設定テンプレ、展開テンプレのお話、掟上今日子の備忘録、スターウォーズに学ぶ物語を面白くするための構成力の考察
テンプレと二次創作からはじめる、エタらない小説の書き方考察、ビジョン先行型天才の「孫正義」氏の予告編【追記あり】
http://ncode.syosetu.com/n4163bx/154/
謎解き日本のヒーロー・中国のヒーロー(その7)
http://watto.hatenablog.com/entry/2015/12/06/213000
となりのヤングジャンプ : ワンパンマン
http://tonarinoyj.jp/manga/onepanman/
スター・ウォーズ/フォースの覚醒
http://starwars.disney.co.jp/home.html
前回のエッセイですが、夜勤明けで書いたので疲れていたのか、「テンプレと二次創作」との関連を書き忘れて、タイトル詐欺になってました。
親切な指摘があって、それに関して1500文字ほど【追記】をしたんですが、なろうのテンプレをもう少し一般的に拡大して、物語を面白くするパターンとして「テンプレ」を捉えてみようかと思いました。
最近、「ワンパンマン」というアニメが流行っていて、原作漫画はWebで全話読めるのですが(一気読みしました)、主人公はナチュラルな最強で、ワンパンチで敵を倒したり、隕石を砕いてしまったりする訳です。
怪人や怪獣を倒すヒーロ―協会という組織も出てきて、ランキングがあって、主人公はS級ヒーローを超えてるのに、何故かC級ヒーローから出発したりして、そのあたりの不遇さ、ハゲてる(あんたもか!)ところとかが共感できます。
これ、ドラゴンボールの影響が強いのかなあ?と思ったりしますが、日本自体がヒーロー文化まみれなので、そのうち出て来る漫画だったのかもしれません。「月刊 ヒーローズHEROS」という漫画雑誌があるぐらいですから。
月刊 ヒーローズHEROS 毎月1日発売
http://www.heros-web.com/
はてなブログで「謎解き日本のヒーロー・中国のヒーロー」という日本のヒーロー(英雄)の共通点をまとめた記事があり、結構、共通点が多いようです。
>弟である。
優男で、まれに女装するとか。
西に強く東に弱い。
最後は負けるとか。
政治音痴とか。
敵が身内とか。
謎解き日本のヒーロー・中国のヒーロー(その7)より
http://watto.hatenablog.com/entry/2015/12/06/213000
で、これも物語を面白くするパターンとして「テンプレ」なんですが、なろうのように最初の「設定」のテンプレのことを<設定テンプレ>と名付けたら、物語を盛り上げていく「テンプレ」を<展開テンプレ>と呼ぶことができるんじゃないかと思いました。
「謎解き日本のヒーロー・中国のヒーロー」の共通点は、大体<設定テンプレ>なんですが、<展開テンプレ>も混じってるなあと感じます。
なろうの「テンプレ」の<設定テンプレ>は、ハーレムだとか、主人公最強の部分で主人公の初期設定ですが、ここで違いを出すというのがひとつのパターンでもあります。
キャラクター設定の練り込みの部分で、ここから人間関係が出来て行って、ストーリーにも影響を与えていきます。
<展開テンプレ>というのは、「トラックに轢かれて死んで、神様から異能の力をもらって異世界に転生する」というものですが、初期の<展開テンプレ>は存在するのですが、その後の物語展開、構成についてはあまり語られていません。
初期設定の<設定テンプレ>で人気が出て、日間ランキングに載ったけど、その後が伸びない、いまいちポイント伸びないなあという場合、その後の<展開テンプレ>が弱いということもできます。
この<展開テンプレ>はドラマ業界ではパターンが確立してるなあと思ったりしますが、テレビでミステリードラマを展開する場合の典型的パターンは、一話完結で事件が起きる→何話か続いて探偵とその助手的人物の交流が描かれる。男女の場合、恋が芽生えたりする→主人公の探偵の出生の秘密が明かされる→実は父親とか肉親がラスボスとか、事故で亡くなったりしてる→ラストに向けて怒涛の展開→悲劇的であるがハッピーエンド、救いがあるラストのような展開が多いです。
構成的には、キャラクターの紹介も兼ねて一話完結が何話か続く→主人公の探偵の秘密が明かされ、ラスボス登場で怒涛のラストに流れ込む→終わったかと思ったら、映画化発表→映画公開前にスペシャルドラマがある→ついつい映画を観てしまう(爆)
