表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もよりがシュジョーを救う法  作者: @naka-motoo
180/307

第180話 プレフルマラソン(その8)

 平地に入り、わたしは佐古田くんの真似をして、


「はっ!」


と声に出して気合いを入れた。

 これがびっくり。つりそうな一歩手前の足からつっぱりが引き、骨盤を更に5°前傾させて、自分でも怖いぐらいのスピードに乗った。

 病院の正門を突き抜けると、真正面が救急搬入用の入り口だった。

 看護師だろうか、男女一人ずつがわたしに手を振っている。2人してそのまま駆け寄って来てくれた。


「大丈夫?」


 女性がわたしを支えてくれる。


「ありがとう! 血液を!」


 男性の声に促され、リュックをゆるめ、そのまま引き剥がすように受け取って貰った。男性はそのまま小走りで院内に消えていく。


「本当にありがとうございました。これでよければどうぞ」


 しゃがみ込んだわたしにタオルをかけてくれ、キャップを開けたスポーツドリンクのペットボトルを渡してくれる。


 うーっ、効くー!


 ごくごくと良く冷えたそれを5秒程飲んで思い出した。


「あ、タイムタイム!」

「?」


 わたしが慌ててG-Shockを見るとストップウォッチは動き続けている。


 ”13分05秒”


 そこでストップボタンを押した。甘めに見て、看護師さんたちに出迎えられてから1分近くは経っているだろう。

 とすると、12分ちょっと?

 つまりわたしは、3分/km ぐらいのペースで走ったってこと?


 ひえー。


 いくら下り坂とは言え、びっくりだ。

 まあ、お兄ちゃんがわたしの尻をぐいぐい押してくれたんだろうな、多分。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