明日なんていらない。
「明日なんていらないくらいよ」
テレビの中で誰かが言った。
彼女を包む感情は、果てしなく深い絶望だろうか。はたまた天にも昇る充足感だろうか。
あなたを失ったなら、あたしも同じ言葉を吐くのだろうか。
あなたに会えたとして、あたしも同じ言葉を吐くことができるのだろうか。
同じ言葉を吐くのなら、幸せに包まれていたい。
明日なんていらない。
……なんて言えるほど充実した日を過ごしてみたい。
でもきっと、あたしは明日を欲しがるだろう。
明日も来月も来年も、あなたと居られる日を望むだろう。
この命が絶えるまで。ずっと、ずっと。