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煌龍様との対談

「支離滅裂になりましたが、これが私がここに至った経緯です。足場が崩れ、穴に落ちて意識を失い、目が覚めたらあなた様が目の前にいらっしゃいました。」


ここに至るあらましを思い出しながらドラゴンに説明すると、目を閉じて話に聞き入っていたドラゴンがゆっくりと口を開いた。


「そうか、いくつかわからぬことはあったがおおむね事情は把握した。」


よかった。出会ってすぐの、まさに侵入者を威圧するかのような雰囲気はもう消え去っている。いや、正確に言えば威圧感はあれどそれはいわゆる『威厳』といった類のものに変わっていた。


「時に人間、いやゼンといったか。我を見てあそこまで驚いたということは、貴様の住む国には龍はいなかったのか?」


「はい、私の国というよりも私の住んでいた世界では龍というものは空想上、伝説の生き物でした。少なくとも太古の昔に生きていた恐竜という大型の爬虫類が滅んで以来、大きくても私くらいの大きさを超えるようなものは発見されていなかったと思います。」


少なくとも、コモドオオトカゲよりも大きい爬虫類を俺は知らない。いたとしても希少で一般的には知られていないものだろう。


「そうか。ではお前は『世迷人(よまいびと)』ということだな。」


「『世迷人』ですか?」


「うむ。おそらくこの世界と貴様の生きていた世界は別次元のものなのだろう。この世界には多くはないがの龍種がいる。貴様はさっき『私の世界には』といったな?龍種は種族によるがどのような環境にもその土地に適応した龍種が住んでいる。その存在を知らぬということは、おそらく貴様は異世界の人間ということになる。そして、この世界では異世界からの来訪者を『世迷人』と呼ぶのだ。」


「つまり、私のような人間がほかにもいたということですか。あなた様はその人物と会ったことがおありですか。」


世迷人という言葉が存在するということは、前例が複数あるということだ。それならばその先人の行動を調べていけばこれからどうしていけばいいのか、何をしてはいけないのかが自ずと見えてくるだろう。


「いや、我は貴様が初めて見る世迷人だ。それと、あなた様という呼び方はどうにもすわりが悪い。わが名は煌炎龍(こうえんりゅう)グラン・リオン。人間からは煌龍と呼ばれている。」


「そうですか。では煌龍様とお呼びしてもよろしいですか。」


「うむ、それでよい。時にゼンよ。貴様の話にあった貴様の荷物とは、壁際に転がっているその大きなカバンのことか。」


そういわれて壁際を見ると、少し汚れているもののどこも破れることなく俺のリュックサックが転がっていた。


「あっ、はい。あれは私の荷物で間違いありません。とってきてもよろしいですか?」


「うむ、構わん。先の話でいくつか気になったものがある故それを見せてもらうことは可能か。」


「はい、この中に入っているものであればお見せできます。」


「そうか。ではカップめんというものを見せてもらえるか。どうにも聞き覚えのないものだ。」


そりゃそうだろう。この世界の文明がどれほど進んでいるかはわからないが、現在の日本程度の文明でないとそもそも保存食として量産ができない。リュックの中からカップめんを取り出し、煌龍様の前に差し出す。


「はい、これがカップめんです。この器に湯を注ぎ少し待つと麺類が食べられます。」


「ほう、カップめんとは麺の保存食ということか。確かに湯を注ぐだけであれば簡単だな。しかし、その湯を調達するのに時間がかかるのではないか。有事の際にそれでは保存食として成り立たんのではないか。」


「いえ、このカップめんは昼食などを手早く済ませるためのものです。ですので、有事の際はこの缶詰というものを食べたりします。」


一緒に買っておいた焼き鳥の缶詰を取り出し、説明をする。


「それは缶詰というのか。見たところ金属の塊のように見えるが。」


「はい、この金属の缶の中に食べ物が入っています。この缶詰は鶏肉の缶詰ですね。お召し上がりになりますか。」


「ほう、鳥の肉か。ではいただこう。」


知らないものを見る、興味津々といったような眼で缶詰を見ながらそう答える煌龍様の眼前に缶詰を開け歩み寄り、大きく口を開く煌龍様の口内に焼き鳥を残らず入れ、数歩下がる。

煌龍様の口の大きさからすれば少量であろうその焼き鳥を、目を閉じて咀嚼する。


「おお、これはまた美味だな。しかし量が少ないな。」


「そうですね。これとパンや穀物などを一緒に食べるのでこれだけで食料事情が解決するというものではありませんので。」


「そうか。食べ物についての疑問はわかった。もう一つ、ビー玉とはなんだ。」


ビー玉は工業製品であるがゆえに、この世界には存在しないものなのだろう。ということは宝玉とかの宝石に近いのかもしれない。


「はい、こちらがビー玉というものになります。ガラス、水晶の亜種のようなものでできています。」


無色透明のビー玉を数個取り出して手のひらに乗せ、煌龍様の眼前に差し出す。

すると、煌龍様は大きく目を見開き、口を開いた。


更新がゆっくりで申し訳ないです。すべては艦これのイベントが始まったせいなんです。

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