現在、放送中の「掟上今日子の備忘録」(今日子さんの太もも写真が若干、エロい http://www.ntv.co.jp/okitegami/)でも、一日で記憶がリセットされるという<忘却探偵>の掟上今日子と、トラブルにばかり巻き込まれる隠館厄介(いつも犯人として疑われる)のコンビが事件を解決して行く一話完結の物語になってます。
やはり、一話完結の物語が数話続いた所で、現在は<忘却探偵>の掟上今日子の誕生秘話シリーズになってます。ふたりはやはり恋に落ちつつあります。
この物語構成の<展開テンプレ>は、堤幸彦監督の「ケイゾク」(中谷美紀と渡部篤郎主演)でも、その続編の「SPEC」(戸田恵梨香、加瀬亮W主演)、「トリック」(仲間由紀恵と阿部寛主演)でも、パターンは多少違うがほとんど同じです。監督が同じだからということかもしれませんが。
ケイゾク
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%82%BE%E3%82%AF
SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜
https://ja.wikipedia.org/wiki/SPEC%E3%80%9C%E8%AD%A6%E8%A6%96%E5%BA%81%E5%85%AC%E5%AE%89%E9%83%A8%E5%85%AC%E5%AE%89%E7%AC%AC%E4%BA%94%E8%AA%B2_%E6%9C%AA%E8%A9%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%AF%BE%E7%AD%96%E4%BF%82%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E7%B0%BF%E3%80%9C
トリック
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E)
12/18(金)に「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(http://starwars.disney.co.jp/home.html)が公開されますが、最初に公開された「スター・ウォーズ」三部作が傑作になった原因は「敵役のダースベーダ―が実は主人公ルークの父親だった」という点だとも言われています。
これは<設定テンプレ>の初期設定を敢えて隠して後で明かして、<展開テンプレ>を盛り上げていくというものです。
「スター・ウォーズ」三部作の構成が「ハリウッド映画の鉄板構成」だったという指摘もあります。
>『ヒーローズ・ジャーニー』とは
ハリウッドのストーリーライター、シナリオライターが使用する基本の「シナリオの型」のひとつ。
序盤、平凡な日常から出来事をきっかけに非日常に突入する。その非日常の世界で試練を乗り越えて勝利を掴む。そして日常を取り戻すという12ステップの流れで出来ている。
12ステップは下記の通り。
平凡な日常:キャラクターの日常描写
非日常への誘い:日常から非日常へのきっかけの描写
非日常の拒絶:日常に対する葛藤の描写
師との出会い:葛藤を克服し非日常へ移行する描写
事件の発端:非日常の本格的な到来の描写
試練、仲間、宿敵との出会い:新しい世界での新しい経験の描写
ストーリーの深淵の描写:物語の大テーマの描写
最大のチャレンジ:試練の克服の描写
勝利:勝利の末、得た結果の描写
帰路:日常の奪還の描写
復活:進化と再生の描写
帰路:エンディングの描写
「公開直前!私がスターウォーズに夢中になる3つの理由 episode III:ストーリーの構成がまさに鉄板」より
http://takarabune.org/blog/?p=500#episode_III(リンク切れ)
この敵役が身内、肉親というのは「NARUT0疾風伝」でも使われていて、ナルトのライバルのサスケが敵の暁という組織に入ってしまって敵役に回ったり、サスケの兄のイタチも木の葉の里(忍びの里)を抜けて(抜け忍)敵の暁という組織入ってしまっているという意味で二重に使われています。
しかも、サスケもイタチもナルトの木の葉の里と敵対しつつ、最終的には味方に戻るような展開もあります。
NARUT0疾風伝
