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第4話 アニス姫とトラルティア王太子

ニウ・アニス・キティルハルム

今作にて、キティルハルムの王太子。

山野の獣を倒す、格闘技術を持つが、魔導士のほうにベクトルを置く。

黒猫系の、人猫ワーキャット

「猫」らしく、味方にはべらぼうに甘く、敵には非常に残酷。

アニスたちは、謁見室ではなく応接間に通された。


「なかなか気さくな方のようね。」


「どういうことです?」


「お母様は言ってたわ。

「偉そうな王様」は、いばりたがりだって。

相手の話を聞くつもりの王様は、相手を「客」として迎えるって。」


会話を続けるうち、応接間にトラルティアがティアムル、レイチェルを伴って現れた。


「お初にお目にかかる。

私は東トラルティール総督トラルティアだ。

こちらは、騎士団長ティアムルと魔導師レイチェルだ。」


立ち上がって、会釈をしようとするアニスを制し、トラルティアが自己紹介する。


「私は、キティルハルム王国王太子ニウ・アニス・キティルハルム。

こちらは、王太子補佐レアン・ミケランジェロです。」


この会談でのアニスを、トラルティアは、こう記している。


「後のニウ二世は、まるで熟練した外交官のようであった。」と・・・


「ご用件は?」


「はい。

わが国が「連合国」全てに科した「経済封鎖」を解きたいと存じ上げます。」


「何ゆえに?」


「このままでは、「人間」全体の社会は停滞してしまいます。

既に各国には評議員たちが使者としてその旨を伝えております。

旧アルテルンセンに建国された「ラムンセン」国王レイスト・ミルス・ラムンセン陛下の下にもです。」


もとより、アニスは、「人間同士の暴力」は嫌いだ。


トラルティアには、一つ気になることがあった。


「西トラルティールには?」


それには、レアンが目を細めこう応える。


「はい。

「東トラルティール」に吸収合併ということを条件にさせていただきました。」


キティルハルム王国は、トラルティールの内情を調査していた。


実は、トラルティールの正当な王位継承権は「王太子」にあり、保守的な弟ウズドガルド王子が王になろうとして保守貴族を取り込むも、貿易と実力を重視したトラルティア王太子には、民衆や新興貴族が支持したのだ。


言うなれば、トラルティア王太子は「民主主義者」であり・・・


ウズドガルド王子は、「共産主義者」ということになる。


「は?それはまさか!」


ティアムルは、愕然とした表情となる。


「はい。母の捨て台詞の「経済制裁」は、このことでございます。」


おとなしそうに見えて、レアンは母の性格の一端を受け継いでいるようだ。


「このままでは、東と西は戦争になるぞ!」


ティアムルは叫んだ。


「ええ。

でも、火種は以前よりあったのでしょう?

消すなり、火の粉にしてしまうなりするのが得策かと。」


アニスは冷淡に言った。


「なにより、トラルティア殿下はモノがわかっておいでです。

強いものが生き残る・・・

でも「人間」は「腕力」だけ強ければ「強いもの」とは言えないのです。

目先の利かない危険な獣は、殺すなり鎖で繋ぐなりしなければ安心して夜も眠れないではありませんか。」


「むむ・・・」


「私は、状況を見るために、当分滞在することを命じられています。ことによると、「防衛」に協力せよとの命も受けております。」


言うと、アニスはレアンに目配せする。


「言い忘れました。

キティルハルム王国で、売り出し中のケーキ職人の一作をお持ちしました。」



レアン・ミケランジェロ

アニスの補佐官。

ミケランジェロ一族にしては、少し及び腰。

しかし、爆薬の使用に長ける。

三毛猫系の人猫ワーキャット

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