1話 サラ 現状把握してみる。
お兄ちゃんはいっつも『お前はまだ2年早い』ばっかりだ。
「あと1年でしょっ!」て修正するのももう飽きたよ。
お姉ちゃん達もお姉ちゃん達で『そんなに急ぐことないのよ』って未だに子供扱いする。
……アレよね。
やっぱりアレよね?
二人ともお兄ちゃんの子供を生んだからって、完全にもうお嫁さんとして地位が確立したと思って安心してるのよね。
……甘いのよ。
私ももう大人っ!
なんだってできる!
お兄ちゃんをメロメロに落とすことだって余裕なのよ!
というよりも……実はお兄ちゃんってば、もう私に落とされちゃってるんじゃないかって思わないでもないのよね。
昔から私が何かしようとすれば過剰に心配してくるし?
それってやっぱり愛情がなきゃできないことでしょ? ねぇ?
だとしたら~……それはもう2年前から私にメロメロだったってことじゃない!
ギルドのランクだって、私もう『金』だよ?
まぁ……リザ姉とか、ミレー姉も『金』だけどね……
でも、私の同年代の子だったら『木』が普通でしょ?
私なんて、お兄ちゃんが「マジ忍者になったな……」って言うくらいの、最高ランクの『金』だよ?
……
……まぁ……お姉ちゃん達には勝てる気しないけど…ね。
いやでも、あれよ? 負ける気もしないよ?
みんな優しいし。ケンカとかしたことないし。
まず、競い合うとかってしたことないし。
出来ないし無理だし。
……あれっ?
…………あれっ?
……ん。
お兄ちゃんを落として、自分の物にするのは……まぁムリ。と。
うん。それはやっぱり無理。
だって、お姉ちゃん達にも悪いし。
お姉ちゃん達の子供も超可愛いし。
てゆーか、ぶっちゃけ独占して全員敵になったらとか考えると……………いやいやいやいやいや! 超怖いんですけど!
こうなるとお兄ちゃんにどれだけ『女として』好かれるかで競い合うってことしかないわね。
うん。私、好かれてるし。
というか愛されてるし。
全然大丈夫。
…………
……う~ん。
じゃないよな~。
ちがうよな~。
私だけエッチしてないんだもんな~……
どう考えてもマスコットだわ~。
というかマスコットもお姉ちゃん達の子供が結構持ってちゃってるよなー。限界感じるわー。
アレだわ。
これはもう旅に出て女磨きして、超いい女になって見直させるしかないよね。
うん。これだわ。
じゃ、まずお兄ちゃんにその事を伝えようっと。
あ~♪
きっとお兄ちゃんの事だから? 私が外にでる! なんて言ったら『何言ってんだ! 心配だからダメ!』って止めるんだろうな~。うふふふ。
でも今回は私本気で旅に出るからねっ!
止めても無駄よ。
……でもぉ『行かないでくれーっ!』て真剣に言われちゃったら? なんか? 行けないけどね♪
さ。お兄ちゃんさっがそ♪
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