剛力の用心棒
凌牙「今日はお前が活躍する日だぞ。」
翔子「ヤッター♪」
義元「私がスルーされる日ですわ...」
今日は俺、義元、翔子で街へ出かけることにした。
翔子「シャバの空気は美味いわね~!」
凌牙「そりゃな。」
あんな薄暗くて心痛む場所にいればそう感じるよな...。
義元「色んな品物が勢揃いしていますわ...!!!」
義元は美味しそうなケーキが並ぶこの街一番のケーキ屋のショーウインドーに釘付けになった。
凌牙「食いたいのか?...なんで翔子もへばり付いてんだよ!?
分かった!奢ってやるから止めろ!警察のご厄介になるのは勘弁!」
*********
女性陣「美味しい....」
凌牙「俺の財布に大ダメージ与えやがって...全く。」
俺は蝦蟇口の中身を見てため息をついた。
義元「お代わりしてもよろしくて?」
凌牙「」ゴッ!
俺の頭突きが額に命中した。
凌牙「負け犬の分際でほざくな。」
義元「ぐぬぬ...」
翔子「私、お代わりするね...」
立ち上がろうとする翔子の肩に俺は手を置いた。
凌牙「何が欲しいんだ?」
翔子「凌牙...」ポッ
義元「ずるいですわ!私にも―」ゴッ!
抗議する義元の頭に頭突きすると俺は翔子が欲しいと言ったケーキを買ってきた。
翔子「あり...がと」
翔子は顔を赤らめた。
凌牙「翔子、あーん。」
俺は口を開けた翔子にケーキを少し切ってフォークで餌付けした。
翔子「ありがとう...まるでカップルみたいね...。」
義元「」チーン
*********
俺たちは公園に出ると芝生に寝そべった。
翔子「凌牙...」
凌牙「なんだ?」
翔子「綺麗な空ね...」
義元「あ!あの雲、おまんじゅうの形―」
凌牙&翔子「空気読め!」ゴッ!
俺と翔子の脇腹フックが義元を失神させた。
翔子「私ね。
新しい体もらって...晴れて乙女に返り咲いたんだけど...。」
翔子は胸に手を置いた。
翔子「貴方のおかげよ。
感謝してるわ。」
凌牙「そうか。」
俺は鼻の上まで登ってきた蟻を吹っ飛ばした。
翔子「でね...」
翔子は凌牙の手を握った。
翔子「私と―」
と、その時。
突然バーチャル空間に飛ばされた。
凌牙「敵襲か!?」
俺は翔子の手を握ったまま立ち上がった。
翔子「ゴメンね。」
翔子は手を離し、腰のホルスターに手をかけた。
鈍い音とともに現れたのは深紅の甲冑を纏った巨漢(男かどうかは知らん)だった。
??「グルル...」
巨漢は唸り声をあげた。
その後ろには妖しげな女性が立っていた。
??「アタシの名前は『松永久秀』。
謀叛を起こすわ!織田信長!」
やはり勘違いらしい...。
凌牙「なんだか知らんが!」
俺は剣を抜いた。
凌牙「俺に盾突く奴はその四肢を木っ端みじんにするまでだ!」
久秀「アタシ?アタシは戦わないわ。
戦うのはこの用心棒よ?」
バウンサー「グオオオオオオォッ!!!」
翔子「凌牙。
タッグを組むのは初めてね。」
凌牙「ああ。だが俺の足を引っ張るなよ!!!」
バウンサーは咆哮をあげると突進してきた。
凌牙「逃げられない!
うがあああっ!!!」
俺はアッパーを喰らい吹き飛ばされた。
翔子「くっ!凌牙!」
久秀「あら?あなたも危ないわよ?」
翔子「ここは」
翔子はパワーマキシマを抜くと肩目掛けて撃った。
しかし結果は虚しく弾丸が弾け飛んで終わった。
翔子もまたストレートを受けて吹き飛ばされた。
凌牙「畜生...」
俺はふらつく足で立ち上がった。
口の中に鉄の味が広がる。
翔子「ダメ。パワーマキシマも効かないわ...。」
凌牙「なら俺の剣も...」
俺たちは絶望した。
凌牙「どうなってんだ...」
俺は剣を収め、バウンサーの連続パンチをかわす。
翔子も柔軟に攻撃を受け流す。
そしてバウンサーの弱点を探す...。
凌牙「なるほど!」
翔子「そこね!」
俺と翔子は後ろに飛びのいた。
凌牙「翔子!」
俺は翔子に一枚のカードを投げ渡した。
翔子「これって...」
凌牙「『暴鮫闇龍』。
俺の『希望光帝』と対になるカードだ。
それを使え!」
翔子「...分かった。」
俺の間違いが無ければそのカードも永続的に使える。
頼む...賭けに成功してくれ!!!
俺は『希望光帝』を装備すると剣を構えた。
凌牙「翔子!」
翔子「分かってるわよ!!!」
バウンサーが突撃してくる。
俺は三刀流で応戦する。
しかし、堅固な鎧は巨剣すら弾いた。
凌牙「クソッ!
だがな!!!」
俺はポケットから石を出すとバウンサーの目の前に放り目を閉じた。
フラッシュグレネード。
まばゆい光で相手の視界を潰す石だ。
バウンサー「ギャオオオオォッ!?」
凌牙「行け!!!!!!!!!!!」
翔子はリボルバーをリロードしようとして気がついた。
翔子「弾切れしない...。
そういう能力なのね。
なら!!!!」
銃口を発見した急所目掛けて―
翔子「遠慮なく行かせてもらうわ!!!!」
―全弾発射―!!!!
弾丸はMAX1582発が拡散し、激しい一撃を秘めた雨と化す!!!!!!
その破壊力にバウンサーの鎧が破壊され、バウンサーは吹き飛ばされた....。
*********
凌牙「もう終わりか?」
俺は剣を久秀に突き付けた。
久秀「っ!?」
久秀はジリジリと後ずさる。
翔子「あなたの敗因はただ一つ...私と」
凌牙「俺の」
凌牙&翔子「『双頭鮫』(ツーヘッドシャーク)に挑戦状をたたき付けたことだ。』」
久秀は取り出そうとした鎌を取り落とした。
久秀「こ...降参よ。
だから命だけは.....いやあああああああああああああああああああ!!!!!」
俺の剣と翔子の銃が邪悪に煌めいた...。
*********
義元「う...凌牙さん?」
凌牙「いつまでくたばってる。
帰るぞ。」
義元「え...あ!はい!」
翔子「(今日は言えなかった...でも次こそは絶対...!!!)」