1/16
0.おそろいのぬいぐるみ
もともと里奈と俺は共通点が多かった。
家は隣同士で同じ誕生日。血液型も同じで名字も同じ山本。
それだけでも奇跡なのに、ある時を境に俺は何もかも同じじゃないと済まなくなった。
それは俺らが出会って初めての誕生日。
その日、それぞれの親から色違いのクマのぬいぐるみをもらった。
俺のは青い服を着たクマ、里奈のはピンクの服を着たクマ。
正直そんなものより俺はヒーローものの武器とかが欲しかったのだが、そのクマをもらったときの里奈の言葉に、俺はその考えを改めた。
「さとしくんとおそろい、うれしいなぁ」
無邪気に笑ってそう言う里奈に、俺も無性に嬉しくなったのを覚えている。
それ以来、俺のすべては里奈一色に染まった。