「君の名は。」のヒットから見えてくる「中心と周縁理論」と物語の構造、ゆらぐ優性思想と世界人口削減計画
「君の名は。」の新海誠監督(日本ファルコム、ゲーム制作&ギャルゲー出身)のヒットとか、魔法少女マギカ☆まどかの虚淵玄氏(エロゲー出身)の活躍など見てたら、次世代の才能というのは異端から生まれるんだよねと思えてくる。
「君の名は。」のネタバレ的な話になるが、最初の展開は男女の身体と魂が夢の中で入れ替わるというギャルゲー&コメディ展開からはじまり、新海誠監督の得意の彗星だとか宇宙や伝奇SF的要素が入ってきて、切なくなったり、最後は泣けたり。
冒頭の話は「君の名は。」の予告動画でネタバレしてるし、そこからどんでん返しあるから大丈夫です。
http://www.kiminona.com/index.html
dtv(ドコモの動画サイト)で新海誠監督のデビュー作「ほしのこえ」(過去作は大体観れる)見直したら、これ、庵野監督のガンバスター的テイストだよねと思ったりした。
彼女は異星人というより、宇宙怪獣と戦ってるだろう!と突っ込みも入れたくなる。
その宇宙船、ヱクセリヲンという名前だろ!とか(笑)
携帯メールが届くのに8年もかかるのか!(ネタバレ)。
ほしのこえ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BB%E3%81%97%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%88
ガンバスター
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC
なろうの作品なんかも、かなり特殊な位置にから出発して、いまや、ネット小説やラノベの主流になってるけど、かつてのラノベの主流からは外れていたし、古い文学とか、文壇の世界とはちょっとかけ離れてる。
新海誠
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E6%B5%B7%E8%AA%A0
虚淵玄
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%9A%E6%B7%B5%E7%8E%84
中心・周縁という構造
http://haiholekikyo.blog.fc2.com/blog-entry-8.html
世界的文化人類学者の山口昌男氏(経済人類学者の栗本慎一郎はこの方を大熊猫教授と呼んで著書にも出てたりする。天才的な人です。ニューアカブームを先導した知の巨人)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E6%98%8C%E7%94%B7
写真みるとそんな感じである。イラストも上手くて、宮崎駿監督に雰囲気似てる。
http://matome.naver.jp/odai/2146572647740161401/2146763697264459303
一般小説が小説の世界の「中心」だとするなら、最近のヒット作は「周縁(異端)」から生まれてる気もするし、世界的文化人類学者の故山口昌男氏が「中心と周縁」理論とか、「トリックスター」理論とかを唱えています。
「中心と周縁」理論というのは、アニメ界に例えると、宮崎駿という「中心」(王が治める秩序の世界)があって、「ハウルの動く城」を監督するはずだった細田守氏がジブリの古参スタッフから排除されたように、「周縁」(非日常、人外のもの、グレーゾーン)は常に中心から排除されたり、差別されます。
そうでありながら、アニメ界という中心はやがてマンネリに陥り、衰退していきます。
だけど、そういう「周縁」に触れることで「中心」は活性化され、「周縁」の中から次世代の王、才能が生まれてきます。
これは神話や物語の構造によくあるパターンで、王殺し、親殺し、アニメ界の中心のジブリという
「中心」からは優秀なスタッフは生まれても、次世代を引っ張っていく才能は生まれにくい訳です。
--------------------------------------------------------------------
山口昌男という人によると、中心は周縁を不可欠の物とし、排除しつつ維持し、時たま利用する、だそうです。又、中心と周縁は交代可能である、ということも述べています。これらについても後述します。その前に内部・外部という考え方が民俗学とどう関わるかに触れます。その方が分かりやすくなるかと思います。
(中略)
そして、なぜ内部と周縁が取替え可能か。
内部の頂点とは、長であったり王であったりするはずです。それは、内部の中心にいながら内部のものといえない存在といえます。いわゆる、"超"人、"神"懸かっている、崇拝される者、畏怖される者などなど。つまり、周縁のものと同等になるわけです。こういった話は『みにくいあひるの子』や『王様と乞食』といった物語に見受けられます。
最後に、ガス抜き、という観点に触れて締めましょう。
外部・周縁から離れて内部だけで生活を営むと、変化もなく、マンネリ化し、又、それでいて不満などは逃げ場がなく溜まってしまいます。これをガス(=不満)が溜まった状態と喩えます。そして、ここで周縁が関わります。周縁の者(旅芸人など)を寺社に呼んだり、神を神社におろしたりして無礼講で大騒ぎします。こうすることで、いわゆるガス抜きが出来るわけです。
寺社などに招くのは、内部でありながら内部的でない場所のため、だったはず…
これは先述の、越境が物語の基本構造、という話に相当します。無秩序・非日常(周縁・外部)が、秩序・日常(内部)に触れることで、秩序がかき乱され非日常が生まれます。これが物語となるわけです。そして周縁から来た者が追い出され、秩序は更新され落ち着く、となるわけです。周縁から来た者が内部に取り込まれる、というのも考えられるとは思いますが、これは私見ですので。
「中心・周縁という構造」より
http://haiholekikyo.blog.fc2.com/blog-entry-8.html
--------------------------------------------------------------------
この話の構造、マトリックスとか、攻殻機動隊にも似てるなあとも思いますが、ネットの人工知能がイレギュラーな草薙素子を取り込むことで強化されたり、マトリックスの主人公ネオはシステムからわざと見逃されて生まれてきたという構造に似ています。
