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もよりがシュジョーを救う法  作者: @naka-motoo
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第46話 ジャンル分けに関する考察 その2

 時に”研究発表会”の土曜日のことなんだけれども。

 10月に入り、運動会の次は学園祭、と期待している人がいるとしたら本当に申し訳ない。北星高校には学園祭や文化祭はない。

 今言った”研究発表会”が無理矢理分類するとしたら、まあ、近い。

 よく考えてみたら祭りっていうものは豊作、大漁、安泰を祈念し感謝するものだから、そもそもその対象が無かったら成立しない。なので、これでいいのかもしれない。

 学校に神棚があったりすると多分色々と問題があるだろうし。

 そういう訳で、いきなり研究発表会当日に突入してしまった。

「パワポの準備、できた?」

 1年2組の研究発表会リーダーである牧田さんがてきぱきと確認作業を進める。このテの催しでその他大勢に甘んじるわたしなんかとは違い、彼女は1年生一の才女という評価が定着している。そう言えば入学式の答辞も牧田さんだった。

 午前中は体育館で全校生徒プラス任意参加の父兄等が集まり、各クラス持ち時間10分で研究テーマのプレゼンを行うのだ。

 すごいことに受験を控えた3年生も免除されないので、1~3年のすべてのプレゼンを終えるのに午前をフルに使う。

 午後からは研究の詳細を展示した各クラスの教室をぐるぐるとまわるのだ。

 模擬店も無ければ部活のブースも無い。

 つまらない、と思う。

 ところが、この無味乾燥なイベントに他校の生徒が結構集まるのだ。不思議なもんだね。

 まあ、よその学校に自由に入れる機会なんてなかなか無いから”寄ってく?”という気軽なもんだろうと思うけど。

「上代さん」

 ん?牧田さん。何の用だろ。

「なーに?」

 軽いノリで牧田さんの方へ行くと思いがけないことを言われた。

「ごめん。発表のプレゼン、やっぱり上代さんがやってくれないかな?」

「え?」

 わたしはじっと牧田さんの目を見つめる。

「何で?プレゼンは牧田さんがやるって全部段取りしちゃってるよね?」

「やっぱり研究テーマの提案者が発表する方がプレゼンの迫力が違うと思って」

「・・・・」

「それに・・・・上代さんの自説って賛成できないから私が言うと嘘っぽくなっちゃうから」

「ふーん」

 まあ、これはわたしへの嫌がらせなんだろうな、やっぱり。


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