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5話

 朝、小鳥の鳴く声で目が覚める、ううっ、まだ眠い・・・

今何時だ・・・、枕もとの目覚まし時計をみると表記されていた時刻はAM5:00

明るいことには明るいが、もう少し寝ていたい、どうせいつまでも寝ていられるのだからせめて7時くらいまではうとうとしていたい・・・、都会ではこんなことは無かったのだが、田舎だからだろうか、夏場といっても布団がないと少し寒い気がする、寝てる間にけっちゃったのかな、手探りで布団を探すとやわらかい感触が手に伝わる、あぁ、あったあった、そのまま手繰り寄せる


「にゅっ・・・」


アレ?今この布団喋りませんでした?いやいやいや布団が喋るわけがない、まさか!

急速に覚めていく眠気とともに手元の布団だと思っていたものをみると、




「・・・・・・・・だれ?」




 そこにはまったく見覚えの無い少女が安らかな寝息を立てて眠っていた、

恐らく年の頃は10代前半、黒髪のショートヘアで黒いTシャツ、布団に隠れて下半身は見えないが恐らく黒い何かを着用しているのでは無いだろうか。


とか冷静に考えている風を装っているが、内心は思考回路がフル回転している

コレはもしこの状況を誰かにみられた場合非常にまずい状況に陥るのでは無いだろうか。


いや待て!幸いにもこの家に住んでいるのは私一人だったはず・・・現状の把握に使える時間はそれこそ山のようにある、ひとまずはこの布団から抜け出してこの危機的状況から離脱することを最優先にしよう

そうして布団から抜け出そうとした瞬間


「おまえさま?」


 あっいたわ、同居人・・・・・・・・・・

 いや、暢気にしている場合ではない、とりあえずこの状況下で蛇神に部屋に入られることが非常にまずいことなのはいくらなんでもわかる、何せ一緒に寝るのは遠慮しますーなんていってたやつが昨日の今日で見も知らぬ少女と同衾していたという(ように見える)のだからこれは何をされるかわかったものではない。

 最悪の場合怒りの矛先が私に向いてそのまま食い殺されるなんてこともあるかもしれない。

ともあれ先ずはこの扉を開けずにいかに蛇神を退散させるかに集中しよう・・・


「あぁ、お、おはよう、朝早いんですね、朝食をつくりに行きますのでリビングで待っていてもらえますか?」

「む? 起きておったか、ふむ、わかった、先に行っておるから早く来るのだぞ」

よぉし!何とかいけそ「んにゃっ」まずいぃぃぃぃぃ!最悪のタイミングで寝言なんて言うなぁぁ!

「おまえさま?いまおまえさまの部屋から声が聞こえた気がするのじゃが」

「いやいやいやいや気のせいじゃないかなそんなことないと思いま「パァン!」とふすまが開け放たれる

あれぇ?鍵かけてたはずなんだけど、みると無残にも鍵は引きちぎれていた、あ、コレ相当お怒りですね


 開いたふすまの向こうには紫色のオーラを纏い剣呑な目つきをした白色の大蛇がこちらを睨み付けていた


「おまえさま? これはどういうことかの? 説明してもらいたいんじゃが・・・」


 いや~、私も説明して欲しいですねぇ~アッハッハ、なんて言うのは火に油を注ぐ行為だというのは流石にわかる。


「いやぁ私にも何がなん・・・だ・・・か」

あっこれ激おこぷんぷん丸どころの話じゃない、めちゃめちゃ怒ってる・・・

「あっいやすいませんこれはですね私にもいまひとつ把握できていないというかですね、朝起きたらこんな状況になっていた次第でして、」

「ちょっとこい」

「いy「ちょっとこい」

 あっこれやばい、ってかなんで結婚もしてないのに浮気現場押さえられた男みたいになってんだ私

「ただいま参ります」


そこからは半ば引きずられるようにリビングへ連れて行かれ正座をさせられながら状況の説明をさせられた


話した内容としては

1、昨日蛇神様と分かれた後すぐに就寝した

2、朝起きるとすでにあの少女が隣に寝ていた

3、流石に昨日蛇神様の誘いを断った手前あの状況はまずいと思いとっさに隠してしまったということ

4、決して浮気をしたわけではなく、恐らく肉体関係を持ってもいないだろうということ

5、私が愛しているのは蛇神様だけだということ


え?5番がおかしい?私もおかしいとは思いましたよ?でも体中に巻きつかれながら強要されたら言わざるをえないと思うんです、蛇に睨まれた蛙ってあんな気持ちなのかな・・・


とにかく何とか命拾いをしたが問題はまだ終わってない、あの少女がいったい何者かということである


流石に年端も行かない少女に蛇神様の尋問(本人は質問とかいってるけど)を食らわせるわけにはいかない

というかあの年の女の子にこんな馬鹿でかい蛇なんて近づけたら泣いちゃいますよ?


 というわけで、何とか宥めすかして少女の身元を確認する係りを任せてもらい、自室に戻ると


「にーさまっ!」


にーさま!?


黒の少女は起きていたのか、私の姿を確認するや否や飛びついてきたのだった・・・




あの、私一人っ子だったはずなんですが・・・



後述しておくとふすまについていた鍵はカチャっとまわすタイプではなく

金属の棒をずらして留めるタイプ(丸棒ラッチと呼ばれるものらしいですね)

だと思ってください

(みんなは小学校の掃除用具入れるロッカーとかについてたよね?)

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