二人の匠
凌牙「新キャラ登場だぜ!」
翔子「誰かな~♪楽しみ~♪」
翔子「そういえば!」
バンドの練習中...翔子は思い出したように呟いた。
翔子「私たちのバンドにベースいなかったわよね?」
凌牙「あ」
確かにそうだ。
昔の俺たちは日雇いでベース奏者を使っていた。
凌牙「いい加減、ベース奏者仲間にするか。」
義元「ベース?」
凌牙「そういう楽器を操る人さ。」
俺はエレキギターを鳴らした。
凌牙「とりあえず、ベースの録音で今日は代用するぞ。」
翔子「OK」
翔子はグーサインを出した。
義元も頷き、準備万端。
よし!
凌牙「1!2!1!2!ス―」
ピンポーン―
三人「あらっ!?」ズテーン!
義元「誰ですの?」
翔子「私が出るわ。」
翔子がパワーマキシマ片手に(怖っ!?)ドアを開けた。
戸口には一人の茶人が立っていた...。
*********
茶人は女の子だった。
目が切れ目なのは怖いけど可愛い女の子だ。
??「こんばんは。『千利休』と申します。」
千利休ちゃんね。よろ....
翔子「えええええええええええええぇぇっ!!!!!!!!!!!!!!!!」
翔子が大袈裟に跳びはねた。
背デカッ!!!!
178くらいあるんじゃないか!?
俺(信長ボディ)で159。
翔子(光秀ボディ)で155。
義元で160にもかかわらず、一人だけ飛び出てるぞこれ!?
可愛い女の子の茶人か~。
これなら...。
利休「お茶でもいかがでしょうか?」
と言って利休が取り出したのは....
俺は問答無用で腹パンした。
凌牙「それただの烏龍茶の入ったペットボトルじゃねぇか!!!!!!!!」ドゴォッ!!!
利休「かはっ!?」
利休は腹を押さえてうずくまった。
義元「落ち着きになって!!!」
凌牙「ぶっ殺す!!!茶人ナメてんのか!!!!」
一方の利休はケロッとした顔でソファーに座っている。
よく見れば肩に見覚えのあるものを担いでいる。
凌牙「お前...ベースやれるのか?」
利休「そのためにはるばる京の都から参ったのですが?」
三人「.....」
できるのか?こいつ?
*********
凌牙「て...天才だ...こいつ。」
利休は楽譜を十秒見ただけでメロディーを暗記しさらにアレンジまで加えてしまった。
利休「全ては師匠のおかげですよ。」
義元「きっとご立派な師匠でいらっしゃっるのですね?」
利休「はい、『サリエリ』という方で。
呼びますか?」
翔子「呼べるんだ!?」
利休「近くで幼稚園の子供たちにピアノを弾いているそうなので...」
利休は懐からスマホを取り出すと電話を始めた。
利休「ヨッ!サリエリ師匠チョリース!
今、噂の天才バンドの車庫にイマスんでヨロ~!」ピッ
軽ッ!?利休のイメージが崩壊していますが!?
ピンポーン―
利休「来ましたよ?」
凌牙「早いなぁ!?おい!?」
俺はドアを開けた。
*********
サリエリ「今日はお忙しい所こんなおもてなしをありがとうございます...。」
凌牙「サリエリって...」
翔子「綺麗...」
表現するならまるで白雪姫のような美しい顔をしていた。
ハニーブロンドの髪や美しく芸術のような手があるけど...。
サリエリ「ごめんなさい♪慈善コンサートの作詞作曲で忙しくて丸二ヶ月お風呂に入ってないの♪」
鼻が曲がるうううううううぅぅぅっ!!!!!!!!!!!
*********
という訳で。
一旦切り上げてみんなで俺の家の広い浴場に入った。
凌牙「みんな~!まずはサリエリ先生の垢を落とすぞ~!」
翔子&義元&利休「お~♪」
サリエリ「ありがとうね...みんな。」
翔子「うぅ...安物のボディースポンジが垢だらけに...」
義元「これで同い年なのですから...」
利休「かなりの苦労人ですよ...」
みんなで体のあちこちを洗い流し、俺の棒はかちこちに...っておい!?
ふたなりなのはみんなに言ったがヤバくない?
みんなの目が....。
利休「百合は許してくれますよね?」
翔子「さっきからずっと興奮してたのよ。
私がリードしてあげるからやらない?」
凌牙「断るッ!!」
義元「多勢に無勢とはこの事ね...フフフ」
凌牙「HELPMEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!」
*********
翔子「童貞卒業おめでとう♪」
凌牙「死ぬかと思った...。」
翔子「私は...少し前に汚れちゃったけど...新しい体になって新しい処女提供できてよかったかな♪」
翔子が俺にスポーツドリンクを渡した。
ちなみに利休と義元は風呂場でくたばっている。
俺...かなりの絶倫だったらしい。
ちなみにサリエリ先生は熱心なキリスト教徒のため、雲行きが怪しくなったあたりで逃げ出した。
サリエリ「神よ、祝福を...」
サリエリ先生は十字を切ると俺が用意したベッドで眠った。
凌牙「サリエリ先生...一見時間にフリーな生活を送ってるみたいだけど...時間守って生活してるんだな。」
翔子「アマデウスの主役とは全然印象が違うし...」
利休「紅茶でもいかがですか?」
凌牙「ああ、ありがとう!」
紅茶を受け取り、振り向きざまに腹パンしてやった。
凌牙「お前は日本茶の精神ねぇのか!!!!」
利休「....だって、紅茶の方がウケいいし」ボソッ
凌牙「もう...どうでもよくなって来た。
利休もベッドで寝ろ。
俺と翔子で最後のベッドを使って、義元は床で寝てもらう。」
義元「ひ!酷い!!!」
*********
朝起きると、サリエリ先生が作曲を始めていた。
サリエリ「こう...かな?
ううん...こうだ。」
用意した小型のピアノで音を調整している。
俺は適当な食事を料理すると隣のテーブルにそっと置いた...。
みんな「いただきます!」
俺たちは俺の創作料理に舌鼓を打っていた。
凌牙「よかった...好評らしい。」
翔子「お代わりしていい?」
凌牙「分かった。」
俺は台所へ行くと...昔の思い出が蘇ってきた。
*********
妹「凌牙!どう?美味しい?」
凌牙「うん、美味しいよ。」
妹「次凌牙ね♪」
凌牙「待てよ!俺料理やったことないぞ!」
妹「大丈夫!創作料理でいいから!」
妹「美味しい!」
凌牙「マジか!やった!」
妹「もっと作ってよ」
凌牙「おう!任せとけ!」
*********
あの時は妹と切磋琢磨して美味しい料理を考えていたな...。
翔子「凌牙?」
凌牙「わ、悪い!今用意するわ。」
俺は料理を皿に盛ると食卓に運んだ....。