【執行人 〜終焉〜】※ 夢日記12.7
2018.12.7に見た夢の記録です。
夢とは言えど、死を目の前にした、1人の人間の心情を書いています。
妙に冷静なところが、自分としては、地味に怖いです。
静かな終焉の物語(夢日記)です。
実家だった。
目の前のテーブルの上には料理が並べられていた。
母が口を開いた。
「もう、終わらなければならない。」
料理を摘みながら周りをみた。
姉も弟もいた。
これから従兄弟もくるみたいだ。
タイムリミットまで、あと3時間くらいらしい。
夕方4時、5時くらいで終わりということか。
姉が聞いてきた。
事後、世間にバレたくないけど、どうしたらいいのだろうかと。
どうやら姉は、周りに内緒で漫画を描いていたらしい。
私は安心させたくて、調べとくよと言った。
そもそも事後のことなど、気にしたところで仕方ないのに。
事は執行人が付くらしい。
その人が来たら、始まるのだ。
それなのに、普段とは変わらない日常風景が、そこにある。
どうしてみんな、この状況を受け入れられているのだろう。
そう思いながらも、逃れられない現実に、私も無理にあがくことはなかった。
みんな平穏だった。
これから〝それ〟は、やって来るというのに。
ーなんで今日なの?そうなるまで生きてればいいじゃん。本当かわからないし。
私は母に言った。
「もう日本には広まっている。もし、そうなってしまえば、どうする事もできない。」
そう、母が言った。
母の話によると、どうやら日本は、汚染されてしまったらしい。
いずれ近いうちに、皆、終わりがくるのだと。
そんなの政府の口実なんじゃないのか。
人口を減らすためにそんなデマを言って…。
聞き分けの悪く反抗的な私は、それが事実だとしても、納得いかなかった。
姉に読んでもらうメッセージを書いた。
姉は自分が漫画を描いていた事実を、世間にバレたくないと言っている。
「(書いた内容は覚えていない。ただ、こういう場合はバレる可能性もあるけど、そうでなければバレないみたいだから安心して。そもそもバレたって何の障害も起きないよ。的な内容を書いていたと思う)」
書いたあとは姉にそれを渡した。
(実際にはこのiPhoneのこのメモのページに書いて渡したのを覚えている。)
「スイッチを押したらクレーンが上がる。」
どこからか、そんな話し声が聞こえた。
振り返れば従兄弟が到着していた。
ー吊るのか。
すぐに事を察した。
平然としていながらも、内心は怖かった。
どのくらい苦しいのだろう。
先にいくべきか、後に残るべきか。
先にいく方が辛さは少ないだろう。
ならば後にしてもらう方がいいか。
そんな事を瞬時に考えた。
それと同時に、その前にトイレに行っておかなければならないと思った。
事後は垂れ流した姿になると思ったからだ。
執行人は最後1人になる。
そいつはその後どうするのだろう。
何も処理せずに政府に帰るのだろうか。
まぁ、これは、事件としてニュースになるわけでもないだろう。
そもそも政府の決め事なんだ。
ならば、何も無かったことになるのだ。
最初から、存在していたことすら。
そうこうしていると時間がきた。
前半と後半に組分けされた。
そして私は、前半になってしまった。
まぁそれならそれで、早く楽になるしかないな。
いずれ、みんな来る。
みんなが見ている中でかと思ったが、どうやら1人ずつらしい。
それも、家の中に隠れて、執行人に見つかった人からだという。
なんだろう、この間抜けた順番決めは。
拍子抜けしながら、一階のトイレに隠れた。
隠れた、という事になっているのかは疑問だった。
トイレに入られてしまえば、すぐ見つかるからだ。
自分に力があったならば、みんなを違う選択へ導くこともできたのだろうか。
隠れ始めたとき、みんなに挨拶をしていなかったことに気づいた。
私は居間にいった。
従兄弟のお母さん、母親、姉、弟が座っていた。
他の人は目に入らなかった。
何も言わず、手だけを振った。
姉、弟、母親の顔を、順番に見て。
こんなにも呆気なく終わってしまったな。
言葉を交わすことすらなかった。
絶望感があるわけでもなく、悲しいわけでもなく、あまり何も感じなかった。
全て諦めた、それ以外に何もなかった。
トイレに戻ると知らない女の人がいた。
彼女もここに隠れるのだろうか。
家族でもない、従兄弟でもない人間。
彼女は話しかけてきた。
何を言っていたかは覚えてない。
私と同じくらい、24歳くらいに見えた。
ひどく、安心感があった。
そして私は、目を覚ました。
今思えば、彼女が執行人だったのかもしれない。