第94話 クリスマス・フィードバック・ブディズム その5
「よーし、みんな揃ったね。じゃあ、準備始めようか」
場を仕切ってくれるのは学人くん。いつもの5人組だけじゃなくって、もっと大勢のこの癖のあるメンバーを有無を言わせずに動かすなんて、学人くん結構やるね。
4Liveは軽く音合わせをしてる。咲のベースのブーン、という音が結構耳障りがいい。
文学館のイベントスペースはまあ、言ってみれば貸会議室のような大部屋だ。いつもはスクール形式に並べてある机をとっぱらって、お年寄り用のパイプ椅子をだっ、と並べたら後は大き目のカーペットを退いて子供らはまあそこに座らせて、中高生の若者や大人はスタンディングでいいだろう。懇談会の時は机をいくつか戻してそこでジュースやらお菓子やらを食べるという流れ。
詰め込めば100人は入る・・・かな。まあ、そんなにたくさん来るかどうかは分かんないけれども。
チラシは学校の他、市の中央図書館と児童館に貼って貰い、それから檀家のお年寄りなんかに配った。
「学人くん、もよりのマイクってこのハンドマイクでいーの?」
「はい、奈月さん、お願いします」
「あ、それとちづちゃん」
「はい?」
「お菓子ってこのお盆にぼん、ぼん、て入れとけばいーの?」
「はい、そうです。菓子盆はいっぱいあるので、適当に混ぜて入れてください」
よかった。ちづちゃんと奈月さんもまあ自然に絡んでる。
武藤くんが高速でハイハットを叩いて場の雰囲気を盛り上げてくれた。
ああ、クリスマス・・・じゃなかった、ぶっぽー(仏法)をみんなで聖夜に楽しもうか。




