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車で、待機させていた部下に
「どうしたんすか?」と聞かれ、
「いや、ここまで、あれら、運ぶとなると、夜通しだわ。今、車を止めた、ここも位置取り悪いし、また先方に私から連結して日を改めてにしとこう。
会社もどって、少し三人で来週の段取り組みたいんだが大丈夫か?」
「もちろんっす!」
社長は、笑って車を発進させる。
立体駐車場を、ゆっくり下る際、
運転している者が、
「女っていうのは、世にある既存の『女らしさ』っていう概念を取れば、男と、ほぼ見分けがつかなくなるわけだが私たちは、これほど働いていてイイ男たちなのに未だに結婚できないは、何でかな!?」
と、イイ男と自分達をいったのはジョークだ、というふうにコジャレて言ったわけだが、隣で聞いていた者が
「俺、難しいことは分かんないですけど、社長と同じで早く結婚したいっす!!」
と、本日一番の威勢よい声で言った。
二人は、車の中で笑い合い、
車は、安全に立駐を出ると、帰宅ラッシュが始まりかける前のメイン通りへ、ゆっくりと、また進みだした。
【おしまい】