周縁、異端は排除されなければならないが、秩序、中心、システムはそれらなくしては衰退していくので、時々、異端を取り込むことで活性化して延命できます。
東京都知事が石原、猪瀬、マツゾエと劣化して行った末に、小池知事になったのも偶然ではないのです。
小泉総理やトランプが出てくるのもそういう構造があるからです。
山口昌男氏は共同体における祝祭に言及していますが、選挙も祝祭で、東京都民が衰退していた都政に新しい風を望んでいたということかもしれません。
祝祭というのは秩序は徐々にマンネリ化して衰退するので、そこに無秩序や非日常を取り込んでガス抜きしたり、活性化しないとダメだよということになる訳です。
高天原にとっての異端、トリックスターであるスサノオは追放される運命にありますが、出雲で王になります。そういう物語構造がよくあるということです。
--------------------------------------------------------------------
トリックスター (英: trickster) とは、神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を引っかき回すいたずら好きとして描かれる者のこと。善と悪、破壊と生産、賢者と愚者など、全く異なる二面性を併せ持つのが特徴。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC
--------------------------------------------------------------------
水滸伝の中では面倒ばかり起こす鉄牛というキャラが出てきますが(張飛的イメージ)、実にトリックスター的で、いつも問題を起こして梁山泊のリーダーの宋江に怒られて処刑、追放されそうになります。
だけど、いい面もあって、トラブルメーカーなのに憎めないキャラなのです。
最後は許されます。
この鉄牛がいないと物語は動いていかないし、面白くもなっていきません。
真田丸だと、草刈正雄の演じてる真田昌幸ですね。
あの人が真田丸の前半の主人公でした。
徳川家康は翻弄され通しだったしね。
ということで、山口昌男氏の「中心と周縁」理論、「トリックスター」理論は政治から文化まで、神話や物語の構造を説明できる優れた理論です。
小説のストーリー、キャラ設定などで役立つかも知れませんね。
僕の小説だと、トリックスターは織田信長とかかな。
メガネ君とか安部清明がそのトラブル解決とかの役回りでしょうか。
--------------------------------------------------------------------
アジェンダ21
1992年ブラジル地球環境サミットで採択されたのがアジェンダ21。
表向きは地球規模の環境問題を克服して人類が繁栄するための「行動計画」である。
しかし事実上は以下のようなことが目的として記載されている。
▼大幅な人口削減
▼国家主権の崩壊
▼財産の平等化(没収)
▼私有財産の禁止
▼政府による子どもの養育
▼政府による職業供与
▼行動の規制
▼居住の限定
▼教育の低下……。
具体的に「人口を85%削減」することが記載されている(『国連(生物多様性)査定報告書』)。
つまり、現在70億人のうち60億人を減らし、10億人が“適正人口”という。米バラク・オバマ政権で、大統領補佐官(科学技術担当)を務めるジョン・P・ホルドリンは 「地球に最適な人口は10億人である」 と主張している。
彼が1977年に著した共著『エコサイエンス』には、その“人口削減”の具体的方法まで提案している。
▼食糧・飲用水への不妊剤の混入
▼投薬による大規模な不妊化
▼強制的な妊娠中絶
▼政府よる新生児の没収
▼妊娠を防ぐ体内インプラントの埋め込み……。
「アジェンダ21」 人口削減計画
http://ameblo.jp/kissy-seed/entry-11880881774.html
--------------------------------------------------------------------
こういう陰謀論がささやかれてるのですが(さすがに実感ない)、山口昌男氏の「中心と周縁」理論的な視点から言えば、世界のエリートからは次世代のリーダーは生まれないので、実は人口削減される対象の中、異端の人間の中に、次の時代のリーダーがいるかもしれないよと思ったりします。
ヒトラーが唱えたと言われてる優生学というものがあり、弱肉強食という話もありますが、それって合理的、科学的理論的には間違ってるかもしれないよとも思うんです。
エリートばかり選抜しても世の中、良くならないどころか、衰退していくのです。
自然の法則から言えば。
世襲は三代目でづぶれることが多いとも。
優生学
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%84%AA%E7%94%9F%E5%AD%A6
たまに遺伝子操作や優生学、人口削減計画とか考えている人々がこの世に現れるんですが、それって意外に不正解なんだよね。
常に異端、周縁から、思いがけない新しい時代の担い手が生まれる。
それが世界の法則だと思えます。
女の子にもてたくフェイスブック作ったけど、自分の好きの子にもてなかったのでお金持ちを目指したという映画もあったけど、世の中、そんなものですね。
山口昌男氏の「中心と周縁」理論を学んで、本当の科学的思考を身につけた方がいいよと言っておきます。
ネット小説から生まれたなろうが、ラノベの主流になった途端、KADOKAWAがそれとは違うカクヨムを作ったのも偶然ではなくて、それを取り込んで活性化すれば、なろうは生き残って延命する。
そんな構造もあるのかなと思ったりしました。
山口昌男氏の「中心と周縁」理論はいろんなことを説明できる理論ですね。
下町ロケット 2018
https://tver.jp/corner/f0027145
下町ロケットの島津裕役のイモトアヤコ(通称クマ女、佃航平談)がなかなかいい。
一村隼人役の今田耕司も良かったし。
いつも定時で帰る「やぼったい」が口癖の軽部真樹男役の徳重聡が気になる。
実は凄いやつかも?
2018/10/15