https://ja.wikipedia.org/wiki/NARUTO_-%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%88-_%E7%96%BE%E9%A2%A8%E4%BC%9D
これ、機動戦士ガンダムのシャアもそうで、主人公のアムロの敵、ライバルでありながら、ジオン軍の中では獅子身中の虫という存在で、シリーズが進むにつれて、アムロとシャア(クワトロ・バジーナと名乗り)が一緒に戦う場面も出てきます。
機動戦士ガンダム
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E5%8B%95%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0
最新作「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」(サンライズ http://g-tekketsu.com/)が現在、放映されてますが、オルガ(兄貴)と主人公の三日月(義弟)という関係もある作品と同じですが、味方が「鉄華団」という組織にまとまっていくのも某作品と同じ構成、展開です。
それは名作「天元突破グレンラガン」(ガイナックス http://www.gurren-lagann.net/tv/)、カミナ(兄貴)と主人公シモン(義弟的存在)が「グレン団」という組織をつくるところなどそっくりです。
カミナが途中で亡くなる展開があって、オルガも死んじゃうんじゃないか?と思ったりしましたが、今の所、大丈夫で、田中芳樹の「銀河英雄伝説」で亡くなられたキルヒアイスまども思い出してしまいました。
>ジークフリード・キルヒアイス
帝国側の主人公であるラインハルト・フォン・ローエングラムの少年時代からの親友にして、その半身的存在。人気キャラクターだったが、それにもかかわらず物語の序盤で死んでしまった。このことについては作者及び読者の両方から様々な意見が出ている(人柄の項目を参照)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%83%92%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%B9
<兄貴と弟的人間関係テンプレ>で、僕も「複垢調査官 飛騨亜礼 ≪短編連作版≫」の主人公の飛騨亜礼(兄貴)とメガネ君(戦国武将の信長やゲームプレーヤーとしての飛騨亜礼に憧れる弟的な)で使ってます。
メガネキャラ自体が、押井守の作品に良く出て来る「メガネ」へのオマージュであり、ワールドトリガーのメガネ君的な平凡なキャラとして、視点人物のひとりとして作者の分身として感情移入しやすいのもありますね。読者はどうなのかはちょっと分かりませんが。
「天元突破グレンラガン」のスタッフがガイナックスから独立して作った傑作アニメ「キルラキル」では主人公の纏 流子と最初の敵役の鬼龍院 皐月が実は姉妹だったという話になって、ラスボスが母親というパターンもありました。
スターウォーズの設定の裏返しですが、ラスボスの帝国は母親で、ダースベーダ―が鬼龍院 皐月で、フォースの暗黒面に落ちたけど、最後にルーク、纏 流子を助けてくれるパターンは、性別が入れ替わっただけで全く同じです。
キルラキル
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%82%AD%E3%83%AB
これも<物語テンプレ>の<隠し設定、展開テンプレ>の典型的なパターンです。
僕もこのべタな感じの<隠し設定、展開テンプレ>を使いますが、沢山、面白い物語を読む、アニメ、ドラマ、映画を観ることで、引き出しも増えていきますので、そうしていくうちに、自分が書きたい物語の構成力をを鍛えることもできると思います。
次回は「ビジョン先行型天才の「孫正義」氏」のお話になる予定ですが、予定は未定ということで。
人狼戦記~少女格闘伝説外伝~ 作者:坂崎文明
https://ncode.syosetu.com/n3963bx/
土日は小説の結末を考えてたんですが、「六龍が飛ぶ」(韓流時代劇)の盛り上がったシーンをモデルにして、最終話へ向けて書いてます。
2~3話は必要だと思うし、なかなかこれは終わりそうもない展開です。
2018/8/6 6:42
https://www.alphapolis.co.jp/novel/771049446/375169170/episode/1196719