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エピローグ

ニウ・アニス・キティルハルム・・・


外交女王ニウ二世の葬儀は、王宮前広場で行われた。


各国王が、葬儀に出席していたが・・・


ウズドガルド王は、出席していなかった。


「・・・

特に、我が母の偉業により・・・

現ラムンセン王レイスト・ラムンセン三世陛下がおられる。

私自身、彼と世界の海を廻ったものである・・・

ここに、祖母ニウ一世・・・

故人ニウ二世の霊に私・・・

「航海王ライル二世」こと、ライル・キティルハルムはこんどこそ誓おう!

世界が危機に陥る時・・・」


黒いローブの下に、提督服を着た黒猫系の男が、演説していた。


「我がキティルハルム王国は・・・

連合に加わると!」


堂々たるこの男は、ニウ二世の息子・・・


「ライル・キティルハルム二世」である。


レイスト・ラムンセン二世王の妻は、エルフと人狼ワーフルフのハーフだった。


その血を引く、レイスト・ラムンセン三世は、ライルと共に世界の海をかけた男だった。


金色の髪と耳、尻尾の人狼ワーウルフのような外見の人懐っこそうな王だ。


ライルの傍には、水兵服を着た女性がいた。


彼を支える王妃シアンだ。


「ふッ・・・

父上・・・

ウズドガルド王は、来ませんでしたね・・・」


トラルティアの前騎士団長ティアムルに、息子アルダ・ティアムルが言う。


彼は、騎士団長になったばかりだ。


「どうせ、ライル二世陛下にボロクソに言われるのが、嫌に決まっています。」


しかし・・・


「違うな。

自分のしでかしたことの重要性を痛いほど、わかっておられるのだ。

だからこそ、「ボロクソに言われるのが嫌」と言うことにされるのが、嫌なのだろう。」


そんな葬儀の様子を、黒猫系の少女が画に描いていた。


王太子ニナ・キティルハルムだ。


後の「画伯女王ニナ」である。


「ふむ。

新たな「芽」が、すでに芽吹いていたか。」


「父上。

したたかですな・・・

キティルハルムの民は。」


こうして、続いていく・・・



王宮図書館で、一人の総合導師は、本を閉じる。


「いやはや・・・

破天荒な姫様もいたもんだ。」


ふっと笑った女性は、アルナス・ライテス。


トラルティール王と、初代ティアムルの両方の血を引くものである・・・

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