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ママって呼ばないで。  作者: 小鳥遊雛
1/1

動き出した日々

「ねぇママ」……

「ねぇママ、朝だよ。起きて。」


眠い目を擦りながらママ(翔子)の顔を覗いて体を揺さぶる。


翔子……うーん。…!?

「え?もうこんな時間!!早く園服にお着替えしてお家出なきゃ!遅刻しちゃう!急いで!」


今日も慌ただしい朝。なぜなら昨日も昼からバイト夜も仕事をした後、散らかった家の片付けをし疲れ果て寝る。起こしてくれた秋に園服を着せるのは、また辛い1日の始まり。

でも、「今日も1日頑張らないと!」

そう言い聞かせないとやっていけない。


秋「ねぇママおにぃは起こさなくていいの?」

顔を見上げる


翔子「お兄ちゃんまだ寝てるのかもね。」

ため息をつきたくなるほど。


〜私がこんなに頑張って学費稼いでるのに…学校行かないのなら辞めて。〜

心の中はもう愚痴ばかり。自分の子だけど将来はいろいろと諦めてる。それに自分を入れたら5人家族…だから学校行かないのなら働いて家にお金を入れてもらいたい。でもそんなこと言えない……だって…


そんなことを思っているうちにバス停に着き幼稚園のバスに秋を乗せ、いってらっしゃい!秋も笑顔でママに手を振る。

今側にいてくれるのは秋だけ。

秋の笑顔を見送った後急いで家に戻り洗濯物を済ませ昼のバイトに行く支度をする。


二階から降りてくる音がしてビクッとする翔子に次女の美咲が少し怒った様子で


美咲「あれっ?ママ戻ってたんだ。そこに置いておいた私のブレスレット知らない?」


翔子「知らない。大体人が取ったみたいな言い方しないの!もう中学生でしょ?お友達にもそんな聞き方してるんじゃないでしょうね?…それに学校に行くのになんでブレスレットが必要なの?」


美咲「だって、友達とオソロ。付けてなかったらなんて言われるかわかんないよぉ」


翔子「無くしちゃった。素直にそう言えば友達きっとわかってくれるでしょう?」


美咲「もう、ほんとママわかってない!」


呆れながら学校に行く支度をして家を出る美咲に視線を送るだけの翔子の間はなかなか上手くいってない。

前はよく秋の面倒も見てくれたのに、今は反抗期かな。そう思い込むけど一番上の兄の姿を見るとどうもソワソワしてならない。

一番上の兄の竜也には本当に手が追えないくらいのことをされたからだ。


そんなことを考えながらいると暗くなるから今日もこのビタミンレモン飲んで明るくいかなきゃ!


蓮「おはよ」


ボッサボサの頭をかきながら階段を降りてくるのは面倒見のいい方の兄だ。


翔子「うん、おはよ。今日はどうしたの?起きてこないから秋が寂しがってたよ?」


蓮「どうもしない。ただ昨日夜まで遊んでたから朝起きれんかっただけ。」


翔子「ねぇ!美咲が居ても最近秋のこと見ててくれないから蓮に頼んだよね?ちゃんと見ててよお願いだから!」


蓮「うーん…ごめん。」

でも俺にだって友達付き合いってのもあるんだけどな。そう思いながらもこれ以上に怒らせないように逆らわない。


〜〜ピーンポーン〜〜

「「おっはよーーーー」」


いつも登校途中にある蓮の家に寄って迎えに来てくれる仲のいい友達。


蓮「はーい、待って今出る」

「いってきまーす」


翔子「今日も秋が早く帰ってくると思うから秋のことお願いね!」


蓮は高校1年生の一番上の兄とは二つ歳が離れてるけど学校は一緒。でも遊んでばかりで学校には居ないから高校が一緒でも特に会うことはない。

というか、仲が悪いので家の中ですれ違っても学校で出くわしたとしても口をきかない。

そんな兄弟は、学校では目立つ方で一番上の兄はワルだけどスポーツ万能だからよくモテた。


神木「なぁ〜今日もどっか遊び行かね?」

雅「いーね!カラオケかダーツしよ!」

蓮「いや。今日はいーや」

雅「な、なんでだよー。連れねーな↑」

神木「どーした?」

蓮「今日は秋の面倒見なきゃだめなんだ。」

雅「なんだよ!秋なら皆で見りゃいーじゃん!」

神木「そんな訳にわいかねぇーだろ(笑)」

雅「秋もカラオケデビューさせよーぜ!」


「だーめ!可愛い秋のまんまでいさせるにはあんた達とは遊ばせませーん」


蓮 神木 雅「有紀!!」

雅「いきなりびっくりすんじゃん!それに会話聞いてたのかよ(笑)せっかく秋をカラオケ誘って俺たち色に染めさせようと思ってたのに!」


同じクラスメートの有紀はクラスの中では頭が良くて…いや、しっかりしてるのが有紀とその他もろもろ周りにいる奴らしかいないから頼りになる女友達。


有紀「それはない、私がさせない。」

蓮「お前は秋の保護者かよ(笑)」

有紀「だって。秋は蓮と違って可愛いから」

蓮「いや、なんかおかしいだろそれ(笑)」


高校に入ってからこんなくだらない話ができる友達を見つけられた蓮は家族で居るよりか友達と居たほうが楽だ。


教室に入ると周りはお喋りで騒がしい。


神木「あーあ、学校着いちゃった。」

蓮「あーあ、つまんなくないけどいつも騒がしいからな。(笑)」

雅「じゃあ!ここでカラオケしちゃう?騒がしいから歌っててもわからないよ多分!」

神木 蓮「いや。馬鹿だろ(笑)」

雅「でもさ、でもさ!!」


ガタッ 席を立った弾みで椅子が他の生徒に当たってしまった。

それに気づいた雅は謝った。


雅「ごめんな!」

……………沈黙が流れた

なぜならそいつは喧嘩が強いクラスのトップ面をしてるやつだからだ。

立木「おい。痛いんだけど。」

雅「いや、だからごめんて!」

立木「……そんな謝り方あんの?ごめんなさいじゃねーの?」

雅「あ?謝ってるんだけど?」

蓮「おい。やめとけ。」

雅「こっちはごめんってちゃんと謝ってたんだけど?それにただ椅子がかすったぐらいなんじゃないの?」

神木「おい雅やめろ。」

雅「いつもそーだよな。些細なことでも何かしら文句つけて、入学してからずっとおもってたんだよね。」


バッ! 雅がヒートアップしてるのをヤバイと思いながら近づいて止めさせようとする蓮を払った。


蓮「雅、もうやめろって!そんなやつにかまってんじゃねー!ほっとけ!」


あっ……やばい遂に心の中に閉まっていた言葉という言葉が並んで口から出てしまった。

喧嘩はそんな強い方じゃないけど今まで本音を家でも言えてなかった分がここにスラッと出てきてしまった。しかも、最悪な状況で。


立木「あ?……そうか蓮までねぇ〜。お前も最近めんどくせぇと思ってたから、まぁ。ちょうどいいか」


先生「はーい、席に座れー!……聞こえてるのか早く座れって言ってるんだ!」


空気を読んだのか読んでないのか先生が割って入ってきた。


先生「とりあえず座れ。何があったの?言ってみろ。先生が聞いてやるから。」


立木「とりあえず帰るわ。」

立木の周りにいた輩もカバンを持って立ち去る。

そう。このクラスは男子の仲が悪い。

真っ二つ。


俺の家族のこと悩みがありすぎて頭が爆発しそうになる毎日にクラスでの騒ぎ…

楽になる方法ってあるのかな。

そう思い始めた矢先に

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