって失神して、気が付いたら幽霊になっていたわ」
「死んじゃったんですか⁉完全に天罰が下ってるじゃないですか!」
「で、その後、私が死んだのは神のたたりだとか、
悪魔の呪いだとかいう噂が広まって、学園の七不思議のひとつになった訳よ」
「そ、そうだったんですか・・・・・・」
「どう?深くて悲しい話でしょう?」
「どこがですか!深くもないし悲しくもないですよ!」




