スマホ内での快適な生活
「ヘイ シリ。今日の気温は?」
「今日の気温は23度です。」
僕の一日はいつもこうして始まる。
僕のたった一人の友達は、いつもそばにいて僕のサポートをしてくれる。どんな時でも手放したことはない。こいつがいれば孤独知らずだ。
おっと、自己紹介が遅れたね。僕の名前は「緑 未来」。16歳。趣味はネットゲーム。嫌いなことは学校に行くこと。何となくみんな想像してると思うけど、僕はひきこもり。もちろん学校には中2から言ってないし、そのおかげで友達も1人。 紹介するよ。僕の友達の「sir」
「スマホにとらわれた僕の日常」
1 長い夢の始まり
未来はいつものようにスマホと向き合いゲームをしていた。薄暗い部屋の隅だけがスマホの明かりで照らされている。その明りに照らされて移った未来の指の影のウド気が、どんどん早くなっていく。
「ウオォー!限界スピード!」
変な緊張感の漂う中、未来は叫んだ。
「よっしゃーー!!ハイスコアきたーー!!」
興奮が抑えられない僕は、勢いよくベットに飛び込む。はっと大きく呼吸をし体を大の字にした。こんなに幸せな気分があるだろうか。この幸せウをいつでも味わえるなら異世界にでも転生したい。(フラグ笑)
そのままベットで昼寝をした。このままずっと寝てしまいそうだ。こうして長い長い夢が始まったのである。
…?なんだ?鳥のさえずりまで聞こえる…。ま、まぶしい…カーテン閉めたのにな…。まぶしさをこらえながらゆっくりと目を開けた。まず目に入ってきたのは、青い空だった。
「う…う…。空…?えっ!?」
未来は叫び声をあげながら飛び起きた。あたりは一面きれいな草原だった。草原ははるか遠くまで広がり、地平線を作っていた。しかし、こんなにきれいな草原もきれいに見えないほど混乱していた。
「ふえぇ??????」
未来はその場に座り込んで状況を整理した。
「さいごにおぼえているのは、確かゲームでハイスコアをとって…」
なかなか思い出せないが、ネット中毒でオタクの未来は、割とすぐに答えを導き出せた。
「まさか…転生したのか?あの後僕は死んで転生したんだ」
決して死んではいなかったが、あれこれ妄想してしまう。
「魔王とか、勇者とか、かわいいエルフとか…ウへへ…よっしゃあーーー!!!」
きっとこの時の未来はそうとうひどい顔をしていただろう笑。この後長く、未来の妄想続く。
妄想をやめ、ようやく現実を見た未来は、今後のことを考え始めた。とりあえずなんか町とか村とかないのかな?一人じゃどうしようもないしな…。とりあえずスマホを…
…え…?
「アがああああああーーーー!!!ない!スマホがない!!」
異世界にスマホと一緒に転生する話がよくあるが、どうやら嘘らしい。
絶望…
1時間後…
何とか絶望に勝った未来は今後のことを決めた。
その結果、とりあえずここ周辺を探索することになった。このはるか遠くまで続く草原を未来は孤独に歩いていくのであった。