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もよりがシュジョーを救う法  作者: @naka-motoo
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第193話 ぐでぐで図書館(その1)

「暑いよ!」


 炎天下、夏用の法衣を着て自転車に乗るわたしに涼風の1つぐらい吹いて欲しいものだ。

 追い風はいいんだけれども、自転車のスピードとほぼ同じ風速なので、全く意味がない。しかも、風が吹いたところで日蔭のないルートばかり通るので。

 さっき現田先輩の家も月参りで回ったばかりだけど、”氷を切らしちゃって、ごめんなさいね” と、おばあちゃんが申し訳なさそうに常温に近い麦茶を出してくれた。それでも喉が潤ってものすごくありがたいんだけれども。


「この恰好でコンビニ入るのもちょっとなー・・・」


 この間、学校帰りにコンビニに入ったら、制服警官がコーヒーを買ってた。以前はアメリカ映画でしか見なかったような光景を最近は日本でも見られるようになった訳だ。けれども、坊さんが法衣のままコンビニで飲み物買ったり、ファミレスで食事したりしてる光景は見ない。なので、わたしも自粛してる。


「牧師さんはコンビニ入るのかなー」


と、しばらくは妄想する余裕があったけれども。だんだんと冗談じゃなくなってくる。


「駄目だ・・・お寺までもたない!」


 朦朧とする頭でルート上のオアシスを必死に思い浮かべる。コンビニ、ファミレス、デパート、すべて ”ドレスコード” で×点がついて消える。民間施設はほぼ全滅だ。


「あ、あそこなら・・・」


 わたしは最後の力を振り絞り、セミがわんわん鳴く中央公園の敷地に自転車を乗り入れた。


 

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