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第99話 クリスマス・フィードバック・ブディズム その10
質問の結果はわたししか知らない。
話す内容は用意してきていたのだけれども、ただ単にそんな型どおりのお話で終わってしまってよいものかどうか、短い時間の中で頭脳を高速回転させてみる。
でも、結論は出ない。
4つの質問を通じて手を挙げてくれた人の数はわたしの想像をはるかに超えていた。
しかも。
1つ目の質問から3つ目の質問に対しそれぞれ手を挙げてくれた人のほとんどが、最後の質問、”死にたいと思っている方”、に手を挙げたのだ。
考えてみたら、当然だよね。
クリスマスのイベントは他にも山ほどあるのに、同級生や檀家さん以外で、こんな意味のよく分からない集まりに来るってことは、それだけで1つのサインだよね。
責任は重い。
今度はわたしが1人で目を閉じる。
”南無、ご本尊・・・・”
そうして、ゆっくりと、眼を開けた。




