表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/15

5話 サラ キューピッド(自称)になる


 へー。

 あのお屋敷にいるのね~お嫁さん。


 なんか厳戒体制って気配がビンビンしてくるよ。

 なんで厳戒態勢なの?


 ふ~ん。お父さんの反対か~。

 色々複雑なのね。


 でもやっぱり個人の感情を優先すべきよ! うん!

 私手伝っちゃう!



 お嫁さんの気配は……う~ん。

 最上階の奥っぽい所のヤツかな。多分そうね。


 うふふふ。


 ちょっとワクワクしてきちゃった。

 こういう時はアレよね。


 サラ! 『侵入モード』!


 さてさて、よいしょ。

 ……アタッチメントとはいえ、取り外しと取り付けは結構時間かかるのよね。コレ。

 よいしょっと。


 ん~……一瞬で取り外し出来るようになったらいいけど、やっぱり難しいのよね~。

 取りつけ簡単だと取れるのも簡単な気もするし。


 よいしょー! できた。



 うん。コレ凄いでしょ?

 魔力制御の魔糸射出と巻き取り機能付き。


 私の身体能力なら必要ないだろって?


 フッフッフッフ。

 甘いですよ。

 空中での方向転換とか、壁での姿勢制御には必須なのよ。


 ……リリ姉みたいに飛べたら関係ないけどね。


 なんでかお兄ちゃんは

 「ダメ! 忍者は飛んじゃダメっ!」

 って教えてもらおうとするの禁止してくるのよね。


 理由も『浪漫!』とかワケわかんないし。

 飛べればこんな装置は要らないのになぁ。


 でもまぁ?


 『男の我儘を受け入れるのも女の度量よ。そしてそれを利用してこそ本物の女よ』


 ってお母さん言ってたし。

 お兄ちゃんの我儘を受け入れる私。うんいい女。


 でも利用ってどうやるんだろう? 今度帰ったら聞いてみようっと。

 大分帰ってないしなぁ。実家。


 ……また増築してるのかなぁ……はぁ。


 そうそう! この魔糸の用途ね!

 うふふふ。窓とか魔糸付けておくと結構いい感じに中の音聞こえるのよ。


 ……いや、使ってないわよ。

 私全然使ってない。

 家で侵入モードをメインに使ってない。

 『サーラーやーめーなーさーい』とか言われて無いし。ほんと。


 …………時々わかった上で聞かせてきたりするクセにさ。


 あ、忘れてた。

 侵入するんだった。


 じゃ、ちょっとお嫁さんの誘拐に行ってきまーす。

 お嫁さんに誰の使いで来たって言えばわかるの?


 おっけー。トスカさんね。

 じゃ行ってきまーす。



 ……う~ん。


 多分ここから壁伝いにのぼって行って最上階の開いてる窓に入れば一番早そうなんだけどなぁ……


 一階と庭とかに人が多いし……でもココからのぼるのは、ちょっとあのおじさんが邪魔なんだよね~。


 まぁ……大丈夫か!

 やってみよ。


 まずは……おじさんのギリギリ聞こえそうな所に落ちるように小銭をなげませうー!

 おっけ! 見た!


 魔糸射出!

 かーらーの垂直ジャーンプ&巻き取りー!


 よいさー!

 無事窓の横の壁に着地ー!


 中に人の気配無いし、さっさと窓から侵入っと。


 おじさん気が付いたかな? ちらっとな。


 あぁ……小銭拾ってる。

 …………ソレ……私の。


 うぅん。仕方ない!

 必要経費ってヤツよね。

 行こっと。


 ………この部屋にお嫁さん居そうだわ。


 コンコンコーン。

 こーんにーちはー。


 あら。綺麗な人。



 ……ちょっと成長しすぎじゃない?



 えっとこんにちは。私サラ。

 伝言を伝えに来ましたー。

 とりあえずお部屋に入れて~♪


 いいからいいから。ほらほら。

 愛しの彼からの伝言だよ~。

 私は恋のキューピッドなのですよ。


 あらあら。態度変わっちゃった。


 はいどうも。

 あ。お茶は要らないよ大丈夫。


 そっか~。彼の事好きなんだね~。

 気持ちは分かるわ。


 うんうん。すぐ聞きたいよね。

 そんなに急かさなくても、わかりましたわかりました。


 今、恋のキューピッドの本領発揮しますよ。


 ?


 え?

 ん? んっ??


 『スーカさん』の伝言を早くって。


 ……微妙に名前間違ってない?



 愛しの彼は『トスカさん』だよね?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