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第154話 2年目の春(その9)
内申アップに魅力を感じなかったと言えば嘘になる。でも、それだけじゃない。結論から言うと、立候補届を出した。2人の人物の存在が決定打となった。
1人は五十嵐先輩。
アドレスを聞いていたので、メールで相談してみた。返信はごくシンプル。
”君ならできる。期待してる”
なんて男らしいメッセージだろう。奇妙な自信が湧いてくるのが不思議だ。
もう1人が奈月さん。奈月さんは3年生となり、満を持して横山高校の生徒会長に一足早く当選していた。電話で話してみた。
「奈月さん。実は生徒会長に立候補しろとか言われてて・・・」
「おー、すごいじゃない。やりなやりな。もし本当に会長になれたら各校の生徒会連絡会で会えるよ」
そう言ってから一言付け加えてくれた。
「もよりは会長、会ってると思うよ」
どういう根拠だろうか。とにかくもわたしが肚を決めたらみんなも肚を決めた。




