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14話

 夕飯は僕と美夜の分はふつうの、美雪の分は卵粥にした、僕の分も粥で良かったかもしれないが調子も悪くなくなったのでやめておいた。



 美夜は夕飯の匂いに釣られて起きてきたので先に食べさせる、美雪は寝たままだったので起こすのも悪いかと思い僕も美夜と一緒に夕飯を食べた。


 美夜にはかなり心配されたがどうにか治ったことを納得させる、終始心配していたが最後には折れてくれた。


 美夜もかなり疲れていたのか夕飯を食べると再び寝てしまった、一応風邪がうつるといけないので今日は別の部屋で寝てもらった、布団を敷いた途端もぞもぞと布団に潜り寝てしまうところをみるとかなり無理をさせていたんだと申し訳ない気持ちになる・・・


 とりあえず美雪はまだ寝ていたので頭に乗っているタオルを交換しながら寝顔を眺める。


 これから僕達の関係は変わっていくだろうけど、後悔だけはしないようにしよう、美雪も美夜も、もう僕の家族だ、失いたくない、今回美雪がいなくなってしまったことでより一層そう感じた。


 美雪の様子は落ち着いてきているように見えるが、まだ顔は赤い、この調子だと回復するまで結構かかるかもしれない。


 色づく美雪の顔をみていると邪な気持ちが湧いてくる・・・まぁ流石に病人あいてにヤってしまうほど鬼ではない、が・・・



 「まぁ、このくらいは許されるかな?」



 眠る美雪に唇を重ねる、柔らかな感触に少し満足、まぁこのくらいにしておこう、悪化させてしまうのは本意ではない。


 またしばらく美雪の様子をみる、時折頭のタオルを変えてはまた様子をみる・・・




 「んん・・・ぅう」

「美雪? 起こしちゃったかな・・・」

「おまえさま?・・・」

「大丈夫?なにかつらいとことかない?お腹はへってない?」

「ん・・・あつい・・・べたべたする・・・」

「わかった、なにか拭くもの持って来るね」

「ん・・・」


 キッチンで洗面器に水を入れてタオルと、あと替えの服も用意する、部屋に戻ると美雪は体を起こしていた。


「自分で拭ける?僕がする?」

「やって・・・」


 風邪を引いているせいか美雪の返事はぽわぽわしている


美雪の服を脱がせて体を拭いてやり(下も拭いたが鋼の自制心で堪え切った)、替えの服も着せてあげた、出来るだけ暑くないように薄めのTシャツ(欲しがったので僕のTシャツ)を着せておいた、下はパンツだけ(パジャマのズボンを穿かせようとしたのだが嫌がったため)だがまぁないよりはマシだと思う。



 「お腹へってない?」

「んー、すいた」

「じゃあお粥あっためてくるから待っててね」

「ん」



 キッチンでお粥を温めて持っていく、味は少し薄いくらいがちょうどいいだろう



 「自分で食べる?」

「ぃや」

「わかった」


 仕方ないので食べさせてあげる、んー、風邪引いてるからかやけに甘えてくるなぁ、口調もいつもと違うし、まぁこうして甘えられるのも悪い気分じゃない。


 お粥を食べきった美雪はまた眠くなったのか眠ってしまった。


 まだ顔は赤く、熱も冷めていないようだ、体温計を挟むと38.7℃と出ている。

これではかなり体調も悪いだろう、頭もボーっとしているようだったし・・・


 美雪の胸に手を乗せて指先でやさしくぽんぽんとリズムを刻んであげる、確か心臓の鼓動に近い間隔でやると眠り易くなるはずだ。


 心なしか美雪の顔も楽そうに見える・・・早く良くなるといいんだけど・・・。




 結局その日は夜遅くまで美雪の看病をしていた、美夜にはちゃんとうめ合わせしてあげないとな・・・









ぽんぽんするヤツは子供の頃、病気になった時によくやって貰った覚えがあります。


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